ブリヂストン・浜島裕英が書いたF1での苦闘と成功が収められた「世界最速のF1タイヤ」

  [5] ピットストップ (Pit Stop)

(A) ピットストップとは…

 車の組み立て,車のセッティング調整,燃料補給を行うための場所をピットと呼んでいます。

 レース中,各チームは2台の車を自由にピットストップさせることができます。ピットストップでは,タイヤ交換,フロントウイングの交換・高さ調節などさまざまなことを行うことができます。ピット作業時間はレースの順位を大きく変えるポイントなので,各チームはいつピットストップさせるかを戦況に応じて決めています。

 ピットまでのコースをピットレーンと呼び,タイヤ交換作業する人々をピットクルーないしメカニックと呼んでいます。2010年から無給油レースが復活しているので,タイヤ担当のメカニックは0.1秒を争うタイヤの卓越した扱い方を要求されます。タイヤ交換のみのピットストップタイムは2秒後半〜3秒台となっています。


(B) ピットストップでのロスタイム

 ピットレーンでの制限速度は2013年はフリー走行・予選中は60 km/h,レース中は80 km/h(ピットレーンが狭いオーストラリア,モナコは例外として60 km/h)です。

 ピットストップでのロスタイムとは,ピットインで要する「ピット作業時間(静止時間)+ピットレーンの走行時間」の合計時間を表します。

 ピットレーンでの走行時間が短いということはロスタイムが短いのでマルチストップの作戦が可能となります。しかし燃料搭載量が他車と同じレベルであるため,燃料搭載量が少ないことによるラップタイム短縮メリットはわずかしかありません。

 ピレリは2〜4ストップ作戦を主流にするべくそれらに見合う耐久・摩耗・グリップのタイヤを提供しており,ドライバー・チームは最適なマルチストップ作戦を検討しています。


(C) ピットストップにおける注意事項

 ピットから出た後,コース上の安全のため,ピットアウトしたマシンが走行するライン(位置)を義務付ける白線(ホワイトライン)が引かれています。この白線に乗ったりまたいだりした場合はドライブスルーペナルティとなるので,ドライバーは注意しなければなりません。特に,順位争いが激しいときは白線のことを忘れがちになり,白線に乗ってしまうドライバーもいます。

 ピットレーンでは追い越しは禁止されています。追突の危険性が指摘された場合,ドライブスルーペナルティを受ける可能性もあります。ただし,ピットストップ時間が短いドライバーが長いドライバーを抜くことはできます。

 また,ピットレーンなど指定された場所以外での作業も禁止されています。

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