トランジスタ回路


エミッタ接地回路



 交流信号としてみた場合直流電源は無視することができ、エミッタが入出力間の共通端子になっているので、エミッタ接地回路と言う。

 現在では最も多い接続方法でしょう。
電気関連の試験でも、ほとんどの場合エミッタ接地回路に関する問題が出題されているようです。

 特徴
電圧増幅度が大きい(数百〜千倍程度)
電流増幅度が大きい(数十倍)
電力増幅度が大きい(数千倍)
入力と出力の波形が反転する(逆位相になる)
入力インピーダンスは中くらい(数百〜数千Ω)
出力インピーダンスは中くらい(数十kΩ)

 電圧増幅度は出力電圧÷入力電圧で計算し、一般にはAv で表す。
 電流増幅度はhfeと同じで、Ai で表す。
 電力増幅度は、出力電力÷入力電力で、Ap で表す。


ベース接地回路

 交流信号としてみた場合直流電源は無視することができ、ベースが入出力間の共通端子になっているので、ベース接地回路と言う。


 現在ではあまり使われることはありませんが、その特徴からインピーダンス変換回路などに使われます。

 特徴
電圧増幅度が大きい(数百倍)
電流増幅度は小さい(ほぼ1)
電力増幅度は中くらい(数百倍)
入力と出力の波形は同じ(同位相で出力される)
入力インピーダンスは低い(数十Ω)
出力インピーダンスは高い(数百kΩ)


コレクタ接地回路
(エミッタホロワ回路とも言われる)



 交流信号としてみた場合直流電源は無視することができ、コレクタが入出力間の共通端子になっているので、コレクタ接地回路と言う。

 入出力インピーダンス特徴から、前段または後段に接続される回路にやさしい回路になっています。

 特徴
電圧増幅度は小さい(ほぼ1)
電流増幅度が大きい(数十倍)
電力増幅度は小さい(数十倍)
入力と出力の波形は同じ(同位相で出力される)
入力インピーダンスは高い(数百kΩ)
出力インピーダンスは低い(数十Ω)

 入力インピーダンスが高いということは、前段の回路からはあまり電流をもらわないのですが、出力インピーダンスが低いので、後段の回路には多くの電流を供給できるといえます。