ブリヂストン・浜島裕英が書いたF1での苦闘と成功が収められた「世界最速のF1タイヤ」

  [8] タイヤ (Tyres)

(A) タイヤレギュレーションの変更点の概要

 2014年はピレリがワンメイクの契約更新した初年となり,ぴれりワンメイクとなってからは4年目です。

[ドライタイヤ]
 今年も使用されるドライタイヤは作動温度とコンパウンドの硬さが異なる4種類が用意されます。
 (ハード,ミディアム,ソフト,スーパーソフトの4種類)
 各イベントにはこの中から2種類のドライタイヤをピレリが選定し持ち込みます。
 硬い側を「プライム」,軟らかい側を「オプション」と呼びます。

 2014年はターボエンジンでコーナーの立ち上がりのトルクが大きいため,2013年より1ポジション程度ハード側のタイヤが適用されます。

[レインタイヤ]
 レインタイヤはインターミディエットタイヤとウェットタイヤを1種類ずつ用意されます。
 これらのタイヤはすべてのイベントで同じタイプのタイヤが持ち込まれます。

[タイヤの識別]
 ピレリでは6種類のタイヤに描かれたロゴ色を下記の通りに塗り分けて識別する方法を採用しています。


From Pirelli & C. S.p.A. Press Release
[For dry whether tyres]
  • Super soft: 赤
  • Soft: 黄
  • Medium: 白
  • Hard: オレンジ


  • [For rain whether tyres]
  • Wet: ライトブルー
  • Intermediate: ライトグリーン


  • [タイヤ交換の義務]
     予選セッション中でも自由にタイヤを交換することができます。
     レース中は「レインタイヤを1度も使用しないならば,ドライタイヤを2種類とも使用しなければならない」という規則は残っており,少なくとも1回以上のピットストップが必要です。


    (B) 使用可能なドライタイヤおよびそのセット数

     金曜日または土曜日,ドライバーは2つの異なったドライタイヤのコンパウンドを比較することができます。

    [金曜日]
     各ドライバーに2種類のドライタイヤが13セット(プライム7セット,オプション6セット(Q3追加使用分含む))供給されます。
     これらのタイヤのうち,フリー走行1終了後にプライム2セットを返却しなければなりません。
     (うち1セットはフリー走行1の最初30分でしか使用できない)
     そして,フリー走行2終了後にプライム1セット,オプション1セットを返却しなければなりません。
     金曜の両セッションがウエットと宣言された場合,ドライタイヤ1セットを土曜日に持ち越すことができます。

     特定のイベントでは,評価目的として全チームに対し,ある仕様のドライウェザー・タイヤを追加することがあります。
     これらタイヤの2セットがフリー走行のフリー走行1あるいはフリー走行2の間,各ドライバーに割り当てられます。
     これらのタイヤはフリー走行1あるいはフリー走行2後に返却しなければなりません。

    [土曜日〜日曜日]
     土曜日のフリー走行後にプライムおよびオプションを1セットずつ返却し,予選およびレースを3セットずつで戦います。
     予選Q3進出ドライバーはQ3でのみドライオプションタイヤを1セット追加使用することができます。


    (C) 使用可能なウェットタイヤとそのセット数

     また,ドライタイヤ以外,雨天時に走行できるウェットタイヤとして,インターミディエットタイヤおよびウェットタイヤがあります。予選時,これらのタイヤはレースディレクターによってトラックが濡れていると宣言されたときに限って使用できます。
     イベント全体(フリー走行〜レース)でインターミディエットタイヤは4セット,ウェットタイヤは3セット供給されます。


    (D) 各イベントのドライタイヤコンパウンド

     ドライタイヤ4種類のうち,各イベントにどの2種類のタイヤが持ち込まれるかについてここにまとめます。
     (○: オプション, ●: プライムを表す)

    RdGrand PrixSS (Super Soft)
    Red
    S (Soft)
    Yellow
    M (Medium)
    White
    H (Hard)
    Silver
    1Australia
    2Malaysia
    3Bahrain
    4China
    5Spain
    6Monaco
    7Canada
    8Austria
    9Great Britain
    10Germany
    11Hungary
    12Belgium
    13Italy
    14Singapore
    15Japan
    16Russia
    17United States
    18Brazil
    19Abu Dhabi

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