Round 15  イタリアGP,モンツァ

Grand Prix of Italy, Monza
2005/09/02 (Fri) - 2005/09/04 (Sun)


 *コース概要+GP説明*        (日本との時差) -7h
コース  Autodromo Nazionale Monza
距離  5.793 km × 53 Lap - 0.309 km = 306.720 km
説明

特徴
 独特のキャラクターと雰囲気を持った、ヨーロッパで最古のサーキットであるモンツァ。緑の多い王立公園内にある全長5.793 kmのこのサーキットは、F1カレンダーに残された最後の高速サーキットでもある。地元フェラーリ一色の応援で、ここではマクラーレンも敵役。レティフィーロの突っ込みと、200 km/hオーバーのパラボリカは必見である。
 *コースレイアウト*


▼予選セッションの結果(Qualifying Session Result)
Pos No.  Driver (Nat) Team Time Sector 1 Sector 2 Sector 3 出走順 Tyre
1 9  Kimi Räikkönen (FIN) McLaren 1:20.878 26.161 27.543 27.174 20 MI
2 10  Juan Pablo Montoya (COL) McLaren 1:21.054 26.107 27.792 27.155 18 MI
3 5  Fernando Alonso (ESP) Renault 1:21.319 26.121 27.836 27.362 19 MI
4 3  Jenson Button (GBR) B・A・R 1:21.369 26.408 27.639 27.322 16 MI
5 4  Takuma Sato (JPN) B・A・R 1:21.477 26.373 27.875 27.229 12 MI
6 16  Jarno Trulli (ITA) Toyota 1:21.640 26.427 27.819 27.394 15 MI
7 1  Michael Schumacher (GER) Ferrari 1:21.721 26.539 27.878 27.304 4 BS
8 2  Rubens Barrichello (BRA) Ferrari 1:21.962 26.311 28.031 27.620 11 BS
9 6  Giancarlo Fisichella (ITA) Renault 1:22.068 26.735 27.855 27.478 17 MI
10 17  Ralf Schumacher (GER) Toyota 1:22.266 26.583 28.211 27.472 9 MI
11 14  David Coulthard (GBR) Red Bull 1:22.304 26.618 28.161 27.525 14 MI
12 11  Jacques Villeneuve (CDN) Sauber 1:22.356 26.625 28.142 27.589 10 MI
13 15  Christian Klien (AUT) Red Bull 1:22.532 26.442 28.223 27.867 13 MI
14 7  Mark Webber (AUS) Williams 1:22.560 26.508 28.413 27.639 2 MI
15 12  Felipe Massa (BRA) Sauber 1:23.060 26.813 28.404 27.843 3 MI
16 8  Antonio Pizzonia (BRA) Williams 1:23.291 26.830 28.708 27.753 1 MI
17 18  Tiago Monteiro (POR) Jordan 1:24.666 27.053 29.109 28.504 6 BS
18 20  Robert Doornbos (NED) Minardi 1:24.904 27.042 29.134 28.728 8 BS
19 19  Narain Karthikeyan (IND) Jordan 1:25.859 27.087 29.550 29.222 7 BS
20 21  Christijan Albers (NED) Minardi 1:26.964 28.670 29.577 28.717 5 BS
 Note: Kimi Räikkönen receives 10 position grid penalty for engine change, therefore starts 11th.

[予選・コメント]  天候:快晴  路面:dry

 このイタリアGPもマクラーレンが圧倒的な速さを見せ付けて,予選自体の結果は,ライコネン−モントーヤと1-2体制を築いた。しかし,マクラーレン特有の信頼性不足(今年は特にエンジン周りの信頼性がほかのチームと比べると相当低い)により,またライコネンは10番グリッド降格を余儀なくされた。予選が始まる前にエンジン交換をして作戦変更がされているので,しっかりガソリンを積んで予選を戦ったことは安易に想像される。モントーヤも他のチームより多めに積んでいると考えられ,それよりも3〜5周分多めに積んでの予選アタックだったとすれば会心の走りに他ならない。したがって,11番手からスタートして,スタートで数台パスして,1コーナーの混乱に巻き込まれなければ,表彰台の可能性すらあると思われる。

 イタリアGPはホームストレートあたりでのオーバーテイクは十分に可能なので,つっかえやすさは低いがやはりロスすることには間違いない。今回は表彰台の行く手を阻むものとして,B・A・R勢が挙げられるであろう。トゥルーリやフェラーリ勢はまだパスはしやすいと思うが,最近B・A・R勢は力をつけてきており,ホームストレートでもエンジンパワーがある。

 また,B・A・R勢はルノー勢に比べて第1スティントのガソリンを少し多く入れる傾向にあるので,予選のタイムで接近している以上に速く,ガソリンの量を多く積むという作戦がうまく機能すれば,バトン・琢磨のいずれか(もしくは2台とも)表彰台を獲得できると思われる。

 タイヤについては,ミシュラン勢は全チーム同じものを選択しており,チーム間でタイヤのたれが大きく変わることはない。したがって,レース前半の各車のラップタイムの差は,レース後半もそう変わることないと考えられるので,第1スティント〜第2スティントあたりが勝負の分かれ目となりそうである。

 フェラーリ勢だが,まだしも高速サーキットに適用できるブリジストンタイヤによって,予選順位はある程度の位置を確保することができた。前回のトルコに比べると比較的フェラーリ&BSに適したサーキットであるといえる。予選の走行順を考えると,ミハエルはややガソリンは軽めと考えられるが,フェラーリ勢もB・A・R勢同様ガソリンを多く積む傾向にあるので,今回はルノー勢並みのガソリン積載量か? 表彰台は厳しいが,ポイントは十分にかけて戦えるので,ここ数戦逃している2台入賞を果たしてほしい。


▼レース結果(Race Result)
Pos No.  Driver (Nat) Team Lap Pit Grid Tyre  Time / Retire
1 10  Juan Pablo Montoya (COL) McLaren 53 2 1 MI  1:14:28.659
2 5  Fernando Alonso (ESP) Renault 53 2 2 MI  +2.4 secs
3 6  Giancarlo Fisichella (ITA) Renault 53 2 8 MI  +17.9 secs
4 9  Kimi Räikkönen (FIN) McLaren 53 2 11 MI  +22.7 secs
5 16  Jarno Trulli (ITA) Toyota 53 2 5 MI  +33.7 secs
6 17  Ralf Schumacher (GER) Toyota 53 2 9 MI  +43.9 secs
7 8  Antonio Pizzonia (BRA) Williams 53 2 16 MI  +44.6 secs
8 3  Jenson Button (GBR) B・A・R 58 2 3 MI  +63.6 secs
9 12  Felipe Massa (BRA) Sauber 53 2 15 MI  +75.4 secs
10 1  Michael Schumacher (GER) Ferrari 53 2 6 BS  +96.0 secs
11 11  Jacques Villeneuve (CDN) Sauber 52 2 12 MI  +1 Lap
12 2  Rubens Barrichello (BRA) Ferrari 52 3 7 BS  +1 Lap
13 15  Christian Klien (AUT) Red Bull 52 2 13 MI  +1 Lap
14 7  Mark Webber (AUS) Williams 52 3 14 MI  +1 Lap
15 14  David Coulthard (GBR) Red Bull 52 2 10 MI  +1 Lap
16 4  Takuma Sato (JPN) B・A・R 52 3 4 MI  +1 Lap
17 18  Tiago Monteiro (POR) Jordan 51 2 17 BS  +2 Laps
18 20  Robert Doornbos (MON) Minardi 51 2 18 BS  +2 Laps
19 21  Christijan Albers (NED) Minardi 51 4 20 BS  +2 Laps
20 19  Narain Karthikeyan (IND) Jordan 50 4 19 BS  +3 Laps
 [Fastest Lap] Kimi Räikkönen (FIN), 1:21.504, Lap 39

[レース・コメント]  天候:快晴  路面:dry

今回のレースは,Pole to Winでモントーヤが勝利を収めたが,マクラーレンはいろいろな点で苦しむ一方,ルノーは手堅いレースを行い,マクラーレンに対するダメージは最小限に食い止めた。また,全車完走という1961年オランダGP以来の大記録となり,モンテイロも開幕からの連続完走記録を15に伸ばした。

・問題の多かったマクラーレン
 エンジン交換で11番手スタートを強いられたライコネンは,スタートで数台パスして,1周目終わりにシングルポジションで帰ってくるつもりだっただろうが,スタートでの出遅れとビルヌーブにしばらく抑えられて順位を上げることができなかった。
しかし,これによって,優勝の可能性がなくなったわけではない。
 一番問題になったのは,タイヤトラブルであり,1回目のピットストップの前に予選並みの速さでラップを刻んでいたことがタイヤを痛めることになった直接の原因かどうかは分からないとしてもその影響はある。このトラブルはモントーヤにも発生しており,MI勢はすべて同じタイヤを使っていてマクラーレンだけに問題が起こったことから,今回はマクラーレンのシャーシとタイヤのバランスがいまいちであったと考えられる。(それでも,あれだけの速さがあるからいいのだが)
 タイヤトラブルがなければ,1ストップ直後のタイム差がアロンソと25秒程度だったので,他車のピットストップによって,十分に2位にポジションアップし,モントーヤが譲れば1位を獲得できるというシナリオは描かれていた。
 このように,今年のマクラーレンからは全く運がなく,非常にロスが多い。
 次のGP以降もマクラーレンは明らかに速いが,とにかくトラブルなく走ることが必死である。ドライバーズタイトルは数字の上ではまだ可能ではあるが,かなり厳しいものとなった。コンストラクターズタイトルはまだ,マクラーレンにも十分チャンスがあるといえる。

・燃料重めのトヨタ
 いつもと異なり,B・A・Rより燃料重めの作戦を取ってきたため,予選では順位を下げていたが,レースになるとB・A・R勢より0.3秒以上早く,マクラーレン,ルノーに次ぐポジションだった。ラルフはセットアップに苦しんでいたため,予選のタイムは伸び悩んだが,レースでリカバーしてよい仕事を行った。コンストラクターズ3位が手に届くところまでやってきており,今後もアタックし続ければフェラーリを破ることが可能かもしれない。

・トラブル続きのB・A・R
 琢磨の燃料給油リグ問題で,燃料が入っていたにもかかわらず,緊急ピットインをする羽目になり,この時点で琢磨はポイント圏外へ脱落。また,その問題の影響でバトンのほうも燃料がどれだけ入ったかが分からなくなってしまい,予定より4周早くピットインする羽目となった。これによる影響は大きくないかもしれないが,8位を守るのがやっとのレースということで残念な結果に終わった。モンツァはやや特殊なサーキットであり,ベルギーからはマシンもアップデートされるので,残り4戦ではルノーとの戦いを演じてもらいたい。

・フェラーリは地元でむなしい結果に
 ミハエルは予選出走順位が4番手と厳しかったので,燃料が軽めであることは容易に想像できたが,バリチェロも次の周に入り,順位を争っていたまわりのチームが引っ張ったためにピットストップで順位を落とすことになった。バリチェロが1ポイント獲得できそうではあったが,左リアタイヤのパンクからポイント圏外となってしまった。トルコで用いたタイヤと同じものでは,ラップタイムもあがるはずがないので,次のベルギー以降ではタイヤのスペックをかえたものでバトルしなければ,トヨタに3位を簡単に明け渡すことになってしまう。

・ウイリアムズも復調
 ピッツォニアが代走でいい仕事をして,2ポイントを獲得した。今回は結果からも分かるように,1回目も2回目もピットストップを引っ張ったものが確実に順位を上げており,ピッツォニアもそのうちの1人である。ウェバーはアクシデントにより,ポイント圏外の走行を強いられたが,フリー走行からまずまず早かったので,次のベルギー以降でも,フェラーリの邪魔をしにくる存在となりそうである。

昨年のように,ホームストレートでのオーバーテイクは減ってしまい,ピット戦略が大きな役割を果たしたレースだった。 予選での燃料積載量の読みはまだまだ甘かった…



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