直流の直列回路

 直列回路を考える上で重要なことは回路を流れる全電流 は回路のどの点を見ても同じであるということ。

 それゆえに、直列回路の問題を解く場合は、電流を基準にして求めていく場合が多くなります。

左図のような回路図があった場合、回路の合成抵抗(回路全体の抵抗値)R R = R1 + R2 になります。

 また、電圧に関しては、回路全体の電圧(電源電圧)を V とした場合
V = V1 + V2V1V2 はそれぞれ抵抗R1 R2 にかかる電圧)となり、それぞれの抵抗にかかっている電圧は全電圧を抵抗値の比率によって分けた電圧になります。

 それに対して回路を流れる電流というと、 I = I1 = I2 で、直列回路の場合流れる電流は常に一定になっています。

 これらの、抵抗値、電圧、電流の関係を実際に数値を入れて確かめてみます。

  R1= 40ΩR2= 60Ω、電圧V100Vとしたときのとき、それぞれの抵抗にかかる電圧と電流をオームの法則を使って計算してみましょう。

電流 I は電圧V ÷合成抵抗R ですので    I = 100÷(40+60) = 1(A)
R2 の両端電圧はR2 の抵抗値×R2 に流れる電流 V2 = 60×1 = 60(V)
R1 の両端電圧はR1 の抵抗値×R1 に流れる電流 V1 = 40×1 = 40(V)

 電源電圧は 100Vですが、R1R2の両端電圧がそれぞれ40V60V となっており 全電圧は(R1 の両端電圧)+(R2 の両端電圧)を足した値になっていることが分かります。

 直列回路の場合、各抵抗にかかる電圧と抵抗値の比率は R1 : R2 = V1 : V2 になりますので、抵抗に流れる電流が分からなくても抵抗にかかる両端の電圧は下の式で求めることができます。