最近のこと(1997/1)


数ヶ月前にインドホシガメの「ムガール」を購入して以来、それまで比較的
連続して生体の購入をしてきた僕としては随分長い間生体の購入をしていな
いことになります(と言ってもまだ2ヶ月しか経っていない!!)。

実を言うと、ずぅーっと前から状態の良い個体さえあれば入手したいと考え
ていた種があったんです。「ヘルマンリクガメ」・・・そうです。僕自身が
ホームページ上で「いまひとつ何故か好きになれないリクガメ」と表現して
いるリクガメです。ホルスフィールドリクガメ、ギリシャリクガメを購入し、
飼育している僕にとっては大きく分類して最後の地中海リクガメとなります。

ホームぺージ上でああいう表現をしてはいるものの、「リクガメ大好き」の
僕です。根っから嫌いなリクガメなんていません。ただヘルマンに関しては
おおかたどのショップで見かけても不自然なほどに甲羅の1枚1枚が隆起し
ており、その異様な成長させられ方に嫌悪感を抱いていただけであって彼ら
自身に嫌悪感を持っていたわけではありません。つまり、僕がごくごく普通
に育てて理想的なヘルマンリクガメの成体にすることを密かに夢見ていた訳
です。その為には非常に状態の良い幼体を見つけることが大前提となります。

見つけたんです。

ようやく正月気分もどこかへ飛んでいき、街が元の様相を取り戻し始めた頃
いつものお店に家内と出かけました。その日は特別何かを買うというつもり
は無く、あえて言うなら厳寒対策として増設する保温電球用のクリップ付き
ソケットの購入ぐらいは考えていたでしょうか。「おめでとうございます」
と新年の挨拶とともに入店。店長と2言3言、言葉を交わしたあと、店内を
グルリ・・・「おっ、ガサ元気か」「おぉ〜やっぱりアルダブラいいなぁ」
なんて看板娘たちに声をかけつつ入り口近くの一番大きなリクガメケージへ。
「アカミミにケヅメにホルスにヒョウモンか・・・んっ?この岩みたいなの
は・・・ひょっとして・・・エミスムツアシガメぇぇぇ?!す・・・すげぇ
初めて見たぁ〜!!」その日入荷したばかりでまだトリートメントが済んで
おらず、実質まだ非売品状態でしたが非常に興味をそそられる個体でした。

ふと、ミニロップ(耳の垂れたミニウサギ)と戯れる家内の後ろに並んでいる
小さな爬虫類ケージ群に目をやると、なにやら昆虫のような生物がノソノソ
歩き回っている様子が・・・近づいてよぉ〜く見てみると、それは昆虫では
なく昆虫の様に小さいリクガメの幼体でした。「ヘルマンとマルギナータ」
僕の目の前でヨチヨチ歩き回る4頭のリクガメの幼体はあまりにも小さく、
「かわいい」を通り越して「大丈夫かな」のレベルでした(^_^;)。早速手に
取り、お決まりのチェックを全て済ましたところ「非常に状態の良い個体」
であることが判明。ケージ脇に書かれた価格は・・・ヘルマン5万円・・・
「ご・・・ご・・ごまんえぇ〜ん?!」店長に問いただしたところ今の時期
はどうしても流通自体がまだ一部のみでしか始まっておらず、昨年から持ち
越した生体の価格は安定しているけれど今年になって輸入されてきた生体に
関してはしばらく高値が付くとのこと。なるほど。僕も流通業に携わってい
る身、非常に分かりやすい解説でした。 しかしこの4pあるかないかの幼体
が5万円かぁ・・・


傍らにいる家内の表情は苦い顔(^_^;)。「よしなって。危ないよ、死んじゃ
うって絶対」そんなハッキリ言わなくてもいいのにと思いましたが実際問題
一番危ないサイズであることには間違いないですし「う〜ん」とうなりつつ
店長の顔を見ると「ホシのピンポン玉と地中海のピンポン玉じゃ随分違いま
すけどね。ウチのカメ担当が言うには近年希にみるいいヘルマンだそうです
よ」とのお言葉。確かにいいヘルマンなんです。 僕が今まで見てきたなかで
最もいいヘルマンだと独断と偏見でもって言わせてもらいたいぐらいイイ!!


結局「最低数週間は様子を見る」という鉄則を破り、家内の猛反対をも押し
切り、ドーンと買ってしまいましたああぁぁ〜!!(^_^;)

家に着くなり地中海リクガメケージ・・・ではなくホシガメケージへ(^_^;)。
りっちゃん、リッキー、アテナたち地中海リクガメ御一行様は皆んな良くも
悪くも「非常に元気」なので、この小さなヘルマンをその中に放つことは即
ち、ジュラシックパークにトカゲを放つことに等しい行為になってしまいま
す。そこで比較的温厚な性格で1日の運動量も少ないホシガメケージで暫く
の間(5pを越えるぐらいまで)育てることにしたのです。

ホシガメのまる子は「ネバーエンディングストーリー」に出てくる大きな亀
みたいなおっとりした性格なので(^_^;)、ヘルマンの幼体が居ようと居まい
とそう大して変わりませんが、
比較的新入りに属する ムガールの場合は意識
しまくっています(^_^;)。
特にヒーティングストーン上に陣取ったムガール
の寝床にヘルマンがトコトコやってきた時には年上のクセして甲羅アタック
までかけてしまう始末。まぁ、それでもメゲずに ムガールの腹の下に潜り込
もうとするあたりが地中海リクガメらしい(^_^;)
というか・・・実に頼もし
いヘルマンです。

名前は「ハンナ」に決まりました。 同時に販売していたもう1頭のヘルマン
に比べると明らかにメスの特徴があったからですが、こ〜んな幼体ですから
全く「メス」という確信はありません。家内が第2外国語でドイツ語を学習
していた(ちなみに僕は中国語)ので「なんかドイツっぽい女性の名前ない?」
と尋ねたところ数秒も経たないうちに「ハイジ」・・・安直すぎると批評す
ると「ヘルマンって本当にドイツ産なの?地中海リクガメなのにドイツ?」
と原点に立ち戻るような質問。すかさず僕は「そんなコト言ったらホルスだ
ってロシアのカスピ海沿岸からアフガニスタンだけど地中海リクガメだぜ」
と答えになっていない答えで巻き返し。家内は珍しく早々と納得してくれた
ようでまた考え始めました。その後、テニス界から候補の「シュテフィー」
とフィギュアスケート界から候補の「カタリーナ」、そして映画界から候補
の「ハンナ」の3つに絞られました。僕個人的には「カタリーナ・ビット」
が大好きだったので「カタリーナ」を推していたのですが、「呼びにくい」
という家内の一言で「ハンナ」に決定しました(^_^;)。

ハンナは今も自分の5倍ほどもある体格のホシガメの間を割り込むように餌
をむさぼり食っています。 がんばれハンナ。 めげるなムガール、まる子!!


TOPメニューへ


        
カメROOMメニューへ        トップページへ