(A) セーフティーカー (Safety car)
レース中,コース上にアクシデントなどの問題が起こったとき,アクシデントの処理の間,トラック上の車のペースをコントロール(=レースペースを遅くして安全を確保する)している車がセーフティカーです。
ピットレーンから出てきて,リーダー(1位走行車)の前を走って,ペースをコントロールします。
ピットに戻るための最低タイム制の継続(急いでピットに戻る動機を排除するため)。
最低タイム計算方法は次のとおり。
1. セーフティーカー出動とともに全マシンにメッセージが表示され,ECUが「セーフティーカー」モードになる。
2. メッセージがマシンに届くとすぐに,サーキットにおけるマシンの位置が表示される。
3. ドライバーがピットに戻るための最短時間が算出されダッシュボードに表示される。
セーフティカーによって,築いてきたマージンが大きく減少します。
セーフティカーが出やすいコース(オーストラリアGP,カナダGPなど)では,セーフティカーによって大逆転が起こりやすいです。
[その他セーフティーカーに関する事項]
・周回遅れのマシンは先頭のマシンを妨害せずクリーンなリスタートを確実にするため,
セイフティカーがピットに戻る前に周回遅れのマシンはセイフティカーを抜かし車列の最後に合流することができる。
(2012年のレギュレーションで復活)
・セイフティカーの速度制限(ラップタイムの約40%減)は2周の間,適用される。
(マシンがセイフティ・カーに到達するまで安全な速度で運転されることを確実にするため)
・セイフティカー出動中,ピット出口の信号は,その後レースが中断されない限り青信号を継続。
・セイフティカーがピットレーンを使用するよう要請されない限り,
セイフティカー出動中はマシンはタイヤ交換以外の目的でピットレーンに進入してはいけない。
(B) 完走に関するルール
勝者がゴールしたら,周回遅れとなったドライバーは周回数に達しなくても,その周が最後となります。
そして,そのドライバーは「完走した」ことになります。
リタイアした場合でも、規定周回数の90%以上を消化していれば「完走扱い」となります。
逆に,リタイアしていなくても,規定周回数を90%以上消化していなければ,完走にはなりません。
(C) その他のルール
レースがスタートしてから4時間が経過したら規定周回数が消化できなくても終了となります。
その際,4時間に満たない最後のラップのコントロールライン通過順が最終順位となります。
天候が荒れたり,コース上に車の破片が飛び散ったりして,レースが続行不能となり赤旗が振られ,レースは一時中断されます。
天候の回復やコース上がクリアになれば,リスタートを実施する場合もあります。
赤旗でレース中断中も,計時は継続し4時間経過でレース終了となります。
4時間経過前にリーダーが周回を完了したラップあるいは赤旗を振る2周前のラップに対して,リーダーがレース距離の
a) 75%以上を消化している場合は,規定ポイントがそのまま与えられます。
b) 75%未満を消化している場合は,規定ポイントの2分の1が与えられます。
レース開始直後でリーダーのラップが3周目に満たないときに赤旗が振られると中止され,もう一度レースはやり直されます。
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