「はぁっ、はぁっ、は……っ」
「……大丈夫、か」
抱えあげられ、抱き起こされる。
髪を撫で、息を整えられるように背中を撫でてくれるのだが、
そのままだから、また、素っ頓狂な声をあげてしまう。
「ひゃぁっ……」
「うぇっ?!」
「あ……」
イクところまではいかなかったものの、自分の重みで、身の内の楔を食い込んでしまい、寒気が走った。
「な、なんつー声上げんだよ…」
「…キ、ミが…ッ」
こんな状態で、こんなことするからだ…と言う言葉は出せず、ただ、収まるのを待つように、
腕をまわしてぎゅっと肩を掴むだけだ。
「……石田」
「動くな」
一度達したとはいえ、まだまだ硬度は高い。
身の内で感じているし、今までの経緯で思い知っている。
でも、まだ……受け入れるには。
「もう、ちょっとま……な…ッ…」
「……駄目だな」
若けーから。
それが言い訳として成り立つか判らないが、相手はそのまま…揺さぶりをかけてくる。
「だ、から、待て…って……っぁ…」
「………待てねーよ」
「なっ……あ…ぁ」
「…諦めろ」
腰を掴まれて背中を撫でられた途端、力が抜けて。
しばらく、泣かされる羽目になった。
目が覚めたら、オレンジ頭が覗き込んでいた。
辺りは暗くて…電気の明かりが、妙に眩しかった。
「…起きれっか?」
「………無理だよ」
「…だよなぁ……」
「だよなぁ、じゃないよ、だよなぁじゃ! あー流された自分が恨めしい…」
布団に突っ伏して、石田はぼやく。
身体は綺麗に清められたが、自分でした記憶はない。
服も片付けられ、今の自分の姿はというと、パジャマだ。
ということは。
「……またいいように、君に身体を弄ばれたのか、僕は…」
「弄ぶって、お前なぁ! こっちは理性総動員して、もうやめとこって我慢したのによ、何だその言い草はぁ!」
真っ赤になって黒崎は返す。
「…最初から加減すればいいことだろ?」
「………出来たら苦労するかよ」
突っ伏して返す黒崎に、呆れた溜息で、石田は返した。
「…とりあえず」
「…なんだよ」
「動けないから…なんか作って」
「…………おう」
上目遣いに言われて、どきりとしたが、何とか理性で押さえつける。
これ以上の無体は…本当にやったら、射殺される。
「…なんでもいいよ、君の作れるもので」
冷蔵庫にあるもの使って、考えなよ。
「ただし、食べられるものにしてくれないかな」
「……はいはい。休んどけよ」
「言われなくても」
ほんっと、かわいくねーの呟きを聞きながら、また、石田は布団に寝転がる。
畳の上の行為とはいえ…背中は痛い。
奥底の重みと、まだ…麻痺してるような感覚に赤くなりつつも、天井を見る。
“…参ったなぁ…”
困った、と思いつつも、困っていない、嵐の夜のことだった。
END