最近のこと(97/11月上旬)

僕には、人生で「本物」に巡り逢える事が非常に難しい「親友」
と呼べる友人が2人います。1人は「最近の話」ページの7月に
書き記した荒井正幸。もう1人はその荒井の挙式で受付の仕事を
かってでた小野寺誠治。大学卒業後、3人はそれぞれ全く異なる
業種に就いて8年という月日が過ぎ去り、職場でも第一線で働く
ようになる齢30才を迎えた今、とうとう最後の独身貴族だった
小野寺誠治が家庭を持つ事になりました。

学生時代の性格を言えば、荒井は悪気の無い(^-^;)プレイボーイ、
僕は意識的でないフェミニスト、そして小野寺は堅苦しさを感じ
させない生真面目な男でした。常に女性との関わりよりも友情を
重んじ、ある意味、似た性格を持つ僕と荒井が気まずい雰囲気に
なると決まって小野寺が鎹(かすがい)となって友情の絆はより
強固なものになっていったのです。先頭をきって家庭をもったの
は東京生活6年目に帰郷を決心したことを機に、当時付き合って
いた今の家内を連れ帰ったこの僕でした。和歌山という関西圏でも
「田舎」とされる未開の地(^-^;)で執り行われた挙式
に、当然の如く
やって来てくれた2人の親友への強い感謝の念はいまだ全く薄れる
ことなく心に刻まれています。そして4年が過ぎ、自分から女性に
恋焦がれる事など有り得なかった荒井の前に、恋焦がれさせた
素敵な女性が現われ数年の恋愛の末、今年7月に挙式。
荒井たち
の恋愛とほぼ同時期に、小野寺にも、彼のすべてを認め、愛する
女性が現われ、彼自身もまた彼女のすべてを認め愛するに相応しい
女性であると確信していたのです。学生時代は常に自分を鎹に・・・
いわば己を犠牲にして周囲の幸せを優先させた男が、ようやく
「自分の為の」幸せを掴み取ってくれたことは、僕や荒井にとっても
非常に感慨深いもので、最上級の喜びを感じずにはいられない
今回の挙式となったわけです。

挙式は夕方。全日空ホテルで執り行われるとのことで、ホテル入
りは4時ごろとされていた為、今回の東京への旅は朝一番に関空
を発って荒井夫妻と合流した後で挙式に参列し、6人で夜を明か
して、翌日の午後には羽田を発って帰路に就く、という1泊2日
の旅となりました。

僕と家内は地元の駅5:28発の列車に乗り込み、6:05には
JR和歌山駅に到着。その後JR阪和線に乗って関西空港線との
ターミナル駅である「日根野」まで約35分
。ようやく真っ暗な
空も徐々に白み始めたのがこの頃
でした。関西空港線は約10分
で僕達を関西国際空港へと運んでくれ
ANA関空−羽田142
便8:30のフライトまでは約90分も余ってしまう事に・・・。

おかげで普段の生活でもまず食べることのない朝食を、たっぷり
と時間をかけて摂ることが出来ました(^-^;)。広々とした関空の
出発ロビーで搭乗の時をゆったりと待ち
、時間どおりのフライト
で10:30には羽田に到着しました。

 まずは杉並区の新居、荒井夫妻宅を訪問。結婚祝にプレゼント
したホルスフィールドリクガメとの4ヶ月ぶりの面会というのも
大きなイベントの1つでした。「エカテリーナ」はとても順調に
成育しており、4ヶ月前と比べると明らかに甲羅が堅固になって
肉付きも程よく、ホッと一安心。突然降って湧いたような形での
リクガメ飼育の始まりにも関わらず、熱心で繊細な世話をし続け
てくれている夫妻に感謝の気持ちでいっぱいになりました。昼食
に超美味のカレーライスをご馳走になった後、冬を目前に迎えて
保温機具各種と栄養剤各種の購入(彼らの挙式は7月だったので
ホルス生体1頭&リクガメ飼育機具類一式「夏バージョン」しか
プレゼントしていなかった為)のガイド役として3度目の東中野、
「アクアポイント」へと同行する事になりました。

ここで1つ重要な事を言っておかねばなりません。そう、小野寺
たちへの結婚祝プレゼントです。ホルス生体1頭&リクガメ飼育
機具類一式「冬バージョン」(生体以外は宅配便で前日発送済み)
です(^-^;)。3人それぞれ仕事も異なり、趣味も違う。専業主婦
に暫く徹する奥さんもいれば共働き夫婦もいる。こういう状況で
なにか1つ、共通の話題を持たせる事が僕のねらいでした(^-^;)。
男3人はともかく、せめて奥さん同士でも「リクガメ」をネタに
親交を温めつづけていてくれれば至上の幸せだと思ったのです。

アクアポイントでは、まず自分の為に(^-^;)「ミツユビハコガメ」
の生体を探し回りましたが(ホームページにはストック有と記載
されていた)案の定「ガルフコースト」しかおらず、しかもそれ
が3cmの超幼体・・・触手はピクリともしませんでした(^-^;)。
そして早速、荒井家の保温機具の物色に移り、前回来店した時に
あったセラミックタイプの遠赤外線保温機具をさがしたのですが
どこにも無い・・・みどり商会のフィルムタイプは旧タイプしか
売っておらず、ヒヨコ電球はもとから取り扱い無し。あると言え
ば山積みされた赤い光(こたつみたいな光)を放つ保温電球のみ。
僕の求めたかったのはあくまでもカメに「漆黒の闇」を提供する
為の保温機具だったのでコレは論外でした。実は、もうかれこれ
1ヶ月近くもの間、アクアポイントは特売セールを実施していた
ようで店内は実に閑散としていて、店員もダレ気味・・・。最も
必要としていたセラミックタイプの保温電球のことを尋ねてみる
と「いつ入荷するかわかんないねぇ」のそっけない返事。テトラ
のタートルアイリンスについては「タートルアイクリアと変わん
ないよ」とのお言葉。カルシウムに関しては、最初からESUの
草食爬虫類用イグアナカルシウムと決めていたのですが、敢えて
「リクガメ用のカルシウムが欲しいんですけど」と言ったところ
出てきたのは小さなビンに入った高価な粉末タイプ。しかも取説
を広げて読んでみると主成分がビタミンD3でカルシウムとリン
が添加されているとの内容・・・。確かに「ビタミンD3を直接
摂取させればUVBを照射せずとも効率良くカルシウムと反応し
て甲羅や骨格を形成する」という報告がトータス・トラストから
あったのは知っていますが、僕がその時欲しかったのはあくまで
純然たる「カルシウム」だったので「これ、リクガメに与える為
の”カルシウム”として間違いないですか?」と尋ねると、横を
向いたまま「はぁーい」・・・。ちょっと「プチッ」ときた僕は
「ESUのイグアナカルシウムは、無色無臭のスプレータイプで
普段通常に与える葉野菜にふり掛けるのも簡単で、各種ビタミン
やヨードも含まれていていいと思うんですけど・・どうですか?」
と尋ねたところ、邪魔臭そうに「ハッ、ぜんぜん売れてませんよ」
と、せせら笑いをこぼしつつの言葉。ここで「ブチッ!」(^-^;)。

アクアポイントのスタッフと言葉を交わしたのは実は僕、今回が
初めてで、こんなに「カモる」タイプのヒドイ店だとは思っても
みなかった為、完全にキレてしまった僕は、親友夫婦に前もって
「ここの店員はアテにならないみたいだから、今度から来る時は
予め買う物を決めてから来るか、もし解らなかったら僕に相談し
てからにしたほうがいい」とアドバイスしたあとで、1種類しか
ない電球のソケットをレジまで持って行って関西弁で言い
放ちました。

「これと・・・テトラベルケ社のレプチゾル、それから・・・
 カルシウムはおたくが全く売れれへんっちゅうESUのイグ
 アナカルシウムちょーだい。真ぁ後ろにある奴や。ちゃう!
 それは肉食用や。ちゃうちゃう!その横!ビタミンの横やっ
 ちゅうねん。よー見れや!そう!それそれ。ほんでよ、もう
 これから冬本番やっちゅうのに、パネルヒーター以外で保温
 機具ゆうたら、あのアホみたいに積み上げてある「こたつ」
 みたいな色のダッサイ電球しか置いて無いんかいっ?」

と言うと明らかに顔色が変わって

「あ、はい、スミマセン・・・今はセール期間中で、ちょうど
 全体的に品薄なんです。でも、フィルムタイプの・・・」

と予想通りの返事が返ってきそうだったので間髪入れず

「フィルムタイプはええねん。よーけ有んのはわかっとるって。
 そんなもん、もう見てあるがな。僕が見とったのおたくらも
 見とったやん。今、僕が言うとんのは、保温電球の事やねん。
 セールやろが何やろがこんな品薄の状態で一体どんな商売が
 できるんかっちゅうことやねん!おい!解るか?!言うてる
 こと解っとるか?!」

と言ったところ

「・・・いやぁ、本当は今日届く筈だったのに入荷した箱に入
 ってなかったんです。ホント、僕たちも困っていて・・・・
 ハッキリと日時は申し上げられませんが出来るだけ早く入荷
 するよう努めますので・・・本当に申し訳ありません・・・」

とのお返事。こういう時には関西弁は便利ですね(^-^;)。ああ
いう調子にのって初心者を適当にあしらうような店員の鼻っ柱
を折るのは最高に気持ちがいいです。初回に訪れた際に、生体
の状態はともかくとして、店造りや取扱商品の豊富さに感動を
覚えてチョット好感を持っていたショップだけに、今回の訪問
ではガッカリさせられました。オーナーはキットわきまえた人
なんでしょうが、店員がアレでは教育がなっていません。結局
エカテリーナの為の保温電球は、後日、和歌山から空中サーモ
とセットにして送ることにし、電球ソケットと栄養剤2種のみ
の購入となりました。

中野を後にして荒井の車で全日空ホテルへ直行。23区内を車
で走れるなんて見直してしまいました(僕の東京都民時代には
246号線と町田街道、16号線や環8ぐらいでしたから)。
ホテルには3時過ぎに到着。チェックインを済ませ、30分程
くつろいだ後、礼服に着替えて待合室へ。そこには既に新郎の
友人らしき男性が2人いましたが、時はちょうど、サッカーの
ワールドカップ最終予選「韓国−日本」戦の真っ最中で、話は
そのことで盛り上がりまくり(^-^;)、「相馬がイイ仕事してる」
とか「城はイマイチだから高木か中山を復帰させるべきだ」等
と全く知らない同士なのにアッという間に打ち溶け合ってしま
いました(^-^;)。あーだこーだ言ってるうちに(友人)控え室
は新郎新婦の友人でいっぱいになっており、4時ちょっと過ぎ、
案内の人がやってきて「御親族の後についてチャペルの方まで
お越しください」とのこと。式は厳かに執り行われ、引き続き
披露宴へと・・・
。ナント今回の披露宴ではこの僕が生まれて
初めての祝辞を述べる事になっており(1ヶ月前に予告された)、
実は朝からズゥーーーーーッと緊張しっぱなし(^-^;)。普段は
会社の朝礼で10分でも20分でも訓示めいた話をしている僕
ですが「忌み言葉」の種類もよく知らず、しかもアドリブ専門
ですからもう大変(^-^;)。親友・荒井からは「短く・楽しく・
感動を呼ぶ話さえすりゃイイ」と激励的プレッシャー(^-^;)を
賜り、約5分間の祝辞を無事終える事が出来ました。思い出せ
ば6年前、僕と家内の式の時、祝辞を述べてくれたのは紛れも
無く、新郎・小野寺でした。その大恩ある小野寺に、少しでも
あの時の感謝の気持ちを含めた今回のお祝いの気持ちが伝えら
れたんじゃないかナ、と自分で勝手に納得しています(^-^;)。

今回も荒井たちの時と同じように、御親族との付き合いよりも
僕達4人のことを優先してくれ、その夜は明け方4時ごろまで
六本木界隈を男女6人で歩き回り、飲み、食い、笑い、語り、
歌い(^-^;)明かしました。


因みに小野寺夫妻にプレゼントしたホルスフィールドリクガメ
は、全日空ホテルからヒントを得て「アナ(ANA)」と名付
けられ、大切に飼育されています・・・と思います(^-^;)。


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