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Last update: 2014/03/16 (Sun)


2013年から2014年への主なレギュレーション変更事項は以下の通り:

1. Sporting Regalations

最終戦はポイントが2倍
  • 最終戦までチャンピオンシップに興味を持たせる意図的な変更。(個人的には不要な変更)

    予選セッション時間の変更
  • 戦略上Q3で下位に位置されるドライバーのタイヤ温存作戦が多く,Q3の走行が少ない状況に対して,
      Q1-Q2-Q3が20-15-10分から,Q1-Q2-Q3が18-15-12分に変更。合わせてQ3で使用可能なタイヤセットも変更(下記参照)。

    タイヤセットの割り当て変更
  • フリー走行1回目
      タイヤ温存の状況を回避する目的で,セッション開始から30分までの間のみ使用できるプライム1セットを追加供給。
  • 予選セッション
      Q3進出ドライバーには,Q3でのみ使用できるオプションタイヤを1セット追加供給。
      Q3進出ドライバーのレース開始タイヤはQ2で最速タイムを出したタイヤセットの使用が義務付けられる。
      (予選Q2・レース開始時ともにドライコンディションの場合のみ適用)

    ペナルティポイント制の導入
  • 2013年までは出場停止処分の基準があいまいであったが,2014年からペナルティポイントを導入し基準を明確化。
      ペナルティポイントはペナルティが与えられた日から12ヶ月間有効で,12ポイント以上累積すると次戦出場停止。
      違反内容とペナルティポイントの関係は調整中。

    ピットストップ アンセーフリリースのペナルティ強化
  • ピットストップで燃料給油がなくなってから,ピット静止時間を短縮するあまり安全確認がおろそかになりがち。
      その傾向に心理的歯止めをかける目的でペナルティを強化。
       ・〜2013年: ドライブスルーペナルティ,10秒ストップペナルティ
       ・2014年〜: ドライブスルーペナルティ,10秒ストップペナルティ,次戦グリッド降格ペナルティ(〜10グリッド)

    金曜フリー走行1・2中のドライバー変更可能
  • テストドライバーの走行機会を増やす目的で,フリー走行1・2中ではセッション中にドライバー変更可能。
      ただし,シートや好みのセッティングを変更する必要があり,走行時間を失うハンデは大きい。

    ドライバー固定ナンバー制導入
  • ドライバーはF1キャリアを通じて有効な固定ナンバーを選択。また車両だけでなくヘルメットにもナンバー明示が義務化。
      前年チャンピオンドライバーは固定ナンバーあるいは1を選択可能。

    シーズン中のテスト復活
  • レース終了から36時間以内にそのサーキットで,最大2日間年間4回のテスト機会あり。
      (2013年はサーキット指定なく,3日間1回のテスト)
      年間20戦超えた場合は,テスト回数は1回減って3回。

    予選セッションの重量計測違反の罰則強化
  • 予選セッション中にピットインする車両はランダムで重量計測を受ける規則へのペナルティについて:
      呼び止め合図(車検場横のシグナルが赤の場合)に気付かずスルーする場合,
       ・スルー直後気付いて車検場に持ち込んだ場合: 戒告処分
       ・気付かないあるいは待ちあわなかった場合: レースでのピットレーンスタート

    パワーユニット
  • エンジンおよびエネルギー回生コンポーネントを含むパワーユニットについて,各コンポーネント年間5基まで使用可能。
      (昨年までは年間8基までエンジン使用可能)
      この規定に違反した場合のペナルティは下記の通り:
       ・パワーユニット全体の6基目以降を使用する場合: ピットレーンスタート
       ・コンポーネントいずれか1つについて6基目以降を使用する場合: 10グリッド降格ペナルティ
       ・残りのコンポーネントのうち1つについて6基目以降を使用する場合: 5グリッド降格ペナルティ
        ※当該イベントのグリッド位置からではペナルティが完全に消化できない場合は1戦に限りペナルティが持ち越される
  • パワーユニットの分類
      パワーユニットは下記の6コンポーネントに分類:
         エンジン(ICE),運動エネルギー回生システム用MGU(MGU-K),熱エネルギー回生システム用MGU(MGU-H),
         エネルギー貯蔵装置(ES),ターボチャージャー(TC),コントロールエレクトニクス(CE)

    使用燃料量の制限
  • レース中の燃料の使用可能量は最大100 kg(スタートシグナルが消えて,チェッカーフラッグが振られるまで)
      正当な理由なく100 kgを超過した場合は,レース結果から除外される。
      ※燃料流入量は最大100 kg/h(テクニカルレギュレーションで規定)

    ギアボックス
  • 6戦連続使用の義務化(2013年は5戦連続使用)
      違反した場合は,5グリッド降格ペナルティ
      2014年に限って,明確なダメージがない場合でも,ドックリングおよび変速ギアの交換は年間5回まで認められる。


    2. Technical Regulations

    エンジンの変更
  • V6シングルターボ1.6Lエンジン(2013年まではV8自然吸気2.4Lエンジン)
      過給圧は無制限(燃料流入制限100 kg/hから過給圧は3.5 bar程度と予測)
      最高回転数は15,000 rpm(2013年は18,000 rpmまで)

    回生エネルギーの使用
  • ESからMGU-Kへのエネルギー放出可能量はは4 MJ/周(最高出力120 kW)(昨年までのKERSは0.4 MJ/周(最高出力60 kW))
      ※ドライバーはステアリング上で操作せず,パワーユニットプログラムでアクセルペダルの動きに連動させてエネルギーを放出
      ※MGU-KからESへのエネルギー回収可能量は2 MJ/周
  • ESとMGU-Hの回生/放出エネルギー可能量は制限なし

    最低重量
  • パワーユニットの重量増加に伴い,マシン最低重量は691 kg(2013年は642 kg)
      ※2013年までのV8エンジン最低重量: 95 kg,KERS重量は20 kg程度
      ※2014年からのパワーユニット最低重量: 145 kg,エネルギー貯蔵装置:20〜25 kgと規定
  • 2014年に限り,前後重量バランスも規定。前軸重314 kg以上,後軸重370 kg以上と規定。(前後比は昨年と同水準)

    リアブレーキの電子制御
     量産ハイブリッド車や電気自動車に搭載されている協調回生ブレーキと同じ機能。ブレーキによる回生エネルギー量が増加するため,回生時と非回生時では前後ブレーキバランスが大きく変化し,ブレーキ挙動が乱れて危険。この危険性を緩和するのが狙い。また,制動開始から制動終了までを電子制御することで,油圧ブレーキと回生ブレーキのバランスが良くなり,エネルギー解析が効率的に行える。制御の良し悪しがカーバフォマーンスに大きく影響する。

    エギゾーストのシングル化
     排気エネルギーを空力に活用しにくくする変更
     エギゾーストシングル出しのテールパイプは,車両中心線から+/- 100 mm,左右振れ角+/- 5度,上振れ角+5度がそれぞれ上限

    ギア8速化
     ギアレシオはシーズンを通じて固定とし8速化する。(昨年までは30種の中からイベントごとに選択し7速)
     2014年に限り,シーズン中1度のみギアレシオの変更が認められる。


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