恐怖のみそ汁(きょうふのみそしる)

 

その日は、朝から曇ったくらい日だった。

風もなま暖かく、

窓を時々ガタガタと、震わせていた。

 

 

太郎くんは、そんな朝にもかかわらず。

元気に食卓に着いた。

「お母さん、今日のおみそ汁はなあに?」

 

 

お母さんは、太郎くんに背中を向けたまま、

返事もしなかった。

そう言えば、まだお母さんの顔も見ていない。

「ねえ、おかあさん。」

もう一度呼んでみた。

お母さんは、ゆっくり振り返って、

にやっと、笑った。

太郎くんは、ゾクッっとした。

ひょっとしたら・・・・・・・・

ひょっとしたら・・・・・・・・

 

 

お母さんは、ご飯を太郎くんの前に並べだした。

そして、おみそ汁が・・・・・・・・・・

 

 

「やった〜今日は、麩(ふ)のおみそ汁だ〜。」

「今日ふのみそしる」

「きょうふのみそしる」