練習問題の解説


問題 1.

 下図において、ab間の合成抵抗は何Ωか?


 
 a-b間の合成抵抗を考えるとき、計算の妨げになると思われるのは縦に入っている5Ωの抵抗だと思います。
 しかし、よく見ると5Ωの抵抗の上部接続点は、右のほうにずらしていくことが可能ですね。
 回路を見やすく変形すると5Ωの抵抗は20Ωの抵抗と並列になっていることがわかります。(下図参照)



 このように変形ができれば、あとは並列接続と直列接続のそれぞれの抵抗の求め方を利用すれば合成抵抗を求めることができます。
 この場合は、まず5Ωと20Ωの並列接続の合成抵抗を求め4Ωとなる。
 次に、8Ωと先ほど求めた4Ωの直列接続の合成抵抗を求める ⇒ 12Ω
 さらに、回路上部の4Ωと先ほどの12Ωで形成される並列接続の合成抵抗を求める ⇒ 3Ω
 最後に、この3Ωと端子a横の6Ωの直列接続の合成抵抗を求めると端子a-b間の合成抵抗値 9Ω が求められる。

問題 2.

 下の図においてR2 に4A(アンペア)の電流が流れたとき、この回路の電源電圧E は何V(ボルト)か?
 ただし電池の内部抵抗は無視するものとする。


 まず、R2 に流れる電流と抵抗値から、R2 の両端電圧を求めます。 ⇒ 4×15=60(V)
 R2 の両端電圧60(V)はそのまま、並列接続されているR3 の両端電圧でもありますので、R3 に流れる電流を求めることができます。 ⇒ 60÷10=6(A)

 R3 に流れる電流が計算できたら、「R2 に流れる電流とR3 に流れる電流の和」がR1 に流れる電流であるので、R1 に流れる電流は ⇒ 4+6=10(A)と求めることができる。
 R1 に流れる電流が計算できたら、R1 の両端電圧も簡単に計算できます。 ⇒ 10×6=60(V)
 電源電圧E は、「R1 の両端電圧とR2 (またはR3 )の両端電圧の和」であるので 60+60=120(V)となる。


問題 3.

 下の図に示す回路において、抵抗R2 に流れる電流が3Aのとき、電源電圧E は何V(ボルト)か?
 ただし電池の内部抵抗は無視するものとする。


 求め方は、問題2と同じです。
 答えは22(V)になります。


問題 4.

 下の図に示す回路において、端子a-b間の合成抵抗がR3 に等しく、R3 の両端電圧が端子a-b間の1/3であるとき、抵抗R2 は何Ω(オーム)か?



 これは、電圧と抵抗値の比率で計算すれば簡単ですね。
 a-b合成抵抗が20Ωなので、「R2R3 の合成抵抗」をRとすると、RR2 または R3 でも同じ)の抵抗値はになることが判ると思います。 ⇒  ⇒  ⇒ 
 このR の値を「R2R3 の合成抵抗」を求める式に当てはめると、となるので、R2 =10(Ω)というのが計算できます。


問題 5.

 下の図において電圧計Vの読みが25Vであるとき、端子a-b間の電圧は何Vか?
 ただし、電圧計の内部抵抗は非常に大きく、電池の内部抵抗は無視するものとする。



 ややこしそうに見えるのですが、まず12(Ω)2本の並列接続の抵抗を1本の抵抗としてみましょう。
 すると、下図のように回路を考えることができます。

 

 ここまで、回路がわかりやすくなると簡単ですね。
 求めたいa-b間の電圧をVとすると 25:V=10:4 となりますので、V=10(V)と簡単に算出できます。