赤い手・青い手(あかいて・あおいて)

 

その電車に会社の上司と部下らしい二人が乗ってきた。

上司の方は先に乗り込むなり、

空いている席がないか見回した。

 

ところが、

 

あいにく空いている席は一つもなかった。

仕方がないので、奥の窓際の方に進んだ。

部下も上司について奥の方に行った。

 

と、突然上司の背中に何かの刺激があった。

「あっ、かいて。」

部下に背中をかいてくれと言うのだ。

ところが、部下は大きな荷物を両手に持っていた。

上司も気が付いたらしく。

「あっ、置いて」

 

 

「あかいて」「あおいて」 チャンチャン