青い血(あおいち)

 

ごくふつうの家庭に、その日もいつもと変わらぬ朝が来た。

 

ただ少し変わっていたのは、何か薄暗いどんよりとした天気だだった。

それでも、太郎君は元気に学校に行こうとしていた。

太郎君は小学4年生。

元気な男の子だった。

いつも、時間ぎりぎりに起きる太郎君は、今日も急いでいた。

「お母さん、トースト食べるから牛乳も早くちょうだい。」

お母さんは、その言葉を聞いて不気味に笑った。

そう、なぜか不気味に。

 

 

「はいはい、牛乳ね。」

太郎君は、お母さんの顔を見ていなかった。

トーストを一かじりすると、

その牛乳を一気に飲んだ。

 

 

その時、太郎君の口から

「ああ、おいち」

「あおいち」