
2006 February News Archive
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予選レギュレーションに抜け道あり
2006.02.19 (Sun)
イギリスのモータースポーツ誌『Autosport』が,17日(金),“ノックアウト方式”と呼ばれる新予選フォーマットのルール上の抜け道を塞ぐべく,最終予選において110%ルールの適用を検討していることを伝えた。
同誌は,FIAによる新予選フォーマットの110%ルール適用は,Part 3(最後の20分間)序盤時に燃料をセーブするためにドライバーがスロー走行を行うことを防ぐ目的から導入が検討されていると伝えている。
Part 3に進んだ10台のマシンは,決勝序盤に走行する燃料を搭載して予選アタックに臨み,予選終了後にFIAが定める1周あたりの燃料消費量を周回数によって計算し,その分の燃料をマシンに補給することが許される。しかし,このルールの抜け道として,ドライバーがFIAが定める数値よりも少ない燃料消費で1周を走り終えた場合,そのドライバーはより多くの燃料を搭載でき,理論上レースで戦略的に優位に立つことが可能となる。
同誌はFIAスポークスマンの「いわゆる110%ルールは、最終予選において燃料をセーブするためにドライバーが極端に遅いインラップ及びアウトラップを行わないことを確かにするだろう」とのコメントを伝え,110%ルールが適用された場合には,各ドライバーの自己ベストタイムの110%以下のラップに関しては,公式予選終了後の燃料補給の計算に含まれないと説明している。
これは個人的には,非常にいいアイデアであると思う。各チームとも抜け道を探すことはかなり長けているので,この点に気付いていたチームは多いと思う。ただし,ベストタイムはおおよそ見当がつくため,107〜109%程度のラップタイムで走る車は見受けられる可能性もあるが,これではあまり燃費を上げることはできないと思われるので,ラップを増やすことで燃料を減らしてタイムアタックに望むという純粋な方法を選ぶチームが多いと思われる。(まあ,そのためのルールであり,110%という数字だろうから…)
2006年 ベルギーGP開催中止
2006.02.12 (Sun)
FIAは2月8日(水),2006年のベルギーGPは施設改修の準備が整っていないなど整備が非常に遅れており,これではGPを開催する水準に達しないということで,GP開催を中止することを発表した。2007年シーズンには再びカレンダーに戻ってくるものができるとも伝えている。
2006年度レギュレーション変更点の概要
2006.02.05 (Sun)
FIAが発表している2006年のスポーティング(競技面),テクニカル(技術面)のレギュレーションの2005年からの変更点をまとめたいと思います。
FIA Rules & Regulations Sporting Regulations 2006 season changes:
1. Qualifying(予選)とRace Weekend Schedule(タイムスケジュール)
予選はノックアウト方式となり,土曜日の午後(13:00〜14:00)に行われる。今年のエントリーは22台なので,この台数に基づくノックアウト方式を説明する。
[Part 1] 13:00〜13:15
レースに参加するすべての車が予選セッションPart 1には参加する。そのうち,タイムが遅い下位6台のタイム順で17位〜22位のグリッドポジションが決まる。残り16台のタイムはPart 1終了と同時に抹消される。
[Interval 1] 13:15〜13:20
Part 1とPart 2の間に5分間のインターバルをはさむ。
[Part 2] 13:20〜13:35
Part 2ではPart 1で残った16台が参加する。そのうち,タイムが遅い下位6台のタイム順で11位〜16位のグリッドポジションが決まる。残り10台のタイムはPart 2終了と同時に抹消される。
[Interval 2] 13:35〜13:40
Part 2とPart 3の間に5分間のインターバルをはさむ。
[Part 3] 13:40〜14:00
Part 3ではPart 2で残った10台が参加する。タイムの速い順でポールポジションから10位までのグリッドが決まる。
(その他,重要な規定)
- すべての車は予選開始の段階からレース開始までパルクフェルメ扱い(=車のセッティングの調節が不可能)とされるが,次に示す条件で燃料補給とタイヤ交換は許される。
- Part 1〜Interval 2の間はいつでも燃料補給が可能で,Part 1, Part 2で10位以下となった車もレース開始までに好きな量の燃料を補給することができる。
- Part 3では,決勝分の燃料を搭載して走行しなければならない。Part 3が始まる前に重量検査が行われ,Part 3の間に消費された燃料が決勝前に補給される。
- Part 1で予選タイムを出せなかった場合は,レギュレーション条項131(スタートすることができない場合はスタートの45分前までにスチュワートに伝えなければならない)が当てはまる。また,5台以上の車がタイムを出せなかった場合は,下位の5台の車はPart 2に参加できない。ただし,ほかの車は参加できる。Part 2でも同様の処置が下される。
次に,週末全体のスケジュールについて,説明する。
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● 金曜日(※1) | フリー走行1回目 | 11:00〜12:00 |
| フリー走行2回目 | 14:00〜15:00 |
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● 土曜日 | フリー走行3回目 | 11:00〜12:00 (※2) |
| 予選 | 14:00〜 (※3) |
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● 日曜日 | レース | 14:00〜 (※4) |
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(※1) 3rdカー使用可能チーム:ウィリアムズ,ホンダ,レッドブル,ザウバーBMW,ミッドランド,トラロッソ,スーパーアグリ
(※2) 次のGPでは( )内の現地時刻に開始
Great Britain (09:30), Canada (10:00), United States (10:00)
(※3) 次のGPでは( )内の現地時刻に開始
Great Britain (12:30), Canada (13:00), United States (13:00)
(※4) 次のGPでは( )内の現地時刻に開始
Bahrain (14:30), Malaysia (15:00), Great Britain (12:00), Canada (13:00),
United States (13:00), Turkey (15:00)
2. Tyres(タイヤ)
競技中にドライバーが使えるタイヤはドライタイヤ7セット,ウェットタイヤ4セット,エクストリームウェザータイヤ3セットまでとし,これを超えるタイヤを使うことはできない。
タイヤサプライヤーは,ドライタイヤは,各イベントごと,各チームごとに2つ異なるスペックのタイヤを用意することができる。また,ウェットタイヤおよびエクストリームウェザータイヤは,各イベントごとに1つのスペックのタイヤを用意することができる。
競技中にドライバーの交代があった場合,新しいドライバーは最初のドライバーに割り当てられたタイヤを使わなければならない。ただし,新しいドライバーが金曜3rdドライバーのとき,金曜日に走行したタイヤセット数はカウントされない。
タイヤ1セットとは,同じスペックのフロントタイヤ2本及びリアタイヤ2本で構成されるものとする。
各ドライバーは,予選セッション開始までに以後の競技で使用するタイヤのスペックを指定しなければならない。
3. Engines(エンジン)
2005年までのV10-3.0リットルエンジンは終わりを告げ,2006年からはV8-2.4リットルエンジンとなる。さらに,エンジンライフは,2005年のレギュレーションに引き続いて,2GP1エンジンである。距離にすると約1,500 km(1,000 mile)である。予選セッション前でエンジン交換を行うとき,グリッドから10番降格の処分が下される。また,予選セッションとレースの間にエンジン交換を行うとき,グリッドは最後尾となる。
また、もし,あるレースでフィニッシュできなければ,次のGPのときに新しいエンジンを用いてもペナルティは課されない。
これらの変更によって,回転数や出力の減少,バイブレーションの解決などエンジンにはとても大きな信頼性が求められており,カーパフォーマンスの低下と戦いを強いられている。
2006年 各GPの周回数
2006.02.05 (Sun)
FIAは2月3日(金),今季の各GPの周回数を発表しました。ベルギーGP開催問題などで先月話題になったが,今年も昨年同様19戦で争われることが下の表で確認されます。
[2005 FIA Formula One World Championship]
*Circuit and Lap Information*
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Date |
Grand Prix |
Circuit Length |
Start Line Offset |
Number of Laps |
Race Distance |
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03/12 |
Bahrain |
5.412 km |
0.246 km |
57 |
308.238 km |
03/19 |
Malaysia |
5.543 km |
0.000 km |
56 |
310.408 km |
04/02 |
Australia |
5.303 km |
0.000 km |
58 |
307.574 km |
04/23 |
San Marino |
4.933 km |
0.237 km |
62 |
305.609 km |
05/07 |
Europe |
5.148 km |
0.017 km |
60 |
308.863 km |
05/14 |
Spain |
4.627 km |
0.126 km |
66 |
305.256 km |
05/28 |
Monaco |
3.340 km |
0.000 km |
78 |
260.520 km |
06/11 |
Great Britain |
5.141 km |
0.105 km |
60 |
308.355 km |
06/25 |
Canada |
4.361 km |
0.000 km |
70 |
305.270 km |
07/02 |
USA |
4.192 km |
0.000 km |
73 |
306.016 km |
07/16 |
France |
4.411 km |
0.184 km |
70 |
308.586 km |
07/30 |
Germany |
4.574 km |
0.000 km |
67 |
306.458 km |
08/06 |
Hungary |
4.381 km |
0.007 km |
70 |
306.663 km |
08/27 |
Turkey |
5.340 km |
0.000 km |
58 |
309.720 km |
09/10 |
Italy |
5.793 km |
0.309 km |
53 |
306.720 km |
09/17 |
Belgium |
6.976 km |
0.017 km |
44 |
306.927 km |
10/01 |
China |
5.451 km |
0.190 km |
56 |
305.066 km |
10/08 |
Japan |
5.807 km |
0.198 km |
53 |
307.573 km |
10/22 |
Brazil |
4.309 km |
0.030 km |
71 |
305.909 km |
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