川井ちゃんのF単 (4th) F1中継によくでる用語が1000以上 レギュレーションを理解してF1をもっと楽しもう!

  [4] レーススタートの行程

(A) レースの準備

 レース自体の基本ルールは,「各GPで決められた周回数を一番速く走りきればよい」というものです。土曜に予選が行われた結果でグリッド(=レース開始順位)が決まるわけですが,レースを開始するにあたり,まず一度この順番に車を整列させます。この順番のことを「ダミーグリッド」といいます。

 フォーメーションラップ開始30分前から15分前までに,予選の合算タイムの早かった順にダミーグリッドに着くためのレコノサンス・ラップを行います。このとき,15分前までにグリッドにつけなかった場合は,そのマシンはピットスタートになってしまいます。

 ダミーグリッドについた後は,フォーメーションラップ開始3分前までにタイヤ装着を完了しなければそのマシンは最後尾スタートになってしまいます。そして1分前にまでエンジン点火を行います。ここでエンジンがかからない場合はマーシャルがピットガレージに運びます(つまりピットレーンスタート)。


(B) フォーメーションラップ (Formation Lap)

 フォーメーションラップは,レースを開始する前に,きちんと車が動くかを確認するとともに,タイヤを温めるために行われます。このラップでは,ダミーグリッドの順に全車ゆっくりと走行を開始し,ある程度隊列をなして走行します。問題を抱えている車を除いて,追い越しは禁止されています。また,フォーメーションラップでスピンした場合,コースに戻ることができれば,グリッドポジションに変更はありません。

 このとき,各車ジグザグに走行するのは,ちゃんと理由があります。ダミーグリッドの時点で,タイヤウォーマーでタイヤをいくらか温めていますが,レースするにはタイヤの温度は低すぎます。そこで,1周のフォーメーションラップを使ってねできる限りタイヤを温めているというわけです。

 フォーメーションラップでスタートできなかった場合は,即座にピットに戻されて,故障した(or おかしくなった)点を修正します。フォーメーションラップ中に修正(ステアリングの交換,エンジンの再点火など)できれば,ピットスタートを行うことができます。

 ここで,ピットスタートとは,文字通り,レースをピットからスタートすることなのですが,これは,レース開始シグナルが消えて,ピットレーン出口のシグナルが青になったときスタートできます。


(C) 再フォーメーションラップ (Extra Formation Lap)

 地上波の放送を見ていると,1度フォーメーションラップを行ったのに,もう一度フォーメーションラップをやっているのを見たことがあるかもしれません。これが「再フォーメーションラップ」です。再フォーメーションラップは,年間で1度か2度ぐらい起こります。

 フォーメーションラップが終わった後に,各車グリッドについてシグナルが消えるのを待つわけですが,グリッドについた時点でドライバーが車に異常を感じれば,ドライバーは手を上げて,スタートを遅らせることができます。これに気づいたコースマーシャルが黄色の旗を振ってレースディレクターに再フォーメーションラップを伝えます。そして,シグナルで他のドライバーに再フォーメーションラップが行われることを伝えます。

 再フォーメーションラップが行われると,レース自体は1周短くなります。したがって,ピットにおける燃料積載量などの作戦もわずかながら変更される可能性もあります。

 昔は再フォーメーションラップまでに時間を取っていました。5分後か10分後かにフォーメーションラップからスタートやり直していました。ただし,グリッドは最後尾+1の位置につかなければなりませんでした。または,ピットスタートを行うこともできました。(このとき,ピットレーン出口のシグナルが青に変わるのを待たなくてはなりません。)

 しかし,2005年からは放送時間短縮のため,再フォーメーションラップはすぐに行われます。異常が見つかった車はピットに戻されて,再フォーメーションラップの間にその異常を修復し,ピットスタートを行います。2台以上ピットに車が戻る場合,順番はピットレーンエンドに着いた順番となります。

 また,再フォーメーションラップはスタート時の危険を回避する意味もあり,ドライバーが車に異常を感じ手を上げれば,何度でも行われます。


(D) 悪天候時のセーフティカーによる先導

 雨脚が極端に強い場合や突風が吹きあげているようなときは,レース自体がセーフティカーによる先導でスタートすることがあります。このとき,レースの周回数はもちろん重ねることになります。最近の例では,2003年ブラジルGP,2007年日本GP,2008年イタリアGP(このときは雨脚が極端に強かった)があります。

 雨や風が弱まったときにセーフティカーによる先導は解除されます。先導解除のときは,セーフティカーはピットレーンに入っていくので,スタート−フィニッシュラインからバトルが繰り広げられけることになります。もし,スタート−フィニッシュラインより手前で追い越しがあった場合はペナルティ(このときはドライブスルーペナルティ)が課せられます。

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