複雑に見える接続の合成抵抗 その2

例題 その2)
 図-1に示す回路において、端子a−b間の合成抵抗を求めよ。



図-1



解答)
 この回路の場合、前問のように抵抗の接続点をずらす方法では、答は出せません。
 では、どうするか?


 この時、真ん中の5Ωがない時に、a-b間に90Vの電圧がかかっていたとしてみます。
 それでは、この時にそれぞれの両端電圧はそれぞれ何Vになっているか考えてみましょう。

4Ωの両端電圧=60V
2Ωの両端電圧=30V
6Ωの両端電圧=60V
3Ωの両端電圧=30V

というように、それぞれの抵抗の両端電圧が求められます。(オームの法則で簡単に出ますね。)
 ここで、注目してほしいのが、「c」点と「d」点の電位差です。
 先ほど求めた各抵抗の電圧のなかで、4Ωの両端と6Ωの両端が共に60Vになっていますので、c-d間(5Ωの両端)の電位差が0Vになっています。
 電流は高い電位から低い電位にしか流れませんので、 この間に抵抗があっても電流は流れません。
 ゆえに、この回路では5Ωの抵抗を無視することができますので、下図の回路と同じであるとみなすことができます。

あとは普通に合成抵抗を求めれば良いので、答は3.6Ωになります。

※図-1のようなブリッジ化された回路があった場合、「抵抗値をたすき掛け(4×3 と 6×2)してイコール」になれば、ブリッジのバランスが取れている状態となり、真ん中の抵抗には電流が流れず無視することができます。