(A) 2006年のGPスケジュールの流れ
各GPの大まかなスケジュールは次のようになっています。
・ 金曜日 … 午前中にフリー走行(1)と午後にフリー走行(2)が行われます。
・ 土曜日 … 午前中にフリー走行(3)が行われ,午後に予選が行われます。
・ 日曜日 … 午後にレース(決勝)が行われます。
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● 金曜日(※1) | フリー走行1回目 | 11:00〜12:00 |
| フリー走行2回目 | 14:00〜15:00 |
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● 土曜日 | フリー走行3回目 | 11:00〜12:00 (※2) |
| 予選 | 14:00〜 (※3) |
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● 日曜日 | レース | 14:00〜 (※4) |
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(※1) 3rdカー使用可能チーム:ウィリアムズ,ホンダ,レッドブル,ザウバーBMW,ミッドランド,トロロッソ,スーパーアグリ
(※2) 次のGPでは( )内の現地時刻に開始
Great Britain (09:30), Canada (10:00), United States (10:00)
(※3) 次のGPでは( )内の現地時刻に開始
Great Britain (12:30), Canada (13:00), United States (13:00)
(※4) 次のGPでは( )内の現地時刻に開始
Bahrain (14:30), Malaysia (15:00), Great Britain (12:00), Canada (13:00),
United States (13:00), Turkey (15:00)
次の項目からは各セッションについて詳しく説明していきます。
(B) 金曜日のフリー走行 (Practice Session 1 & 2)
金曜日のフリー走行は午前・午後ともに1時間ずつのセッションです。
金曜日に行う基本的なことは,コース,コンディションに応じたタイヤの選択とマシンのセッティングの調整です。
また、2006年も昨年同様に前年度の成績が5位以下のチーム(今年はウィリアムズ,ホンダ,レッドブル,ザウバーBMW,ミッドランド,トロロッソ,スーパーアグリ)の各チームは金曜日のフリー走行時に限って,3台目のマシン(これらのチームの3rdドライバーが運転する/3rdドライバーはスーパーライセンスを持っているドライバーなら誰でも可能)の走行が許されています。
3rdドライバーの役割は主に,レギュラードライバーが使うタイヤを選択するときのデータを集めることです。
今年はドライタイヤの選択は土曜日の予選の前までに決定すればよいという規定になりましたが,金曜日のうちに,各チームタイヤの評価を行うものと思われます。
(C) 土曜日のフリー走行 (Practice Session 3)
土曜日のフリー走行は1時間のセッションです。
土曜日のフリー走行で行うことは,マシンのセッティングの調整です。昨年は1時間30分のフリー走行タイムが与えられていたので,走行時間自体は減少してタイトなスケジュールなように思われますが,昨年の午前のフリー走行ではそれほど走っていなかったため,それほど厳しいスケジュールではないと思われます。
金曜日に雨が降った場合(ウエット宣言された場合)は,土曜日のフリー走行が終わった時点で予選〜決勝で用いるドライタイヤを決めなければならないので,タイヤの選択のためのデータを集めることも必要になってきます。
(D) 予選 (Qualifying Session)
昨年までの1回アタック方式とは異なり,出走するすべての車が同条件で予選に参加することができます。予選の方式はノックアウト方式と呼ばれています。やや複雑ですが,よくできた予選方式だと思います。予選セッションの流れは次の通りです。
タイム計測と最後のセッションの時間について,フランスGPから改定されています。
[Q1] 13:00〜13:15
レースに参加するすべての車が予選セッションQ1には参加する。そのうち,タイムが遅い下位6台のタイム順で17位〜22位のグリッドポジションが決まる。ただし,周回数は規定されない。残り16台のタイムはQ1終了時にいったん抹消される。
[Interval 1] 13:15〜13:22
Q1とQ2の間に7分間のインターバルをはさむ。
[Q2] 13:22〜13:37
Q2ではQ1で残った16台が参加する。そのうち,タイムが遅い下位6台のタイム順で11位〜16位のグリッドポジションが決まる。ただし,周回数は規定されない。残り10台のタイムはQ2終了時にいったん抹消される。
[Interval 2] 13:37〜13:45
Q2とQ3の間に8分間のインターバルをはさむ。
[Q3] 13:45〜14:00
Q3ではQ2で残った10台が参加する。タイムの速い順でポールポジションから10位までのグリッドが決まる。ただし,周回数は規定されない。
(その他,重要な規定)
- すべての車は予選開始の段階からレース開始までパルクフェルメ扱い(=車のセッティングの調節が不可能)とされるが,次に示す条件で燃料補給とタイヤ交換は許される。
- Q1〜Interval 2の間はいつでも燃料補給が可能で,Q1, Q2で10位以下となった車もレース開始までに好きな量の燃料を補給することができる。
- Q3では,決勝開始時分の燃料を搭載して走行しなければならない。Q3の間に消費された燃料は「FIAが各GPごとに定める1ラップあたりに消費される燃料×走行ラップ数」と計算して,レース開始1時間30分前までに補給することができる。ただし,Q3における各ドライバーの自己ベストタイムの110%以下のラップに関しては,公式予選終了後の燃料補給の計算に含まれない。
- Q1〜Q3について,セッション15分以内にコントロールラインを通過したラップについてのタイムが認められる。
- Q1で予選タイムを出せなかった場合は,レギュレーション条項131(スタートすることができない場合はスタートの45分前までにスチュワートに伝えなければならない)が当てはまる。また,5台以上の車がタイムを出せなかった場合は,下位の5台の車はQ2に参加できない。ただし,ほかの車は参加できる。Q2でも同様の処置が下される。
(E) レース (Race)
GPのメインイベント,レースです。各GPで決められた周回数を一番速く走りきったドライバーが優勝です。ドライバー同士の熱いバトルとチームの戦略がレースの醍醐味です。
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