
Last update: 2009/3/20 (Fri)
2008年12月12日モナコで今後のF1コスト削減について世界モータースポーツ評議会が開催された。決定事項は以下の通り:
世界モータースポーツ評議会によって以下のようなF1におけるコスト削減対策が決定された。これらの変更案はその作成に大きな役割を果たしたF1チームの全員一致の同意を得た。FIAはFOTA(Formula One Teams' Association)とその会長ルカ・ディ・モンテツェモロの貢献を感謝する。
1. 2009年に実施される対策
エンジン
エンジン寿命の倍増。レギュラードライバー2名がシーズン中使用できるエンジンは各々最大8基とし,テスト用には4基を使用できる。
(したがってチームあたり20基まで使用可能)
18,000 rpmの回転数制限。
内部の再チューニングは禁止。トランペットおよびインジェクターの調整のみ。
2008年11月5日に決定された3戦ルールは有効。
独立チームへのエンジンコストは2008年の価格の約50%とする。
2009年ルノーエンジンに対する変更案のリストについては全員一致で同意。その他のエンジンは変更なし。比較テストは不要。
テスト
レース週末に予定されたフリー走行を除いてシーズン中のテストは禁止。
空力学的研究
2009年1月1日以降,60%縮尺および50m/秒を越える風洞の使用禁止。
風洞による研究とCDF研究とのバランスをとる方法がチーム間で同意に達すれば,FIAに提出される。
ファクトリーの活動
地元の法律に従い,ファクトリーは年間6週間閉鎖する。
レース週末
「スポッター(監視員)」の必要性を排除するため,タイヤおよび燃料の情報の共有を含め,各種方法により人員を削減する。
競技的スペクタクル
予選の変更,ドライバーのポイントに変わるメダル制の提案など,各種の新アイデアに対する一般の反応を判断するために市場調査を実施している。市場調査の結果が判明した後,FIAに提案が提出される。
Note:
2009年のこれらの変更により,マニュファクチャラー・チームは2008年の予算に比べ約30%節約できると推定される。
独立チームの節約はさらに大きいだろう。
2. 2010年に実施される対策
駆動系
エンジンはシーズンあたり500万ユーロ未満で独立チームに提供される。
これは独立サプライヤーあるいはマニュファクチャラーチームによって,継続保証とともに供給される。
独立サプライヤーを使う場合は,契約は2008年12月20日までにサインすること。
2011年および2012年も同じエンジンを使用する(つまり2011年用の新エンジンはない)。
実用性を確認したあと,同じトランスミッションを全チームで使用する。
シャシー
シャシーの全部品のリストを用意し,各部品についてパフォーマンスの差別化要因(競争力の要素)があるかどうかの判断を下す。
パフォーマンスの差別化要因が残る部品の一部は,シーズン中に均一化する。
一部部品はパフォーマンスの差別化要因として残すが,安価な材料を使用する。
パフォーマンスの差別化要因ではない部品は画一化し,最も経済的な方法で購入あるいは製造する。
レース週末
標準化無線およびテレメトリ・システム
タイヤ・ウォーマーの禁止
機械的なタイヤの空気抜きの禁止
給油の禁止
レース距離あるいは時間の縮小の可能性(市場調査後に提案)
ファクトリーの活動
空力学的研究のさらなる制限
(垂直フォースリグ以外の)タイヤ・フォースリグの禁止
ファクトリー施設を完全に分析し,施設の更なる制限を提案する。
3. 長期的な課題
FIAおよびFOTAは,エネルギー効率(より少ないエネルギー消費からより多くの仕事量を得る)に基づき2013年用に全く新しい駆動系の可能性を調査する。このような駆動系の研究開発がエネルギー効率の高い乗用車に対する真の貢献となるよう規約を制定する。
強化された運動エネルギー回生システム(KERS)は将来の高エネルギー効率の駆動系にとって非常に重要な要素となる可能性が高い。短期的には,KERSは2009年規約の一部であるが,強制ではない。2010年についてはFOTAは標準化KERSシステムの提案を検討している。FIAはその提案を待っている。
2009年および2010年の競技規約,技術規約について更なる改正が承認された。完全な詳細は間もなくFIAホームページにて公開される。
2009年3月17日パリで開催された世界モータースポーツ評議会は,以下の決定を下した:
2010年規約 (予算)
2012年まで変更されない既存の規約の代替として,全チームは厳格なコスト制限内でマシンを製造・運営する選択肢を持つ。
コストの上限は3,000万ポンド(注:約40億円)である(今現在のレートでは約3,300万ユーロまたは4,200万ドル)。
この数字はあらゆる出費を含めたものである。
支給あるいは無料で供給されたものもすべて商業的価値の全額をコストとみなし,厳格な監査手続きを適用する。
コスト制約を受けないチームのマシンとこれらマシンが競争できるよう,コスト削減マシンはより多くの技術的自由が認められる。
主な技術的自由は以下の通り:
1. 空力学的に効率の高い(ただし標準的)アンダーボディ
2. 可動ウィング
3. 回転数制限あるいは開発凍結を受けないエンジン
コスト制限マシンが,既存の規約の下で走行するマシンと比較して有利にも不利にもならないことを保証するため,FIAはこれら自由の要素を調整する権利を有する。
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