例題の解説

 まず、合成静電容量を求めるために回路を変形してみましょう。

 上図の回路の並列接続されたコンデンサは、合成容量として左図のように8(μF)と6(μF)のコンデンサが直列接続されたものと同じであると考えることができます。
 さらに、2つのコンデンサが直列接続されている場合の合成静電容量を求めると、となります。
 ここで、これらのコンデンサに蓄えられる電荷を計算すると、Q = CV(それぞれ単位はF(ファラッド)、V(ボルト) の関係から、となります。

 さて、ここからですが・・・・・
 合成したコンデンサの静電容量全体にはの電荷が蓄えられていることがわかりました。
 ここで、上図の8(μF)と6(μF)に分けた場合のそれぞれに蓄えられている電荷を考えてみましょう。


 直列に接続されたコンデンサの両端に左図に示すようにプラスの電荷と、マイナスの電荷が蓄えられていますが、ここで、接続点bに注目してください。
 コンデンサが直列に接続されて電荷が蓄えられている場合、接続点のプラス電荷とマイナス電荷の量は同じでなければなりません(というか接続点におけるプラス電荷とマイナス電荷のバランスが崩れることはありません。)。
 ということは、左図のb点では電荷は打ち消されることになり、a-c間で電荷を考えた場合にとなっているとき、a-b間だけで見た場合とb-c間だけで見た場合でも、静電容量とは無関係に、の電荷がそれぞれのコンデンサに蓄えられる事になります。
 ※全体にの電荷を蓄えていても、コンデンサの容量比率で電荷が分かれたりしないことに注意してください。
 上記のことから、b-c間に加わる電圧を計算すると、となります。
よって、答は80(V )が正解になります。

 ちなみに、並列接続されたコンデンサには、蓄えられる電荷量は静電容量の比率で分かれますので混同しないようにしてください。
 上記の例だと、C3とC4にはそれぞれ、の電荷が蓄えられています。