
F1放送を見ていると,サイドポンツーンとか,インダクションポッドとか,聞きなれない言葉が解説で飛び交っていると思います。そこでF1カーの各部分について,実際のF1カーでどの部分になるのかやそのパーツの簡単な解説をしたいと思います。
ここでは,2005年の大阪モーターショーで展示されていたPanasonic Toyota Racing TF105の写真を用います。
まず,TF105全体の前からの写真で解説します。
(A) フロントウイング (Front Wing)
走行中の前方から受ける風によって,ダウンフォースを生み出すための空力パーツ。2005年に取り付けの高さが引き上げられ,2004年の車に比べてダウンフォースは減少した。中央部分の高さだけはそれ以外の部分より高さ制限が低いため,2005年にはフェラーリの地下構造が見られた。
(B) ノーズコーン (Nose Cone)
フロントウイングを支える部分。フロントウイングがダメージを負ったとき,この部分ごと取り外して交換する。空気力学的にも非常に重要で,ノーズの高さ,幅などが車によって大きく異なる。ノーズの位置が地面から高い車をハイノーズという。
(C) フロントタイヤ (Front Tyre)
見たとおりの車の前方についているタイヤ。レギュレーションで幅,大きさなど細かく規定されている。幅が大きいと前方から受ける風により抵抗が大きくなるが,接地面積が増えるためグリップ力は増やしやすい。タイヤも常に抵抗とグリップ力の板ばさみ状態にある。
(D) フロントサスペンション (Front Suspension)
車体前部を支えるバネのような役割を担う構造のこと。サスペンションの性能は,メカニカルグリップを決める大きな要素となっており,タイヤの温まり方などに直結している。
(E) サイドポンツーン/サイドポッド (Side Pontoon / side Pod)
車体の横に出っ張っている部分。ここには,エンジン冷却ためのラジエターが収められていて,大きく開いた前方の穴から取り入れた空気で冷やしている。今年はV8エンジンになったため冷却性能の要求値が下がり,各チーム下部をより絞り込み,車体後部へ流れる空気を増加させている。
(F) コックピット (cockpit)
運転席のこと。身動きが取れないぐらい非常に狭い。体はしっかり固定され,腕でハンドルをコントロールできるのと,足でペダルを操作できる以外はほとんど動かすことができない。また,開口部の大きさが決められており,ドライバーを守るためのサイドプロテクターの取りつけが義務付けられている。
(G) チムニー (Chimney)
サイドポンツーン上に排熱の役割を果たすパーツ。それ以外にも,車体上面の空気の流れる向きを変えて,より車体後部(リアウイングなど)の空力効果を整える役割もしている。
(H) リアタイヤ (Rear Tyre)
見たとおりの車の後方についているタイヤ。レギュレーションで幅,大きさなど細かく規定されている。
(I) インダクションポッド (Induction Pod)
エンジンでのガソリン燃焼用の空気の吸入口のこと。コックピット上方に設けられた穴,またはその周りの構造のことを指す。V10エンジン使用では吸入口の円の大きさが限定されている。
(J) リアウイング (Rear Wing)
ダウンフォースを生み出すための空力パーツ。2005年に取り付けの位置に大きな変更がもたらされて,2004年の車に比べてダウンフォースは減少した。
次に,TF105後部からの写真で解説します。
(H) リアタイヤ (Rear Tyre)
見たとおりの車の後方についているタイヤ。レギュレーションで幅,大きさなど細かく規定されている。
(I) インダクションポッド (Induction Pod)
エンジンでのガソリン燃焼用の空気の吸入口のこと。コックピット上方に設けられた穴,またはその周りの構造のことを指す。V10エンジン使用では吸入口の円の大きさが限定されている。
(J) リアウイング (Rear Wing)
ダウンフォースを生み出すための空力パーツ。2005年に取り付けの位置に大きな変更がもたらされて,2004年の車に比べてダウンフォースは減少した。
(K) リアサスペンション (Rear Suspension)
車体後部を支えるバネのような役割を担う構造のこと。サスペンションの性能は,メカニカルグリップを決める大きな要素となっており,タイヤの温まり方などに直結している。
(L) ディフューザー (Diffuser)
車体下面後方の上側に跳ね上がる構造のこと。これによって,路面に吸いつく力(=ダウンフォース)を得ることができる。リアウイングと密接に関係している。
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