滋賀報知新聞 平成19年11月15日(木)の記事
         

竜王で「交通安全推進大会」

 近江八幡地区交通安全対策会議(会長=山口喜代治・竜王町長)が10日、地域住民の交通安全意識の高揚を図ることを目的に「第22回近江八幡地区交通安全推進大会」を竜王町公民館大ホールで開いた。

 大会には、同会議の構成市町である近江八幡・安土・竜王の住民や近江八幡地区交通安全協会・安全運転管理者協会の会員ら約200人が駆け付け、交通事故犠牲者に対する追悼のための黙祷から始まった。
 近江八幡警察署・吉田隆副署長は、昨年の交通事故死者数(6人)と比べて今年はすでに5人という現況に「昨年よりも死者数を減らすためには一歩もあとがない」と強調。事故の特徴に▽65歳以上の高齢者による事故の増加▽交差点・追突事故の多発を挙げ、「交通安全意識を高めていくことが課題。重大な事故に直結する違反やシートベルト着用の取り締まりを強化する」と語り、悲惨な事故の撲滅へ参加者に協力を求めた。
 近江八幡地区交通安全対策会議・交通安全協会・安全運転管理者協会による交通安全活動に功績のあった団体・個人の表彰後、同安全協会女性部・大前セツ子副部長が大会宣言を読み上げ、安全運転の徹底などを誓った。
 続く第二部では、平成16年9月に交通事故で長男を亡くしたTAV交通死被害者の会滋賀地域活動委員・田中博司さん=竜王町橋本=が、「今、そして未来を生きる」と題して講演し、被害者遺族の思いを語った。
 田中さんは「息子が先に亡くなるなど想定もしていなかったので、夢と希望を一瞬に失った」と振り返り、「交通事故は犯罪。過失だから許されるものではない」と指摘。
 「息子にしてやれることはないので、少しでもみなさんの役に立てれば」と、16日から県立男女共同参画センターで命の重みを伝える”生命のメッセージ展in滋賀2007”を開くことに触れ、「メッセージ展は亡くなった128人が等身大のパネルとなってよみがえったオブジェが主役。オブジェと対話しながら、過去を振り返り、今を見つめ、そして未来をどう生きていくか考える機会にしてほしい」と来場を呼び掛けた。



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