Round 4  サンマリノGP,イモラ

Grand Prix of San Marino, Imola
2005/04/22 (Fri) - 2005/04/24 (Sun)


 *コース概要+GP説明*        (日本との時差) -7h
コース  Autodromo Enzo e Dino Ferrari
距離  4.933 km × 62 Lap - 0.237 km = 305.609 km
説明

特徴
 フェラーリの本拠地マラネロに最も近く、熱狂的なティフォーシの聖地イモラ。一時は開催も危ぶまれたが、今年もヨーロッパラウンド開幕戦の舞台となった。真紅に染まるスタンドのすぐそばをF1マシンが駆け抜け、ティフォーシは今年もフェラーリの1-2フィニッシュを期待している。
 *コースレイアウト*


▼予選セッションの結果(Qualifying Session Result)
Pos No.  Driver (Nat) Team Total Time Qualifying 1 Qualifying 2 Tyre
Time 出走順 Time 出走順
1 9  Kimi Räikkönen (FIN) McLaren 2:42.880 1:19.886 18 1:22.994 20 MI
2 5  Fernando Alonso (ESP) Renault 2:43.441 1:19.889 20 1:23.552 19 MI
3 3  Jenson Button (GBR) B・A・R 2:44.105 1:20.464 8 1:23.641 16 MI
4 7  Mark Webber (AUS) Williams 2:44.511 1:20.442 16 1:24.069 17 MI
5 16  Jarno Trulli (ITA) Toyota 2:44.518 1:20.492 19 1:24.026 15 MI
6 4  Takuma Sato (JPN) B・A・R 2:44.658 1:20.851 7 1:23.807 11 MI
7 12  Felipe Massa (BRA) Sauber 2:44.930 1:20.593 15 1:24.337 14 MI
8 10  Alexander Wurz (AUT) McLaren 2:44.689 1:20.632 2 1:24.057 13 MI
9 8  Nick Heidfeld (GER) Williams 2:45.196 1:20.807 6 1:24.389 12 MI
10 2  Rubens Barrichello (BRA) Ferrari 2:45.243 1:20.892 13 1:24.351 10 BS
11 17  Ralf Schumacher (GER) Toyota 2:45.416 1:20.994 17 1:24.422 9 MI
12 11  Jacques Villeneuve (CDN) Sauber 2:46.259 1:20.999 11 1:25.260 8 MI
13 6  Giancarlo Fisichella (ITA) Renault 2:46.710 1:21.708 4 1:25.002 6 MI
14 1  Michael Schumacher (GER) Ferrari 2:47.244 1:20.260 5 1:26.984 18 BS
15 14  David Coulthard (GBR) Red Bull 2:48.070 1:21.632 14 1:26.438 7 MI
16 15  Vitantonio Liuzzi (ITA) Red Bull 2:48.155 1:21.804 1 1:26.351 5 MI
17 19  Narain Karthikeyan (IND) Jordan 2:52.099 1:23.123 3 1:28.976 4 BS
18 18  Tiago Monteiro (POR) Jordan 2:54.252 1:25.100 12 1:29.152 3 BS
19 20  Patrick Friesacher (AUT) Minardi 2:57.048 1:26.484 10 1:30.564 1 BS
20 21  Christijan Albers (NED) Minardi 1:25.921 1:25.921 9 No Time 2 BS

[予選1回目・コメント]  天候:くもり  路面:dry

 2005年のF1もいよいよヨーロッパラウンドに突入。このサンマリノGPからを皮切りに15週で10GPが開催される。
 予選1回目、タイムはかなり接近している。10位までが1秒以内という混戦である。ここまで、予選で苦戦していたマクラーレンがタイムを伸ばしてきた。これはミシュランに軟らかいコンパウンドを要求したためだと考えられる。Fly Awayの3戦からすると、気温・路面温度ともに普通の環境に戻り、タイヤには温度的にはやさしくなる。したがって、タイヤはやや軟らかめにシフトするはずである。
 2005年のレギュレーションでは、前戦の結果が予選1回目のタイムに大きく影響してくるので、今回もB・A・R勢やフェラーリ勢はややハンディを背負って予選を戦うことになっている。しかし、バトンのタイムから分かる通り、これはB・A・R勢、復活の兆しが見えたといっていいだろう。これでレースペースが安定していれば、今後も期待できる。

 フェラーリ勢については、ミハエルはセッティングが決まっていたようでここ3週間の改善からすると、かなりよいアタックだったと言える。一方、バリチェロはセッティングが煮詰まらずタイヤの温まりにも苦戦し予選1回目は厳しい戦いを強いられている。フェラーリの場合、レースペースはいいと考えられるので、予選2回目の結果にもよるが、ミハエルは優勝争い可能で、バリチェロもポイントは獲得できるだろう。ミハエルとアロンソのタイム差が0.4秒ほど,ウェバーとのタイム差が0.2秒ほどであり、サンマリノは奇数列が特に有利であることを生かして、ここはコンサバティブにグリッド3番手を狙ってくると思われる。また、ミハエルがソフトタイヤ,バリチェロがハードタイヤを選んだことでタイム差が生じたと考えられる。これはミハエルはセッティングが決まっているため、レース中のタイヤの磨耗をバリチェロより抑えることができる考えたからであろう。

 ザウバー勢は大活躍で、マッサの7番手は驚きである。ビルヌーブもいまだマッサよりも遅いが、タイム差は縮まってきている。残念なことにマッサはエンジン交換なので、予選10番手降格である。対照的にレッドブルは車のバランスはいいものの速さが全くない。

 トヨタについては、トゥルーリの事前評価どおり、ポイント獲得あたりが妥当なところだろう。車のバランスは決まっているが、少し早さが足りないといったところか。

 予選2回目の燃料積載量がグリッドに大きく影響を与えるので、各チームのどのような戦略をとるのか楽しみである。サンマリノはコース上では抜きにくいことを考慮すると、タイム差が接近している以上、アグレッシブな作戦(=燃料軽め)を取るドライバーが多いと思われる。

[予選2回目・コメント]  天候:くもり  路面:wet〜dry

 朝の降雨によってセッション開始時には若干コースが濡れた状態となっている。これによって、コースはグリーンな(=汚れた)状態に戻ってしまった。また、路面温度が低いため、ソフトタイヤユーザーが有利で、MI勢(MI勢のほうが温まりやすい)が有利である。コースはクルマが走れば走るほど乾く方向にあるため、後半のドライバーの方が有利である。したがって、前日からの順位の変動はあまり期待はできない。

 このセッションでの注目は、B・A・R勢。2人とも全セクターで前日よりポジションupできており、特にセクター3が早く、大きなポジションupにつながった。ただし、ポジションupのためのガソリン軽め作戦の可能性もあるが、ポールのライコネンもセクター3が早いことから、ライコネンとの燃料差はあっても1〜2周であると考えられる。逆にアロンソのほうが燃料は積んでいると思われ、3周程度の燃料差はあるかもしれない。

 フェラーリ勢は、ミハエルがセクター3で痛恨のミスを犯してしまい、予選14番手(グリッド13番手)となってしまった。これでは表彰台の望みは消えてしまうどころか、ポイント獲得すら危ない状態である。レースペースはいいので、何とか走りきって3ポイントあたり持って帰れればいいという感じか。

 マッサはエンジン交換で10番手降格のペナルティがあるため、予選2回目はやや燃料多めの走行を行ったと考えられる。レースペースはかなりいいが、追い越しの難しいサンマリノでポイント獲得できるか。


▼レース結果(Race Result)
Pos No.  Driver (Nat) Team Lap Pit Grid Tyre  Time / Retire
1 5  Fernando Alonso (ESP) Renault 62 2 2 MI  1:27:41.921
2 1  Michael Schumacher (GER) Ferrari 62 2 13 BS  +0.2 secs
3 10  Alexander Wurz (AUT) McLaren 62 2 7 MI  +27.5 secs
4 11  Jacques Villeneuve (CDN) Sauber 62 2 11 MI  +64.4 secs
5 16  Jarno Trulli (ITA) Toyota 62 2 5 MI  +70.2 secs
6 8  Nick Heidfeld (GER) Williams 62 2 8 MI  +71.2 secs
7 7  Mark Webber (AUS) Williams 62 2 4 MI  +83.2 secs
8 15  Vitantonio Liuzzi (ITA) Red Bull 62 2 15 MI  +83.7 secs
9 16  Ralf Schumacher (GER) Toyota 62 2 10 MI  +95.8 secs
10 12  Felipe Massa (BRA) Sauber 61 2 18 MI  +1 Lap
11 14  David Coulthard (GBR) Red Bull 61 2 14 MI  +1 Lap
12 19  Narain Karthikeyan (IND) Jordan 61 2 16 BS  +1 Lap
13 18  Tiago Monteiro (POR) Jordan 60 4 17 BS  +2 Laps
× 3  Jenson Button (GBR) B・A・R 62 2 3 MI  +10.4 secs
× 4  Takuma Sato (JPN) B・A・R 62 2 6 MI  +34.7 secs
- 21  Christijan Albers (NED) Minardi 20 1 20 BS  Hydraulics
- 2  Rubens Barrichello (BRA) Ferrari 18 2 9 BS  Electrical
- 9  Kimi Räikkönen (FIN) McLaren 9 1 1 MI  Driveshaft
- 20  Patrick Friesacher (AUT) Minardi 8 0 19 BS  Clutch
- 6  Giancarlo Fisichella (ITA) Renault 5 0 12 MI  Accident
 [Fastest Lap] Michael Schumacher (GER), 1:21.858, Lap 48

 Notes: Jenson Button and Takuma Sato disqualified from third and fifth respectively following a BAR
       weight infringement. Ralf Schumacher finished eighth, but dropped to 11th after a
       25-second time penalty for an unsafe manoeuvre in the pit lane.

[レース・コメント]  天候:くもり〜晴れ  路面:dry

・ルノー勢について … アロンソはレース後にエンジンのトラブルが週末続いていたことを明らかにした。フィジケラにもトラブルが発生しており、車は早く安定性もあるが、信頼性に欠けている。アロンソとミハエルのラスト10周のバトルは見物だった。アロンソは周回遅れに追いつかないようにペースを調整するなど、卓越した技術を持っていることを証明したと思う。

・B・A・R勢について … ようやくB・A・Rにとって開幕戦となったレース。バトンのスピードはファスティストラップから考えると、フェラーリの次でマクラーレンと同等程度だと考えられる。レース終盤はペースも安定して速かったが、序盤でアロンソ,ライコネンと離されていることを考えると、まだ優勝には遠い。ピットストップでのタイヤの様子から確認できるが、タイヤの使い方もここ3戦より随分よくなったようである。今年はタイヤ交換禁止なので、ピットストップを後に回すほどポジションアップが狙いやすい。今回もB・A・Rはその作戦を使ってきて見事に成功しているので、タイヤを酷使しない程度にこの作戦を使えばいいだろう。復調してきたところで、燃料タンク問題で2台とも結果末梢かつスペインとモナコに出られないのは非常に辛いと言える。

・フェラーリ勢について … 3週間のブランクでBSタイヤのポテンシャルが一気に上がり、ポテンシャルタイムでアロンソを1.5秒程度上回る走りを見せた。ミハエルは予選2回目のミスさえなければ、ライコネンと勝負していたかもしれない。ミハエルは第1スティントで27周走り、かなり引っ張った。2回目のピットストップをあと2周引っ張っておけば、ピットストップ後に1位で戻ってこれただろう。今後フェラーリは予選のペース(つまりはタイヤの改善)がポイントとなる。今後、予選1回目の結果から、作戦は大きく次の2つが考えられる。 (a) 予選1回目のタイムがよく、ポールが十分に狙えそうなときは、予選2回目の燃料は軽めにして、確実にポールを取り、逃げ切り作戦。 (b) 予選1回目のタイムが3rdロー程度に沈んだ場合、今回のように燃料を相当積んで、1回目のピットストップ前後でごぼう抜きする作戦。 これらの作戦をうまく使うことで毎戦表彰台獲得が可能であると思われる。

・トヨタ勢について … 1年で最も苦しむサンマリノをポイント獲得できたトヨタ勢。今回はトップスピードを犠牲にして、ダウンフォースを得る作戦に出ていた。レース序盤、トゥルーリが後続7台のふたをしており、ペースはザウバーより遅かった。ラルフはピットストップでの危険行為で25秒加算ペナルティを受けている。

・ザウバー勢について … 一気に空力面を改善してきたことがレースペースから明らかである。ビルヌーブのスタート直後のポジションアップが素晴らしく、6位入賞の鍵となった。マッサは後方でクルサードとバトルをしていて時間を取ってしまったが、一人になるとペースはかなりよく、B・A・R勢と匹敵するタイムだった。

・マクラーレン勢について … フェラーリ同様、第1スティント,第2スティントを引っ張る作戦に出て、見事に成功している。ブルツは予選の順位のため,トゥルーリに抑えられていたために表彰台争いができなくなってしまったが、速さはバトンと同レベルであった。



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