(A) タイヤレギュレーションの変更点の概要
2010年もブリヂストンのワンメイクで行われます。2010年はフロントタイヤの全幅が狭くなり,フロントグリップが強すぎた昨年からの改善が図られています(ブリヂストンは2009年から全幅を狭くしたかったが,チームが空力への影響を考慮して見送られた)。
今年も使用されるドライタイヤは作動温度とコンパウンドの硬さが異なる4種類が用意されます。各イベントにはこの中から2種類のドライタイヤをブリヂストンが選定し持ち込みます。2009年は2種類のタイヤ性能差が大きすぎたため,今年はソフト側のタイヤの作動温度を上昇させ,コンパウンドの硬さもレンジを狭くしています。
また,レインタイヤはインターミディエットタイヤとウェットタイヤを1種類ずつ用意し,これらのタイヤはすべてのイベントで同じものが使用されます(2009年と同様)。
予選セッション中でも自由にタイヤを交換することができます。今年は無給油のレースですがレインタイヤを1度も使用しないならば,ドライタイヤを2種類とも使用しなければならない規則は残っています。タイヤの交換の回数およびタイミングという作戦面が昨年から少し変化する可能性があります。
(B) 使用可能なドライタイヤおよびそのセット数
金曜日または土曜日,ドライバーは2つの異なったドライタイヤのコンパウンドを比較することができます。
[金曜日]
各ドライバーに2種類のドライタイヤが3セット供給(プライム2セット,オプション1セット)されます。
これらのタイヤのうち,フリー走行1終了後にプライム1セットを返却しなければなりません。
そして,フリー走行2終了後にプライム1セット,オプション1セットを返却しなければなりません。
[土曜日〜日曜日]
各レギュラードライバーにドライタイヤはプライム・オプション4セットずつ供給されます。
土曜日のフリー走行後に1セットずつ返却し,予選およびレースを3セットずつで戦うことになります。
(C) 使用可能なウェットタイヤとそのセット数
また,ドライタイヤ以外,雨天時に走行できるウェットタイヤとして,インターミディエットタイヤおよびウェットタイヤがあります。予選時,これらのタイヤはレースディレクターによってトラックが濡れていると宣言されたときに限って使用できます。フリー走行〜レースまででウェットタイヤは4セット,エクストリームウェザータイヤは3セットまで使用することができます。
(D) 各イベントのドライタイヤコンパウンド
4種類のうち,各イベントにどの2種類のタイヤが持ち込まれるかについてここにまとめます。
Rd | Grand Prix | SS (Super Soft) | S (Soft) | M (Medium) | H (Hard) |
1 | Bahrain | ○ | | ○ | |
2 | Australia | | ○ | | ○ |
3 | Malaysia | | ○ | | ○ |
4 | China | | ○ | | ○ |
5 | Spain | | ○ | | ○ |
6 | Monaco | ○ | | ○ | |
7 | Turkey | | ○ | | ○ |
8 | Canada | ○ | | ○ | |
9 | Europe | ○ | | ○ | |
10 | Great Britain | | ○ | | ○ |
11 | Germany | ○ | | | ○ |
12 | Hungary | ○ | | ○ | |
13 | Belgium | | ○ | | ○ |
14 | Italy | | ○ | | ○ |
15 | Singapore | ○ | | ○ | |
16 | Japan | | ○ | | ○ |
17 | Korea | | ○ | | ○ |
18 | Brazil | ○ | | ○ | |
19 | Abu Dhabi | ○ | | ○ | |
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