蛇の怨念(へびのおんねん)

 

へびは昔から、執念深い生き物と、

人々に恐れられている。

へびにそんな力はないと思うが、

その風貌が実に不気味だ。

生命力もあって、殺そうとしてもなかなか死なない。

 

 

大阪の、ある神社にこのへびをまつっている神社がある。

 

 

たまたま、その神社の宮司(ぐうじ)さんに、話を聞くことがあった。

「ここは、へびを待つっているんですね。」

「そやで、へびは守り神や。」

「ご神体が、あったりするんでしょうか?」

「あんねん。ちょうどいい。見せたろ。」

言うなり、宮司さんは奥の社の方に案内してくれた。

 

 

暗い社の中に入ると、かびくさいしめった臭いがした。

「この中に、へびのご神体がいるんですか?」

 

 

宮司さん、大きめの木箱を取り出しながら、

「ここに、へびのおんねん」

「へびのおんねん」

 

(注:関西地方では、しばしば「が」を「の」と言うことがある。)