実録・「三国志大戦」


「三国志大戦」とは

ゲームセンターで稼働中の、セガのオンライン対戦型カードゲームである。
カードを揃えてデッキを組み、オンライン上で他のプレイヤーと対戦する。現在(平成23年7月)は、「三国志大戦3」が稼働中で、日本国内だけではなく東アジア(台湾・香港・韓国・シンガポール)ともオンライン接続されており、他国のプレイヤーと対戦する機会も多い。

 ←この筐体を使って、↑こんな感じで遊びます。

要は、盤面に並べたカードの動きと、メインスクリーン上の演出がリアルタイムで連動している訳です。

←自分の戦歴は、最初に購入したこのようなICカード(君主カード)に記録されて蓄積されていきます。
この戦歴を上げ、上位ランクを目指していくのです。

*上記の画像は、『三国志大戦3 ステップアップガイド』(ホビージャパン、2008年)より引用させていただきました。

武将カードはこんな感じ。

左の数字が武力で、右の数字が知力。
基本パラメータはこの2つのみと、いたってシンプル。
他に、兵種・特技・計略等の特性があります。左上に記されている丸印がコスト(こちらの王異の場合は1.5コスト)で、このコスト合計が8以内となるようにデッキを組みます。

プレイ料金は、現在は基本3ゲーム1セットで600円と初期の頃に比べると比較的良心的な設定になっている。
しかし、人気絶頂期の頃は、1ゲーム300円→勝つと2ゲーム目200円→3ゲーム目100円(負けるとまた300円からスタート)と割高であり、その中毒性と相まって「大散財ゲーム」と揶揄された。

なお、自分は現在、証30(覇者)付近で行ったり来たりを繰り返している状態である。
通算成績は既に3.000戦を軽く突破。費やした金は軽自動車1台分をゆうに超えているであろう(ちなみに自分は、ギャンブルや女遊びや浪費癖が原因で借金をした事は一度としてないが、このゲームのやり過ぎが原因で生活費が足りなくなり、職場の共済で金を借りた事があるという恥ずかしい過去を持つ)。

最近では「機会があれば1セットか2セットプレイする」程度であるが、一時期は本当に狂ったようにやりまくっていた時期があった。
その頃は寝ても覚めても頭の中は三国志大戦の事で一杯、当然休日は朝から晩まゲーセンに入り浸って大戦三昧、平日は終業時間が近づくとそわそわし始め(当然、戦術やらデッキ構築やらで頭の中が埋め尽くされている状態である)、仕事が終わると速攻でゲーセンに向けて車を飛ばし、ゲーセンが近づいて来るとワクワクしてアクセルペダルを踏む足に自然と力が入る、という状態であった(とはいえ、当時は「並ばないと遊べない」程の大人気だったので、いざゲーセンに到着してプレイ待ちの列に並び、実際に遊戯開始するまでがまた長かったのであるが・・・)。

まあ、周囲の知人からはジャンキー化しているなどとよくからかわれたものであるが、当時の自分はよく言えば「童心に帰っていた」のであり、それだけ人を虜にする魅力をこのゲームが持っていたということであろう。
近頃は流石に人気に陰りが見え、最盛期の熱狂ぶりが嘘のように過疎っている店も多いが、幸いにして今の職場から徒歩5分のゲーセンに筐体が設置されているので、仕事帰りに遊ぶ事も多い。
続編的な位置付けの「戦国大戦」が稼働開始した事もあり、今後どこまで続くのかは不明であるが、稼働が続く限りは付き合っていきたいと思っている次第である。


「三国志大戦」との出会い

自分がこのゲームを始めたのは、「三国志大戦2」時代から。
「1」の頃は、ちょうどオンライン対戦型アーケードカードゲームの黎明期で、「アヴァロンの鍵」と「三国志大戦」のブースはゲーセン内でも常に人だかりができている状態だった。
ただ、当時の自分はどちらかというと「湾岸ミッドナイト」「頭文字D」等のレースゲーム系にハマっており、カードゲームブースの盛況を横目で眺めつつ、機会があれば一度はやってみたいと思いながらも、そのきっかけが掴めなかった。

そんなある日、仕事の関係で当時山口県に住んでいた自分は、職場の後輩を誘って山口県光市にある三国志博物館「三国志城」を訪れることになる。
三国志好きの館長さんが個人で運営されている小さな博物館であるが、三国志の名場面を再現したジオラマ等、なかなかよく出来た展示内容で、何より館長さんの三国志に対する愛が感じられて、来て良かったなぁと実感した。
喫茶兼資料室で、三国志の漫画やムックを読みながら、「曹操ラーメン」だったか「関羽カレー」だったかを食べ、お土産に郭嘉のポスターを購入した。

←これがその時に購入した郭嘉のポスター。
浮世離れした孤高の天才軍師という感じですね(イメージ的に漢の張良に似てるかな)。

すると、来館記念に1枚、当時稼働中であった「三国志大戦2」のレア・スーパーレア(R・SR)のカードを引けるとの事。
自分が引いてみると、蜀のR張飛(川原バージョン)が出て、たまたまそこにいた常連の方から良かったらどうぞ、ということでR郭嘉を頂いた。

レアカードも貰った事だし、では一度試しにやってみようか、ということで帰宅した後ネットでゲームの概要等を調べ、翌週ゲーセンに赴く事になった・・・というのが自分とこのゲームとの馴れ初めである。

←頂いたR(レア)郭嘉。思い出の1枚です。
残念ながらカード自体はRでありながらスペック・計略効果共に平凡で、殆ど使われることはありませんでした。
(カード使用率も低く、対戦相手の手札としても見掛けたことはあまりなかったです)。

「3」における絵柄違いの郭嘉(SRだけは手元にない・・)。

左のイラストは関崎俊三氏が描いており、氏の漫画『ああ探偵事務所』の主人公・妻木がモチーフ(というか、そのまま)となっています。
後ろには助手のヒロインが描かれ、撤退時の台詞も「迷宮入りか・・・」というもの。


下は「3」から導入された「軍師カード」の郭嘉。
陣略「突撃闘陣」使用時の、「この突撃、止めることができるか」という台詞が渋くて好きです(これと神速デッキとの組み合わせはかなりの脅威)。

(平成23年10月11日追加)
 ↓ その後、SR郭嘉を自力で引くことができたので、追加しました。
こんな感じの、相変わらず渋いタッチのイラストです。


実戦編・「三国志大戦2」 下積み時代〜SR呂布との出会い

まずは対コンピューター戦の群雄伝で練習してゲームの概要を掴んだ後、対人戦を始めることに。
それにはまず、デッキを組む必要がある(足りないカードはホビーショップなりヤフオクなりで買う訳である)。
で、どんなデッキにすべきか考えた。
まず、自分は元来天邪鬼な性格で他人と同じ事をするのが嫌いであり、こういう時に「人気のデッキ」や「流行中のデッキ」は最初から対象外となる(この当時で言えば「大徳デッキ」や「求心デッキ」等)。
そこで色々考えた末に、「傾国デッキ」というのが面白そうだと思い、試してみることにした。

 

「傾国デッキ」

貂蝉の計略「傾国の舞い」は一方的に敵の城ゲージを削ることが可能で、舞った後は全力で彼女を守る展開となる。
いわゆる「引き籠り系デッキ」の代表格で、敵の城を攻める必要がない訳である。

しかし、このデッキは当時においても今においても健在ではあるものの、所詮はマニアックなデッキの一つに過ぎず、自分のペースで試合運びが出来ている間は良いが、いったん崩れてしまうと十中八九そこでジ・エンドとなる。
デッキのパーツは色々あるが、「2」の時代の基本は左のような涼+呉の2色デッキが主流であった。
似たようなデッキの下記の「流星デッキ」があり、こちらもよく使っていた。

 

「流星デッキ」

小喬の計略「流星の儀式」。
これは「傾国の舞い」のように継続的な城ダメージを与えることはできないが、士気5のため計略で、発動させれば一定の城ダメージを与えられるというもの。
こちらは呉単色で組むことができ、計略に幅が出てある程度の融通が効くのが強み。
しかし、まあ所詮はマニアックなデッキの一つに過ぎず、初心者がこういった引き籠り系デッキをメインに使っていては勝てなくて当然である。


その後、長く辛いデッキジプシー時代を経験し(求心やら大徳やらも普通に試してみた)、勝率は30%代前半まで落ち込み、このまま行くと20%代に転落しそうな勢いであった。
自分には元々このゲームに必要な素質が備わっておらず、いくら工夫や努力を重ねても無意味なのか・・・そんな虚無感に囚われつつもゲーセンに通う日々が続いていたが、そんなある日、自分は1枚のSR(スーパーレア)カードを引く。

それが、SR呂布との出会いであった・・・・。

 

「呂布ワラデッキ」

右上がSR呂布。武力10・知力1という極端すぎるスペック。
計略の「天下無双」は、武力大幅上昇+速度上昇+兵力回復というもの。
無双状態になると号令が掛かった敵部隊を一人で踏みつぶす暴力的な強さを発揮するが、雷が一本落ちただけで即死というアンバランスさ。

この呂布を使ったデッキとしては、左のような「呂布ワラデッキ」が基本形であった。3コストの呂布+1コストの武将5体の6枚デッキで、5枚のうち3枚は復活持ち。なので、枚数が多くワラワラと湧いてくる・・・という意味で「呂布ワラデッキ」と名付けられたらしい。

いざ使ってみて・・・・まずこのデッキは枚数が多く、それぞれ兵種が違うので、とにかく操作量が多くて忙しい!その辺り、今まで使ってきた弓主体の「待つ」タイプのデッキとは全く異なっていた。
ただ、呂布の操作に関しては細心の注意を要するものの、後の5枚は適当に動かしても支障は少ないので、慣れてくると意外と難しくないかな、と思えてきた。

確かに極端なデッキではあり、呂布を無力化されたり、無双状態で槍に刺さって即死したりして、一方的に投了を余儀なくされる試合も多かったのだが、ツボにはまった時の破壊力は文字通り天下無双。
いつの間にやらSR呂布の虜になってしまった自分は、なんとかこのデッキを物にしようと工夫と練習を重ねるうちに、勝率も徐々に上がっていった。

「TCGの上達の秘訣は、色んなデッキを試し、その中から最も自分に合う物を見つけてそれを極めること」――これは良く聞く言葉であるが、三国志大戦もその例外ではなく、自分にとってのベストデッキはこのSR呂布中心のデッキである――そう決意すると、もう迷いは無くなっていた。

 

「徒弓麻痺矢デッキ」

「2」の末期に流行したデッキ。
自分も時々使っていた。
やっぱり弓メインのデッキはカード操作が少ないので楽で良い。
士気をMAX12まで貯めて、丁奉の「徒弓の大号令」→呂蒙の「麻痺矢の大号令」のコンボで一気に畳みかけるのが定石となる。
蜀の槍系デッキには無類の強さを発揮するものの、攻めるタイミングが難しく、強さと脆さが同居したデッキであった。

逆に自分が呂布ワラを使っている時には、このデッキは一番の「お客さん」で、負ける気がしなかった。

・・・結局、呂布ワラデッキを使い続けた末、低迷していた頃は雲の上の存在に思えた覇者に昇格することができた。
その後、「3」へのバージョンアップ直前に徳10まで上りつめて、「勇将」の称号を引き継ぐことができたのであった。


(平成23年10月11日更新)

Amazonの書籍売上ランキングをチェックしていると、ホビージャパンから『三国志大戦メモリアルガイド』が発売された模様。この『ステップアップガイド』シリーズは毎回しっかり作られていて定評のあるシリーズだし、今回は1〜3の総集編的内容、ということで、さっそく書店へ行って購入(ビニールカバーがされており、店頭にて中身は確認できず)。

帰宅し、ページをめくって唖然・・・。
一体何なんだ、この手抜きの内容は・・・。
歴代のカードイラスト(だけ)がずら〜と並んだページが大半を占め、ほんの少しオマケのようにオリジナルのイラストや寄稿文が載せられている程度。はっきり言って、これで2.000円は高すぎるでしょう。
カードイラストを並べるのは、それはそれで資料的価値があって良いのかもしれないが、他の部分も充実させて欲しかった・・・。好きなシリーズだっただけに、残念無念である。

こちらが本書の付録として添付されている、SR関羽。
「関聖帝君」の二つ名が示すように、死後に神として崇められた関羽がモチーフとなっており、よって武力10+知力10という最強スペックである。
もっとも、兵種が槍兵なのに加えて、計略「裁きの神雷」は必要士気9で「範囲内に4本の雷を落とす」というおよそ使いどころの無さそうな物であり、従来のEXカードと同じく所詮は実用性の乏しいコレクターズアイテムに過ぎないのだが。

実戦編・「三国志大戦3」
Fight for what's? Fight for whom? Not even justice,I want to get truth

(以下、気が向けば追加・加筆予定)


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