(A) ピットストップとは…
車を組み立てたり,車のセッティングを調整したり、燃料を補給したりするための場所をピットと呼んでいます。
レース中,各チームは2台の車を自由にピットストップさせることができます。ピットストップでは,タイヤ交換,フロントウイングの交換・調節,タイヤの内圧調整などさまざまなことを行うことができます。ピット作業時間はレースの順位を大きく変えるポイントなので,各チームはいつピットストップさせるかを戦況に応じて決めています。
ピットまでのコースをピットレーンと呼び,タイヤ交換作業する人々をピットクルーないしメカニックと呼んでいます。今年は無給油レースとなるので,タイヤ担当のメカニックは0.1秒を争うタイヤの卓越した扱い方を要求されます。ピットストップタイムは3秒台となるでしょう。
(B) ピットストップでのロスタイム
ピットレーンでの制限速度は2010年は基本的にはどのサーキットでもフリー走行・予選中は60 km/h,レース中は100 km/h(モナコは80 km/h)です。
ピットストップでのロスタイムとは,ピットインすることによってかかる「ピット作業時間(静止時間)+ピットレーンの走行時間」の合計時間を表します。
ピットレーンでの走行時間が短いということはロスタイムが短いので2ストップ以上のピットストップ作戦が可能となります。しかし,今年は燃料搭載量が他車と同じレベルであるため,燃料搭載量が少ないことによるラップタイム短縮効果はありません。
したがって,多くのドライバー・チームは1ストップ作戦で,近いポジションを走っているドライバーとピットストップのタイミングを合わせてくるものと思われます(ソフト側に履き替えるのであれば,ニュータイヤのグリップ力が優れているため)。
(C) ピットストップにおける注意事項
ピットから出た後,コース上の安全のため,ピットアウトしたマシンが走行するライン(位置)を義務付ける白線(ホワイトライン)が引かれています。この白線に乗ったりまたいだりした場合はドライブスルーペナルティとなるので,ドライバーは注意しなければなりません。特に,順位争いが激しいときは白線のことを忘れがちになり,白線に乗ってしまうドライバーもいます。
ピットレーンでは追い越しは禁止されています。追突の危険性が指摘された場合,ドライブスルーペナルティを受ける可能性もあります。ただし,ピットストップ時間が短いドライバーが長いドライバーを抜くことはできます。
また,ピットレーンなど指定された場所以外での作業も禁止されています。
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