ブリヂストン・浜島裕英が書いたF1での苦闘と成功が収められた「世界最速のF1タイヤ」

  [8] タイヤ (Tyres)

(A) タイヤレギュレーションの変更点の概要

 2011年から3年間はピレリのワンメイクで行われます。

[ドライタイヤ]
 今年も使用されるドライタイヤは作動温度とコンパウンドの硬さが異なる4種類が用意されます。
 (ハード,ミディアム,ソフト,スーパーソフトの4種類)
 各イベントにはこの中から2種類のドライタイヤをピレリが選定し持ち込みます。
 硬い側を「プライム」,軟らかい側を「オプション」と呼びます。

 ブリヂストン時代に比べ,いずれのコンパウンドにおいても摩耗が激しく走行可能な周回数が減少し,マルチピットストップ作戦を演出することになると思われます。また,コンパウンドごとにグリップの明確な差がつけられ,レーススタートを考えたときの作戦を難しくさせています。

[レインタイヤ]
 レインタイヤはインターミディエットタイヤとウェットタイヤを1種類ずつ用意されます。
 これらのタイヤはすべてのイベントで同じタイプのタイヤが持ち込まれます(2010年ブリヂストン時代と同様)。

[タイヤの識別]
 昨年までのブリヂストンタイヤでは,サイドウォールに緑色の線のあり/なしでオプション/プライムを識別していました。
 ピレリタイヤでは6種類のタイヤに描かれたロゴ色を下記の通りに塗り分けて識別する方法を採用しています。

From Pirelli & C. S.p.A. Press Release

  • ウェット(Wet): オレンジ
  • インターミディエット(Intermediate): ライトブルー
  • スーパーソフト(Super soft): 赤
  • ソフト(Soft) :黄
  • ミディアム(Medium): 白
  • ハード(Hard): シルバー


  • [タイヤ交換の義務]
     予選セッション中でも自由にタイヤを交換することができます。
     レース中は「レインタイヤを1度も使用しないならば,ドライタイヤを2種類とも使用しなければならない」という規則は残っています。少なくとも1回以上のピットストップが必要であり,タイヤ交換回数およびタイミングという作戦面が昨年から大きく変化することが予想されます。


    (B) 使用可能なドライタイヤおよびそのセット数

     金曜日または土曜日,ドライバーは2つの異なったドライタイヤのコンパウンドを比較することができます。

    [金曜日]
     各ドライバーに2種類のドライタイヤが3セット(プライム2セット,オプション1セット)供給されます。
     これらのタイヤのうち,フリー走行1終了後にプライム1セットを返却しなければなりません。
     そして,フリー走行2終了後にプライム1セット,オプション1セットを返却しなければなりません。

    (2011年3月8日 追加レギュレーション その1)
     特定のイベントでは,評価目的として全チームに対し,ある仕様のドライウェザー・タイヤを追加することがあります。
     当該イベントの開始から少なくとも1週間前に,追加仕様についてチームに通知されます。
     これらタイヤの2セットがフリー走行のフリー走行1およびフリー走行2の間,各ドライバーに割り当てられます。
     これらのタイヤはフリー走行2後に返却しなければなりません。

    (2011年3月8日 追加レギュレーション その2)
     「プライム」仕様タイヤの追加1セットが全ドライバーに提供されることがあります。
     当該イベントの開始から少なくとも1週間前に,このようなセット追加についてチームに通知されます。
     この場合,追加セットはフリー走行1およびフリー走行2で使うことができます。
     したがって,フリー走行1終了後にプライム1セットを返却し,フリー走行2終了後にプライム2セット,オプション1セットを返却しなければなりません。

    [土曜日〜日曜日]
     各レギュラードライバーにドライタイヤはプライム・オプション4セットずつ供給されます。
     土曜日のフリー走行後に1セットずつ返却し,予選およびレースを3セットずつで戦うことになります。


    (C) 使用可能なウェットタイヤとそのセット数

     また,ドライタイヤ以外,雨天時に走行できるウェットタイヤとして,インターミディエットタイヤおよびウェットタイヤがあります。予選時,これらのタイヤはレースディレクターによってトラックが濡れていると宣言されたときに限って使用できます。
     イベント全体(フリー走行〜レース)でインターミディエットタイヤは4セット,ウェットタイヤは3セット供給されます。


    (D) 各イベントのドライタイヤコンパウンド

     ドライタイヤ4種類のうち,各イベントにどの2種類のタイヤが持ち込まれるかについてここにまとめます。
     (●: プライム, ○: オプションを表す)
     インドGPでは,プライムをソフト,オプションをハードとし,FP1でソフトタイヤを1セット多く使用可能。

    RdGrand PrixSS (Super Soft)
    Red
    S (Soft)
    Yellow
    M (Medium)
    White
    H (Hard)
    Silver
    1Australia
    2Malaysia
    3China
    4Turkey
    5Spain● (super hard)
    6Monaco
    7Canada
    8Europe
    9Great Britain
    10Germany
    11Hungary
    12Belgium
    13Italy
    14Singapore
    15Japan
    16Korea
    17India
    18Abu Dhabi
    19Brazil
    -Bahrain

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