[中国GP・プレビュー]
今期も残すところ,1戦となった。ドライバーズチャンピオンシップは既に確定しているが,コンストラクターズタイトルは,2ポイント差とかなりの接戦が繰り広げられている。信頼性のルノーが勝つのか,速さのマクラーレンが勝つのか。ミスをしたほうが確実に負けとなる。
・マクラーレンvsルノー
鈴鹿でルノーとマクラーレンの差が少し縮まったように見えた。ルノーは高速コーナーでマクラーレンに少し離される傾向があり,このサーキットは高速コーナーがほとんどなく,新スペックエンジン投入で,接戦の勝負になると思われる。
これまでの傾向と前戦の結果から考えて,1〜4位を,ライコネンがアロンソと,モントーヤがフィジケラと戦うことになるだろう。ルノーとしては2ポイントリードしているので,アロンソがライコネンに負けたとしても,フィジケラがモントーヤに勝てば,タイトルを獲得することはできる。したがって,フィジケラが勝負の鍵を握っているといっていいと思う。
・ピットストップ作戦は?
Fuel effectが大きいサーキットなので,おそらく全車2ストップ作戦でレースに挑むと思われる。
マクラーレン,ルノー勢の予選のタイムアタック順は,ライコネンは20番手,フィジケラ19番手,アロンソ18番手,モントーヤ2番手である。したがって,燃料積載量の傾向としては,ライコネンがルノー勢より3〜5周分多く積み,アロンソとPPを争うだろう。モントーヤがルノー勢と同じぐらいの燃料を積み,3列目までに食い込んでくるだろう。
上でも述べたように,フィジケラがモントーヤの後方からの追撃をしのぐことができるかが大きなポイントなる。
・他のチームは・・・
上位4台にはおそらくついていくことができないので,5位以下のポジションを争うことになる。フェラーリ勢は日本GPで試したバランスのいいタイヤを中国では使える可能性があるということで,それが使えればブラジルのときのように期待が持てる。
トヨタ勢は,日本GPからTF105Bを投入しているが,これまでの傾向は逆で,トゥルーリはこの車に全く満足しておらず,ラルフは非常に満足していた。この車は予選ではそれほど速くないようなので,これまで見られたトゥルーリの予選の会心のアタックは見られないかもしれない。
・実質4チームが終焉
BMWに買収されるザウバー,来期からミッドランドにかわるジョーダン,Red Bullに買収されるミナルディ,ホンダが完全に下部を買収したB・A・R。ルノーの2人のドライバーはミナルディ出身で,今回の買収で少し残念に思っているようである。また,ザウバーのマッサはこのチームで育ったということもあり,最高のレースで締めくくりたいと言っている。ザウバーチームは,運がよければ,ポイント獲得できるかもしれない。
中国GPでコンストラクターズタイトル争いはどのような結末を迎えるのか,大事な大事な最終戦である。
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▼予選セッションの結果(Qualifying Session Result) |
Pos |
No. |
Driver (Nat) |
Team |
Time |
Sector 1 |
Sector 2 |
Sector 3 |
出走順 |
Tyre |
1 |
5 |
Fernando Alonso (ESP) |
Renault |
1:34.080 |
24.873 |
28.488 |
40.719 |
18 |
MI |
2 |
6 |
Giancarlo Fisichella (ITA) |
Renault |
1:34.401 |
25.126 |
28.487 |
40.788 |
19 |
MI |
3 |
9 |
Kimi Räikkönen (FIN) |
McLaren |
1:34.488 |
25.052 |
28.528 |
40.908 |
20 |
MI |
4 |
3 |
Jenson Button (GBR) |
B・A・R |
1:34.801 |
25.197 |
28.565 |
41.039 |
16 |
MI |
5 |
10 |
Juan Pablo Montoya (COL) |
McLaren |
1:35.188 |
25.301 |
28.677 |
41.210 |
2 |
MI |
6 |
1 |
Michael Schumacher (GER) |
Ferrari |
1:35.301 |
25.539 |
28.782 |
40.980 |
14 |
BS |
7 |
14 |
David Coulthard (GBR) |
Red Bull |
1:35.428 |
25.588 |
28.716 |
41.124 |
15 |
MI |
8 |
2 |
Rubens Barrichello (BRA) |
Ferrari |
1:35.610 |
25.593 |
28.857 |
41.160 |
9 |
BS |
9 |
17 |
Ralf Schumacher (GER) |
Toyota |
1:35.723 |
25.488 |
28.699 |
41.536 |
13 |
MI |
10 |
7 |
Mark Webber (AUS) |
Williams |
1:35.739 |
25.278 |
28.737 |
41.724 |
17 |
MI |
11 |
12 |
Felipe Massa (BRA) |
Sauber |
1:35.898 |
25.561 |
28.915 |
41.422 |
11 |
MI |
12 |
16 |
Jarno Trulli (ITA) |
Toyota |
1:36.044 |
25.618 |
28.813 |
41.613 |
3 |
MI |
13 |
8 |
Antonio Pizzonia (BRA) |
Williams |
1:36.445 |
25.617 |
29.153 |
41.675 |
4 |
MI |
14 |
15 |
Christian Klien (AUT) |
Red Bull |
1:36.472 |
25.787 |
29.026 |
41.659 |
12 |
MI |
15 |
19 |
Narain Karthikeyan (IND) |
Jordan |
1:36.707 |
25.681 |
29.215 |
41.778 |
6 |
BS |
16 |
11 |
Jacques Villeneuve (CDN) |
Sauber |
1:36.788 |
25.700 |
29.482 |
41.606 |
8 |
MI |
17 |
4 |
Takuma Sato (JPN) |
B・A・R |
1:37.083 |
25.785 |
29.544 |
41.754 |
1 |
MI |
18 |
21 |
Christijan Albers (NED) |
Minardi |
1:39.105 |
26.484 |
30.295 |
42.268 |
5 |
BS |
19 |
18 |
Tiago Monteiro (POR) |
Jordan |
1:39.233 |
26.109 |
30.595 |
42.469 |
8 |
BS |
20 |
20 |
Robert Doornbos (NED) |
Minardi |
1:39.460 |
26.008 |
30.283 |
43.169 |
7 |
BS |
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[中国GP・予選コメント]
ルノーのフロントロー独占は今期初めて。マクラーレン勢はセカンドロー,サードローに位置付けており,後ろから勝利を狙う。フェラーリ勢がブラジルのときの勢いを取り戻したようで,6位,8位を獲得している。驚くべきはクルサードの7位で,開幕戦同様いいパフォーマンスが期待される。
・ルノーは軽め?マクラーレンは重め?
フリープラクティスセッションの感じからいけば,ライコネンが少々のミスをしてもPPを獲得しておかしくないタイムだっただけに,ルノー勢は軽めの作戦でフロンとロー独占を狙った。一方,マクラーレンはいつもの作戦をそのまま遂行した形で,ライコネンが一番遅くにピットインすることになると思われる。1stスティントではルノーに離されるが,2ndスティントで順位を逆転する作戦だと思われる。少々の卑怯な手ではあるが,フィジケラがマクラーレン2台の動くシケインとなってマクラーレン勢とアロンソとの差を広げるということも考えられる。(これも1-2体制ならではあるが)
・フェラーリvsB・A・R
ここ2戦ぐらいB・A・Rはタイヤがうまく合わず苦しんでいるだけに,フェラーリに越される可能性もある。今回フェラーリ勢はフリープラクティスの段階でいつもよりいいのが順位やタイム差から明らかで,あとはレース中のタイヤのタレがどうかという問題だけである。バトン,ミハエル,伏兵のクルサードあたりが5位を狙って争うことになりそうである。
フェラーリ勢は最近まあまあの重め燃料で予選を戦っているおり,バトンより重いこともあったので,ピットで抜かすことも十分に可能だろう。今期の特徴であるが,B・A・Rはトップスピードがいまいちで,フェラーリより5 km/h以上遅く,ミナルディよりも遅い。これではバックストレートで抜かされる可能性も大きい。
・琢磨の燃料積載量は?
高低差はほとんどないが,1周が長いので,燃料積載量がラップタイムに及ぼす影響はまあまあ大きい。また,1番手のアタックだったことから,上位進出は難しい。したがって,あのラップタイムからすると1ストップ作戦をチョイスしているのではないかと思われる。あるいは,変則2ストップ作戦で,レース中ごろに1回,75%終わったころにもう1回といった感じか。
・トヨタは苦しい
フリープラクティスのときからずっとトヨタ勢にはアンダーステアが付きまとっていて,改善がなかなかできなかった。ラルフが9番手とまだましなタイムを残しているが,ポイントをかけて争うことは今回は難しそうである。(ちなみにトップスピードは,トップのルノー勢から15〜20 km/hも遅い。ダウンフォースを稼いでもなおアンダーが出ているようである。)
コンストラクターズタイトルはどのように決着するのか,明日のレースがとても楽しみである。
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