ルーター運用の基本・コマンドの使い方

      −−−−−設定変更と状態表示−−−−−

 (1)動作をつかさどる基本ソフト『IOS』
     シスコ製ルーターの動作をつかさどるのは、コンピューターで言うところのIOS
    である。「Cisco IOS」と言う名称のOSで、どんなCisco製ルーターにもインス
    トールされて出荷される。このIOSに各種コマンド文を打ち込むことで、ルーター
    の操作や設定ができる。
     シスコ製ルーターならどんな機種にもIOSが搭載されているので、ある機種で
    操作方法を一度覚えてしまえば、小型機種から大型機種までどの機種でも操作
    ・設定が出来るようになる。これは、シスコ製の特徴といえる。

     ルーターの動作原理、つまりIOSの動作原理を理解するには、まずシスコ製ル
    ーターの内部構造を覚えるのが手っ取り早い。ルーター内部は機種ごとに多少
    の違いはあるものの、基本構造はどの機種も同じである。

    Cisko製routerの内部構造 ←ここをクリックすると図が表示できます。
  

 【問題1】
      次の(1)〜(3)はそれぞれルーター内部のどの構成要素を説明したものか
     一つずつ選べ。
      (1)IOSを通常保存する場所
      (2)バックアップ用のコンフィグファイルを保存する場所
      (3)IOSを起動するブート/ストラップやミニIOSを保存する場所

      《回答群》 @フラッシュメモリ  ANVRAM    BDRAM
             CROM        
                                   〔回答は下記〕 

      @〜Cの選択肢のうち、もっとも重要な役割を担うのが、メインメモリーと呼ば
     れるDRAMである。IOSが稼動したり、ルーティングテーブルなどの各種設定
     情報を作成するのは、このDRAM上になる。
      LANやWANインタフェースを介してパケットを入出力する際に生成する一時
     バッファもDRAMに作成される。ただ、RAMは通電を止めると全て消えてしま
     う特性を持つので、IOSはフラッシュメモリーという書き換え可能な一種のROM
     に保存しておき、起動時にRAMにロードする仕組みである。

      IOSにRAMをロードする役割を担うのが、ROMに格納されているブート・スト
     ラップというプログラム。ルーター起動時に動作する。ROMの中には、万が一
     フラッシュメモリー中のIOSが壊れたときの為に、リカバリ用のミニIOSも保存
     してある。
      RAMにロードされたIOSは今度はNVRAMと呼ぶまた別のメモリー上に保存
     してあるコンフィグ・ファイルを読み込む。 コンフィグ・ファイルには、 ユーザーが
     ルーターに対してコマンドで設定した情報が格納してある。
      コンフィグ・ファイルを読み込むのは、ユーザーごとの個別環境に合わせてセッ
     トアップする為である。NVRAMもフラッシュ・メモリーと同じく、通電を止めても
     情報が消えない。

      このようにルーターには、いくつかのメモリーが内蔵されていて、それぞれに
     保存される内容が異なる。以上の内容は暗記して欲しい。
        
      『問題1の解答』 ---- (1)は@   (2)はA   (3)はC
                 

     
     最初はパソコンを直結して設定

   内部構造がわかったら、次は実際にルーターを箱から出してセットアップする方法
  を覚えよう。 シスコ製ルーターを購入すると、本体の他にパソコン接続用のケーブル
  と変換コネクタが付いてくる。 ルーターに設定を施す場合は、この付属ケーブルでパ
  ソコンをルーターに接続する。 接続の仕方はルーターのコンソールポートに付属ケー
  ブルの片側を差込み、ケーブルの反対側に変換コネクタをつけてパソコンのシリアル
  インタフェースにつなぎ込む。このルーターのコネクタはパソコンのコネクタと使用が異
  なる。変換コネクタはその違いを解消する為に用意されている。

   さて、物理的な接続はこれでOKだ。次にパソコンで動く通信ソフトを立ち上げる。
   WINDOWS95/98なら、「ハイパーターミナル」という通信ソフトが標準搭載してあ
  るので、それを使うのが手っ取り早い。通信ソフトの設定は「8ビット」、「パリティなし」
  「9600ビット/秒」にしておこう。通信ソフトを起動して、エンター・キーを押せば、ル
 −ターのメッセージが画面に表示される。
   なお、ルーターを一度セットアップしてしまえば、あとはLAN経由でTelnetしても
  設定できる機能が備わっているので、日常的には遠隔から設定することになる。

    三つのモードがある

   通信ソフトを起動して最初のメッセージが表示されたあと、いくつか初期設定を施
  すと、いよいよコマンドを入力できる環境が整う。 具体的には「Router>」といった
  プロンプトと呼ぶコマンドを促す文字列が表示される。
   最初にいっておくと、コマンドには省略形が用意されている。ルーターの設定中に
  コマンドの構文を忘れてしまったら、便利なHelp機能をつかうといいだろう。
   プロンプトに「?」を入力すれば、入力できるコマンドの一覧が表示される。また、
  コマンドの使い方を忘れたときは、そのコマンドに続けて、空白と「?」を入力する。
  こうすると、そのコマンドを使う際の構文やオプションが表示される。このHelp機能
  は是非覚えておきたい。

   いよいよコマンドを入力して設定していくわけだが、一番戸惑うのがモードの存在
  だろう。 それぞれのモードで出来ることが異なっているので、必要に応じて適切に
  モードを切り替える必要がある。どのモードで何が出来るのかをしっかり覚えておか
  ないと、せっかくコマンドを入力しても受け付けてくれない状況に陥ってしまう。

   ここで次の問題をといてほしい。

 【問題2】

      モードの説明として正しいものを一つずつ選べ。
    
    @特権モード
    Aグローバル・コンフィグレーション・モード
    Bユーザー・モード

   (A)ルーターのコンフィグファイルを変更する。
   (B)ルーターの基本情報を見る。
   (C)ルーターのコンフィグファイルの内容が閲覧できる。

                                    〔回答は下記〕   

   まず、モードは三つあることを覚えておこう。