[ベルギーGP・プレビュー]
昨年に引き続いて,このベルギーGPでドライバーズタイトルが決まるかもしれない。昨年はミハエルのベルギーまでの圧倒的勝利でベルギーも勝利でタイトルを決めるかと思われたが,タイヤの温まり具合が悪く,ライコネンに勝利を奪われた。しかし,表彰台には上り,タイトルは決定付けた。
・ドライバーズチャンピオン決定か?
今年の状況を整理すると,イタリアGPまでで
Drivers Points → アロンソ:103 pts,ライコネン:76 pts
Constructors' Points → ルノー:144 pts,マクラーレン:136 pts
となっている。残り4戦でアロンソは27 ptsのリードで,このGPでライコネンより4 pts以上多く稼げばタイトルが確定する。この状況はアロンソとしてはかなり楽である。しかし,コンストラクターのほうはうかうかできない状況にある。8 pts差はコンストラクターのほうならすぐにひっくり返せてしまう。残り4戦,マクラーレンの信頼性に問題がなければ,コンストラクターズチャンピオンはマクラーレンが獲得するのが濃厚である。
・マクラーレンとルノー
マクラーレンもルノーもほぼすべてのサーキットで速さを持っており,特に速いのがマクラーレン。しかし,マクラーレンは前戦でタイヤトラブルを抱えるなど速さはあっても安定性がない。スパはモンツァに比べて,タイヤのタレは小さいと思うので,モンツァで起きたようなトラブルは起こりにくいと考えられるが,その他の信頼性の面ではやはりマクラーレンは不確定要素が多い。
・復活なるかB・A・R
前戦イタリアGPでは,給油リグの問題から2人ともに影響が出てしまい,残念な結果となってしまった。B・A・RもGPが始まる前から言っていたが,今年のシャーシ自体はモンツァのようなダウンフォースを減らした超高速サーキットには合っていなかった。ベルギーは中〜高速サーキットなので,シャーシとサーキットとの相性は悪くないだろう。マシン&エンジンのアップデートで,今度こそルノーと勝負できるかがポイントとなってくる。
・トヨタとフェラーリ
ここ3戦ぐらいトヨタは波に乗って着実にフェラーリとの差を縮めてきている。残り4戦で8 ptsの差なので,現在のポテンシャルからいけば,トヨタ有利のような気もする。しかし,フェラーリとてそう簡単に引き下がるようなチームではない。イタリアGPで使用したタイヤはトルコGPで惨敗を喫したものと似たような(あるいはほぼ同じ)スペックだった。1週間で新しいタイヤを持ち込むのは不可能かもしれないので,このスパではなんとか耐えて,ブラジル以降で挽回の機会をうかがっているだろう…
・2ストップ作戦か,3ストップ作戦か
このコースもイタリアに引き続いて,スタートでのアクシデントが起こりやすいので,予選で前のほうを獲得することが求められる。しかし,ピットストップにかかるロスタイムがやや大きいので,今回もほとんどのチームが2ストップ作戦でくると思われる。このサーキットは1周が長いので,ピットストップのタイミングは1周,2周で大きな違いが生じる。周回数(全部で44周)をちょうど3等分した14周目あたり〜17周目あたりに1回目のピットストップを持ってくるチームが多いのではないだろうか。よいグリッドを獲得するために,フェラーリやウイリアムズあたりはもしかしたら,10周目ぐらいで1回目のピットストップを行うかもしれない。
・スパウェザーに注意
今年は一度も雨のレースが行われていないが,このコースは昨年ならば予選で雨が降って大混乱となり,グリッドも番狂わせが生じた。大雨ならばBSがやや有利と思われるだけに,フェラーリとしては是が非でも雨が降ってもらいたいところだろう。
個人的には,ベルギーGPには雨を少し期待したいのと,コンストラクターの1位−2位の争いと3位−4位の争いがポイントである。
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▼予選セッションの結果(Qualifying Session Result) |
Pos |
No. |
Driver (Nat) |
Team |
Time |
Sector 1 |
Sector 2 |
Sector 3 |
出走順 |
Tyre |
1 |
10 |
Juan Pablo Montoya (COL) |
McLaren |
1:46.391 |
29.143 |
47.193 |
30.055 |
20 |
MI |
2 |
9 |
Kimi Räikkönen (FIN) |
McLaren |
1:46.440 |
29.221 |
47.154 |
30.065 |
17 |
MI |
3 |
6 |
Giancarlo Fisichella (ITA) |
Renault |
1:46.497 |
28.821 |
47.762 |
29.914 |
18 |
MI |
4 |
16 |
Jarno Trulli (ITA) |
Toyota |
1:46.596 |
29.412 |
46.834 |
30.350 |
16 |
MI |
5 |
5 |
Fernando Alonso (ESP) |
Renault |
1:46.760 |
29.026 |
47.850 |
29.884 |
19 |
MI |
6 |
17 |
Ralf Schumacher (GER) |
Toyota |
1:47.401 |
29.481 |
47.568 |
30.352 |
15 |
MI |
7 |
1 |
Michael Schumacher (GER) |
Ferrari |
1:47.476 |
29.535 |
47.383 |
30.558 |
11 |
BS |
8 |
12 |
Felipe Massa (BRA) |
Sauber |
1:47.867 |
29.285 |
48.223 |
30.359 |
12 |
MI |
9 |
3 |
Jenson Button (GBR) |
B・A・R |
1:47.978 |
29.645 |
47.817 |
30.516 |
13 |
MI |
10 |
7 |
Mark Webber (AUS) |
Williams |
1:48.071 |
29.459 |
48.171 |
30.441 |
7 |
MI |
11 |
4 |
Takuma Sato (JPN) |
B・A・R |
1:48.353 |
29.626 |
48.286 |
30.441 |
5 |
MI |
12 |
14 |
David Coulthard (GBR) |
Red Bull |
1:48.508 |
29.533 |
48.581 |
30.394 |
6 |
MI |
13 |
2 |
Rubens Barrichello (BRA) |
Ferrari |
1:48.550 |
29.564 |
48.359 |
30.627 |
9 |
BS |
14 |
11 |
Jacques Villeneuve (CDN) |
Sauber |
1:48.889 |
29.353 |
49.037 |
30.499 |
10 |
MI |
15 |
8 |
Antonio Pizzonia (BRA) |
Williams |
1:48.898 |
30.651 |
48.671 |
29.576 |
14 |
MI |
16 |
15 |
Christian Klien (AUT) |
Red Bull |
1:48.994 |
29.575 |
48.839 |
30.580 |
8 |
MI |
17 |
20 |
Robert Doornbos (NED) |
Minardi |
1:49.779 |
29.623 |
49.217 |
30.939 |
3 |
BS |
18 |
21 |
Christijan Albers (NED) |
Minardi |
1:49.842 |
29.537 |
49.711 |
30.594 |
2 |
BS |
19 |
18 |
Tiago Monteiro (POR) |
Jordan |
1:51.498 |
30.039 |
50.283 |
31.176 |
4 |
BS |
20 |
19 |
Narain Karthikeyan (IND) |
Jordan |
1:51.675 |
30.129 |
50.171 |
31.375 |
1 |
BS |
Note: Fisichella receives 10 position grid penalty for engine change, therefore starts 13th. |
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[予選・コメント] 天候:晴れ 路面:dry(ところどころwet)
上位のグリッドは特に言うこともなく,いつもと同じ傾向であった。マクラーレンが速く,次にルノー,そしてトヨタ。しかし,マクラーレンにとっては,フロントロー独占は4年ぶりのことだとか…
2日目は1日目の雨から少し脱出して,路面がドライでの走行が行われたが,また明日のレースは雨の公算が大きい。そのあたりも含めて,今日のレースを考えてみたい。
・マクラーレンvsルノー
予選のタイム差からいけば,これまでのグランプリより差が小さいように思われる。しかし,ここで問題なのが,明日の雨に対するセッティングである。ウェットセッティングにすればするほど,ストレートのタイムが伸びないため,今回のGPだと,Sector 1とSector 3でタイムをロスすることになる。
イタリアならば,予選でも,マクラーレンはコンスタントに(=どのセクターでも)ルノーより速かった。今回は,マクラーレンは明日のレースを見据えて,やや少しウェット目にふってきているのが,セクタータイムとトップスピード計測から分かる。
したがって,雨が降ればマクラーレンに有利にはたらくことになると思われる。
・トヨタのセッティングは?
トヨタのセッティングは,タイムやスピードとラップからだけでは,いまいち汲み取りにくいが,どちらかというとウェットで少し燃料が軽めなのではないかと推測される。しかし,最近,トヨタは力をつけているので,1回目のピットストップは平均的なときに行うかもしれない。
・フェラーリはウェット寄りのセッティング
フェラーリはチーム監督もドライバーも言っているとおり,セッティングはウェットにふってきている。これはセクタータイム,トップスピードから明らかである。Sector 1,Sector 3はミナルディとほぼ同タイムであることも興味深い。雨が降れば,BSウェットタイヤの性能が発揮されるのか,大注目ポイントである。ミハエルよりもバリチェロのほうがウェットセッティングで燃料多めのコンサバティブな作戦のように感じられる。
・B・A・Rもウェット寄り?
このグランプリもトヨタ,フェラーリと争うことになると思うが,(何度もいっているように)基本的にはSector 1でのトップスピードが遅いので,ウェット寄りであると考えられる。これで燃料がトヨタより多めだとすると,完全な三つ巴の争いとなるだろう。
・その他気になるポイント
ザウバーはチームで作戦を分けてきており,マッサはドライ寄りのセッティング,ビルヌーブはウェット寄りのセッティングで,マッサは燃料は比較的軽いと思われる。ジョーダンとミナルディを比較すると,ミナルディ勢はドライ寄りのセッティング,ジョーダンはフルウェットセッティングであると思われる。タイム上はミナルディ有利かと思われがちだが,雨が降ればジョーダンにも上位進出のチャンスあり…?
このように各チームの燃料搭載量も不明かつセッティングもいまいちつかめないので,第1スティントのみならず,レース終盤まで展開がまったく読めない。雨が降れば混乱も予想されるだけに,選挙特番終了後の2:45からのスタートとはいえ,見逃すことはできない!!
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