(A) ドライバーペナルティ (Driver penalties)
2014年は従来のペナルティに加えて,ペナルティポイント制が導入されました。
各イベントのペナルティ (従来のペナルティ)
レースでのフライングスタートやピットレーンの速度違反やマシンの規定違反,危険行為,各種旗の無視などレギュレーションに反する行為をすると,レーススチュワート(競技委員)から違反の程度により次の7つの中から1つのペナルティを受けます。
1. ドライブスルーペナルティ (Drive-through penalty)
・残り周回が5周以上でペナルティ発令
= ピットレーンを制限速度で通過する(このときピットイン+ピット作業を行ってはいけない)
・残り周回が5周未満でペナルティ発令あるいはレース終了後
= ピットレーンを制限速度で通過する代わりにレース結果に20秒加算
2. 10秒タイム・ペナルティ (Ten-second time penalty)
・残り周回が5周以上でペナルティ発令
= ピットで10秒間静止(このときピットイン+ピット作業を行ってはいけない)し,ピットレーンを制限速度で通過する
・残り周回が5周未満でペナルティ発令あるいはレース終了後
= ピットで10秒間静止し,ピットレーンを制限速度で通過する代わりにレース結果に30秒加算
3. 時間加算
4. 次レースのグリッド降格
5. けん責
6. レース結果抹消(失格)
7. 次レースからの出場停止
レース中以外では,ピットレーンでのオーバースピードの場合,罰金を払わなければなりません。また,最悪の場合はライセンス剥奪にもなる場合もあります。
レース中に明らかな危険行為や無理矢理の追い越し,ルール違反などがあった場合,ドライバーからヒヤリングを行い,そのヒヤリング内容とレースの様子をもとにペナルティを与えるかどうかが判断されます。
レース中,前車を抜く目的でシケインやコーナーをショートカットした場合は,素直に道を譲らなかった場合に限って,ペナルティの対象(ドライブスルーペナルティが多い)となります。
また,ピットストップのページでも書きましたが,ピットアウトしたマシンが走行するライン(位置)を義務付ける白線(ホワイトライン)に乗ったりまたいだりした場合はドライブスルーペナルティとなるので,ドライバーは注意しなければなりません。
ペナルティポイント制 (新ペナルティ)
ペナルティポイントはペナルティが与えられた日から12ヶ月間有効で,12ポイント以上累積すると次戦出場停止。
違反内容とペナルティポイントの関係は調整中。
(B) パワーユニットペナルティ (Power Unit penalty)
エンジンおよびエネルギー回生コンポーネントを含むパワーユニットについて,各コンポーネント年間5基まで使用可能です(金曜フリー走行を含む)。 (昨年までは年間8基までエンジン使用可能)
ドライバーが交代した時はそのドライバーは残りのエンジンを使用しなければなりません。
この規定に違反した場合のペナルティは下記の通り:
・パワーユニット全体の6基目以降を使用する場合: ピットレーンスタート
・コンポーネントいずれか1つについて6基目以降を使用する場合: 10グリッド降格ペナルティ
・残りのコンポーネントのうち1つについて6基目以降を使用する場合: 5グリッド降格ペナルティ
※当該イベントのグリッド位置からではペナルティが完全に消化できない場合は1戦に限りペナルティが持ち越される
パワーユニットの分類(下記の6コンポーネント):
・エンジン(ICE)
・運動エネルギー回生システム用MGU(MGU-K)
・熱エネルギー回生システム用MGU(MGU-H)
・エネルギー貯蔵装置(ES)
・ターボチャージャー(TC)
・コントロールエレクトニクス(CE)
(C) ギアボックスペナルティ (Gearbox penalty)
2014年も過去同様にギアボックスペナルティルールが継続されます。
すべてのドライバーは連続する6GPに対して,ギアボックスを1基しか使うことが許されていません。
このとき,車は破損してもギアボックスは使いまわすことができれば,グリッドが下げられることはありません。
ただし,金曜日のフリー走行のセッションではギアボックス使用規制はありません。
1〜6GP目でドライバーが交代したときは,交替後のドライバーは交替前のドライバーが1〜6GP目で使用したギアボックスを使用しなければなりません。
6イベント中に交換した場合は交換するたびに,そのイベント中はスターティンググリッドが5位ずつ下げられます。
また,あるGPで完走できなかった場合は,次のGPでギアボックスを交換してもペナルティにはなりません。
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