購入前チェック!


ショップの販売形態・飼育方法・生体の扱い方およびケアー・店員の人柄および態度・個体の健康状態など、購入前にチェックすることは沢山あります。なにもそこまで・・・と思われるかもしれませんが、リクガメとは長い付き合いになります。つまり、ショップとも長い付き合いになるわけで、上記のチェック項目のうち1つでも問題が有れば、そのお店は残念ながらリストから除外すべきなのです。また、購入するカメ自体のチェックも念入りにすべきです。市場には、個体に何ら問題のない健丈個体と、そうでない、いわゆる「B品」と呼ばれる個体が存在し、モラルの高いお店では、健丈個体とB品を明確に区別して価格を設定しています。あたりまえのことなのですが、モラルの低いお店では、B品を健丈個体として取り扱い、ふっかけて販売している現実があります。こういった事も含めて、カメ自体のチェックについても御説明します。


お店のチェック

販売形態

販売形態は実に様々です。立派な木製ケージに同属のカメをランダムに入れているショップもあれば、45〜60p水槽に、種類別に分けて販売しているところもあります。仕入れた時期と、ショップを訪れた時期との時間差の問題もありますが、1種類につき1〜3個体しかストックしていないところもあれば、常時10〜20個体ストックしているところもあります。どれがイイとは一概には言えませんが、個人的には、1種類につき最低3個体は揃っているお店がイイですね。ちなみにケージの中に、既に死亡しているカメや病的なカメを放置しているお店(ホントにあるんですヨ)は論外です。また、糞尿が著しく目立つほどに放置されていたり、エサの葉野菜が干からびてパリパリになったものを放置しているお店もアウト。個体自体が糞尿で汚れたままになっているお店もパスすべきでしょう。非売品ではないカメに個体名しか記載されておらず、きちんとした価格が表示されていなかったり、プライスカードに記されている個体名とケージ内の個体とが明らかに異なっているような管理しかしていない(あるいは知識がない)お店もやめた方がよいでしょう。


飼育方法

専門店の常識として、リクガメにとって最低限の設備を整えているお店でなければなりません。それは、そのお店が、ただ安物をたたいて大量に仕入れて回転良く薄利多売することがモットーのお店なのか、不衛生な長旅を終えてやってきたリクガメを、トリートメントし、経費がかかっても良好な健康状態を維持することがモットーのお店なのかを判断する基準になるからです。以下に最低限の条件を挙げておきます。他にも挙げればキリがないですが・・・

  1. レフ電球・パネルヒーター・保温電球などで、ホットスポットをつくっている。
  2. トゥルーライト、または、フルスペクトルのバスキングランプを設置している。
  3. 温度・湿度・水場など、それぞれのカメに合った環境を実現している。
  4. バランスの良いエサを与えている(ショップの人に何を食べさせているか尋ねる)。カメの種類にもよりますが、地中海リクガメの場合、通常は葉野菜をメインに、週1度のペースで果実やビタミン・カルシウムなどの栄養補給が出来る飼料を与えている、というパターンが多いです。本来なら、葉野菜のみを摂取するのがカメにとって自然な姿なのですが、ある程度、人工飼料にも慣れていてくれた方が、以下のような場合に、なにかと助かります。

    ・旅行などで数日間、家を空けなければならない時。
    ・病気(軽度)対策として薬剤を経口投与する時。
    ・近所に汚染されていない野草があれば別ですが、市販の葉野菜・果実からだけでは補えない栄養素を摂取させる時。


生体の扱い方

開店直後(この手のお店は大体お昼過ぎです)に訪問すると、給餌・温浴など、そのお店がしている日常のカメ・ケアーを見ることが出来ます。良くトリートメントされ、健康状態の良いカメなら、たとえそれまで熟睡していてもエサを置いて数分以内には、喰いついています。また温浴はリクガメにとって非常に重要なイベントで、これを怠っているお店は問題です。で、温浴させるときのカメの掴み方、扱い方、お湯の温度(人間が入るのにイイぐらいの熱いお湯に浸けている信じられないお店もあります!!)などをチェックします。そのうち、カメは排泄し、お湯はどんどん汚れていくのと同時に冷めていきます。そこから出すタイミング、ケージに戻す時に拭いてあげているかどうかなど、よぉ〜く観察しましょう。


店員の人柄・態度

世の中、色んな人がいますから、人柄・態度が悪いからといって、カメに対する世話や扱いも悪いとは限りません。逆に、人柄・態度がいいからといって、カメに対する世話や扱いも良いとは限らないとも言えます。この手のお店のオーナー及び店員さんは、ほとんどの場合、あまり積極的なアタック(接客・セールス) はしてきません。別な仕事をしているか、温かい眼差しで何気に見守ってくれていることが多いです。おかげで僕たちも焦らされることなくゆっくり見て回れるわけですが、鍵がかかっていたりして、見れるだけで触れることが出来ないようにしてあるお店がほとんどです。カメ選びには「触れてみる」ことが非常に大切ですから、その為には、お店の人に、その旨を伝えなければなりません。その際のお店の人の返答・表情・態度に誠意があるかどうか、よ〜くチェックして下さい。

        
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生体のチェック

生体のチェック1

リクガメを購入するにあたって注意すべき点がいくつかありますのでここで挙げておきます。「購入前チェック」の序文でも述べましたが、リクガメ市場には健丈個体と「B品」と呼ばれる個体が流通しています。僕の知っている「B品」個体の特徴を以下に記します。

◎先天性肉体的欠陥
 眼球の欠如・下顎の変形・甲羅の枚数過不足・甲羅の異形・運動機能障害など

◎後天性肉体的欠陥
 栄養不足などによる眼瞼角質化・甲羅の欠損・栄養不足などによる運動機能障害

などです。程度にもよりますが、健丈個体に比べて実売価格は半値近くになるのが普通です。しかし残念なことにショップによっては、軽度の欠陥個体を健丈個体として販売するお店があります。甲羅の枚数過不足などは特に素人には判りにくく、そのカメについてよほどの知識がある人でないと健丈個体と区別が出来ません。僕がよく行くショップのオーナーの話によれば「下顎の変形」や「甲羅の枚数過不足」などで軽度の欠陥を持った個体に関しては、ブリーダーさえ気にしないのなら、寿命・生殖・その他に大きく影響は及ばないので、お買い得といえばお買い得だ、とのこと。その個体を気に入ってしまえば、B品であろうがなんであろうが思いっきり愛情を注ぐ。要はその(安く仕入れた)個体を、どう販売するか、お店のモラルが問われる問題です。決してB品個体の「生命」を軽んじているわけではありません。暴利をむさぼるショップを見分ける1つの手段として知っておいて下さい。

生体のチェック2

日頃からショップで、どのような扱いを受けているかで個体の健全度は俄然変わってきます。また、同じ種であっても個体によって性格が大きく異なります。何十年という長い付き合いを始めるわけですから、こういった点からも生体をチェックする必要があります。

【衛生度(糞尿は素早く処理されているか・温浴は定期的に行われているか等)】
 手足・甲羅・腹甲・肛門周辺が糞尿などで極度に汚れていないこと。

【健康度(温湿度は適正に管理されているか・栄養は偏っていないか等)】
 目をかゆがる・瞼が腫れている・鼻水を垂らす・くしゃみをする、等の動作が無いこと。

【体重(エサ喰いが良いか・十分にエサが行き渡っているか等)】
 同じ種が何匹かいる場合は必ず体重を比べます。とは言っても「はかり」で計るわけにもいきません(^_^;)。貴方自身が手に持ち、1個体1個体じっくり比べていきましょう。 貴方の勘だけが頼りです。同じ大きさなのに、びっくりするほど体重に違いがあることに驚くことでしょう。軽い個体は、何らかの理由で最近のエサ喰いが悪いという証拠です。どんな理由があるにしても、あまりイイ状態とは言えません。できるだけ重い個体を選びましょう。

【性格(先天的な原因が殆どですが、環境不備・扱いの粗雑さ等も影響します)】
 一般的に、○○ガメは鈍感だけど、○○ガメはシャイだから飼いにくい等と言います。実際にケヅメリクガメやホルスフィールドリクガメなどは殆どの場合およそ「シャイ」とは、かけ離れた次元で生きています。それに対してホシガメやベルセオレガメなどは非常におとなしくて人見知りが激しく、なかなか慣れてくれないというのが普通です。但し、やはり例外はあって、ウチのゲヅメリクガメの「ネイル」なんかは非常に臆病でもう1年以上の付き合いなのに僕の気配を感じるなりサッと頭と手足を引っ込めてしまう恩知らずなヤツですし、ホシガメの「まる子」なんかは、入手して間もない頃は比較的おとなしくて臆病だったのですが、今では手のひらに乗せても動じることなく、温浴時も温泉につかる仙人のように、騒ぐことなく瞑想状態に入ります。また、鼻炎にかかった時、点鼻薬を吹き付けるんですが、その時も他のカメよりよっぽど度胸が据わっていました。まぁ、こんな具合に同じ種でも個体差というのがありますので、よく観察して、飼いやすい元気な個体を選びたいですね。10分ぐらい見ていても頭を引っ込めたまま、殆ど動かないような個体は、家に持ち帰っても「動かざる山の如し」状態でエサも食べず、そのまま衰弱して死んでしまうなんてケース、ざらにあります。店の人に言ってケージを解放してもらい、個体を手にとった時のビビリ具合が1つのポイントです。顔が全く見えなくなるほど堅く石のように引っ込んでしまうような個体は×。最低でも前肢の間からこっちを伺っているぐらいでないと困ります。手からケージに戻してどのくらいで頭・手足を出して歩き始めるかが第2のポイントです。ジッと待つこと約5分・・・それでもピクリとも動かない個体は×。せめて1〜2分ぐらいで頭・手足をソォ〜っと出して辺りを伺う仕草が欲しいですね。

以上、生体で見る購入前のチェックです。なんとなく解っていただけたでしょうか?これを全て頭に叩き込んでショップに出向くのは難しいでしょう。やはり行って即購入は出来るだけ避けて、目星をつけた個体を何週間か様子を見て、問題なければ購入するというのがベストだと思います。回転の速い店だと売れてしまう危険性がありますが、何度も言うように長い付き合いになりますから最良の個体を購入しましょう。どうしても即購入したい場合は、ここに挙げたチェック項目を全て覚えた上でショップに出向き、1〜2時間かけて入念に選ぶようにしましょう。あなたにとって素晴らしいパートナーが出来ることを期待します。

        
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