(A) ドライバーペナルティ (Driver penalties)
2007年から,予選走行中に他車を妨害した場合,レーススチュワート(競技委員)が適切なグリッド分だけ降格できるというレギュレーションが新設されました。したがって,レース前のグリッドペナルティがドライバーペナルティに追加されます。
またレースでは,フライングスタートやピットレーンの速度違反やマシンの規定違反,各種旗の無視などレギュレーションに反する行為をすると,レーススチュワート(競技委員)からその違反の程度によって次のペナルティを受けます。
・ドライブスルーペナルティ (Drive-through penalty)
(= ピットレーンを制限速度で通過する(このときピットインして,ピット作業を行ってはいけない))
・ストップ&ゴー・ペナルティ (Stop-go penalty / Ten-second time penalty)
(= ピットで10秒間静止(このときピットインして,ピット作業を行ってはいけない))
・25秒ペナルティ (25-second time penalty)
(= 残り周回が5周以下になってから,ドライブスルーペナルティまたはストップ&ゴー・ペナルティが課される場合は このペナルティに切り替えられます)
・失格
レース後にレースペナルティとして,ピットレーンでの危険行為に対して,レース後に審議された後,25秒のペナルティが出されることがあります。
レース中以外では,ピットレーンでのオーバースピードの場合,罰金を払わなければなりません。また,最悪の場合は出場停止やライセンス剥奪にもなる場合もあります。
また,レース中に明らかな危険行為や無理矢理の追い越し,ルール違反などがあった場合,ドライバーからヒヤリングを行い,そのヒヤリング内容とレースの様子をもとに「警告処分」を与えるかどうかが判断されます。年間で「警告処分」が同ドライバーに3度下された場合,そのドライバーは警告処分が3度下された次のレースで10グリッド降格や1レース出場停止などの処分が下ります。
5年前に,順位を操作するなどのチームオーダーも禁止されたので,明らかなチームオーダーがあった場合,処分の対象となると考えられます。
レース中,前車を抜く目的でシケインやコーナーをショートカットした場合は,素直に道を譲らなかった場合に限って,ペナルティの対象(ドライブスルーペナルティが多い)となります。
また,ピットストップのページでも書きましたが,ピットアウトしたマシンが走行するライン(位置)を義務付ける白線(ホワイトライン)に乗ったりまたいだりした場合はドライブスルーペナルティとなるので,ドライバーは注意しなければなりません。
(B) エンジンペナルティ (Engine penalty)
2009年のエンジンペナルティルールは2008年までとは異なる形で適用されます。すべてのドライバーはシーズン通して8基までペナルティーなしで使用可能です(金曜フリー走行を含む)。ドライバーが交代した時はそのドライバーは残りのエンジンを使用しなければなりません。
9基目からはあるイベントでエンジンを1基使用するごとにそのイベントのスターティンググリッドが10位ずつ下げられます。
2008年末の時点で決定されていた3グランプリ連続使用は撤廃されました。
(C) ギアボックスペナルティ (Gearbox penalty)
2009年もギアボックスペナルティルールは継続されます。すべてのドライバーは4GPに対して,ギアボックスを1基しか使うことが許されていません。このとき,車は破損してもギアボックスは使いまわすことができれば,グリッドが下げられることはありません。ただし,金曜日のフリー走行のセッションではギアボックス使用規制はありません。1〜4GP目でドライバーが交代した時,交替したドライバーは1〜4GP目で使用されたギアボックスを使用しなければなりません。
4イベント中に交換した場合は交換するたびに,そのイベント中はスターティンググリッドが5位ずつ下げられます。
また,あるGPで完走できなかった場合は,次のGPでギアボックスを交換してもペナルティにはなりません。
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