ダイオード

図-1

 ダイオードは、図-1のように、P形半導体とN形半導体を接合して、それぞれの半導体からリード線を出した2端子の半導体です。
 回路記号は図-2のように書き、2つの端子をそれぞれ「アノード」、「カソード」と呼びます。
 細かい動作は置いておいて、「ダイオードはP形半導体(アノード)からN形半導体(カソード)の向き(順方向という)にしか電流が流れない」ということを覚えておいて下さい。
 ただし、順方向電圧を加えても、ダイオードは0.3V〜0.6V(材質によって異なる)の間電流が流れない領域があることと、逆方向電圧でも規定以上の電圧(材質により異なる)を加えると急激に電流が流れる性質を持っていることに注意が必要です。
 順方向電圧を加え、0V〜電流が流れ始めるまでの領域を「拡散電位」や「接触ポテンシャル」といい、逆方向電圧を加えた時に急激に電流が流れる規定の電圧以上を「降伏領域」という。


図-2

ダイオードの種類(一部抜粋)
整流用ダイオード
 材料には、主にシリコンを使い逆方向電圧の耐圧を高くしています。
 家庭用の交流を直流に変えるためなどに使用します。

図-3
 図-3のようにシリコンダイオードを4つ組み合わせて交流を全波整流する目的で使用するもので、ワンパッケージ化されたものを、特にブリッジダイオードと呼びます。
定電圧ダイオード
(ツェナーダイオード)
 逆方向電圧の耐圧を低くし、降伏領域を低くすることによりダイオードの端子間電圧を比較的低い電圧で一定に保つ目的で使用されます。
 ただし、逆方向に何V掛けても良い訳ではなく、定格電力が設定されているので厳守しなければならない。
 定格電力をP、端子間電圧をVとした時ツェナーダイオードに流すことのできる電流 I はで求めることができる。
発光ダイオード
(LED)
 順方向電圧を掛けると、PN接合の接合面が発光するダイオード。
可変容量ダイオード
 逆方向電圧を加えると、PN接合の接合面の絶縁層(空乏層という)が広くなり、これが一種の静電容量とみなすことができるので、逆方向電圧の大きさによって容量の変化するコンデンサとして使用できるようなダイオード。