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  [1] T-SQUARE,THE SQUAREの歴史について

(A) T-SQUAREとは…

 T-SQUAREは現在、安藤まさひろ,伊藤たけしの双頭ユニットとなり、バンドの枠を取り払った音楽により自由度の高い形で、これまでには作ることのできなかったであろう音楽を創造しつづけています。ここでは、THE SQUAREがT-SQUAREになっていく歴史について紹介していきたいと思います。


(B) アーティスト名変更の理由

 THE SQUAREがT-SQUAREとアーティスト名を変更した大きな理由として、(あまり知られていないかもしれませんが)アメリカでの活動を開始したということがあります。8枚目のアルバム「ADVENTURES」をきっかけに日本市場で大成功を収めたTHE SQUAREは、「歌詞を持たないinstrumental music」であることを武器に、海外、特にアメリカでのリリースと活動を夢見ていました。
 12枚目のアルバム「TRUTH」は1987年4月にリリースされましたが、これと同じ年の12月、この夢に届く直接のきっかけとなった出来事がありました。


(C) HIROSHIMAとの共演

 アメリカの日系フュージョングループ「HIROSHIMA」のオープニングアウトとして、カリフォルニア州フレノスにあるヴァイセリア・コンヴェンション・センターと、ロサンゼルスにあるユニヴァーサル・アンフィシアターで共演することになったのです。

 当時HIROSHIMAはGold Disk Artist(全米で50万枚以上のセールスを記録したアーティスト)でした。彼らと競演できるわけですから、もちろん現地関係者が多く見に来ることも想像に難くなく、アメリカ進出を切望していたTHE SQUAREにとって、高い演奏力と楽曲の持つ説得力を直接みてもらえる最大のチャンスとなりました。メンバーはアメリカ・エピックの敏腕A&R・スティーブ(主にレコード会社で、担当アーティストの販売戦略や宣伝方法,そしてそれに基づく楽曲やヴィジュアル戦略などを決定する中心スタッフのこと)とコンタクトを取り、ライブを見に来て欲しいと伝えました。

 そして、このライブが終了した直後にスティーブはTHE SQUAREに対して、「きみたちの音楽は素晴らしい。わたしがきみたちをアメリカでデビューさせる」と興奮した顔で伝えたそうです。このときの約束どおり、アルバム「TRUTH」で1988年6月第2週に全米デビューを果たし、同年10〜11月に11都市12公演の全米ツアーを行って大成功を収めました。


(D) T-SQUAREの意味

 日本で「TRUTH」はTHE SQUARE名義でリリースされていますが、アメリカでは似たアーティスト名のアーティストがいたこともあり、T-SQUAREの名前でリリースされました。T-SQUAREには「Tの2乗」,「T型定規」といった数学的で理知的な意味があり、イメージ的にも非常によいということから、この名前での活動をアメリカで行っていました。日米両方で活動する中で異なるアーティスト名が共存するのもいかがなものかということで、1989年に発表した14枚目のアルバム「WAVE」から日本でもT-SQUAREで活動を始めています。

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