単素子で構成される交流回路

 交流回路にコイルやコンデンサがある場合、理解しにくいかもしれませんが電圧と電流の位相にずれが生じます。
 交流回路を考える場合、そのずれをベクトル表示で表します。

 具体的には、下記で説明します。



1.抵抗だけで形成される交流回路。
 抵抗だけの交流回路の場合、直流回路と同様にオームの法則が成り立ち、回路を流れる電流は電圧と同相である。

 抵抗だけの回路が、交流回路の出題で出てくることはまずありませんので、あまり考える必要もないのですが。
   電流も電圧も位相にずれが生じないため同じ方向のベクトル表示をする。



2.コイルだけで形成される交流回路。
 コイルのみの交流回路の場合、 が成り立ち(で表すことができる。XLを誘導性リアクタンスと言い、単位は「Ω」を使う)、回路を流れる電流は電圧より(90゜)位相が遅れる。
 (電圧は電流に対して(90゜)位相が進む)
   ベクトル表示をすると左図のようになります。



3.コンデンサのみで形成される交流回路。
 コンデンサのみの交流回路の場合、 が成り立ち(で表すことができ、XCを容量性リアクタンスと言います。単位は「Ω」を使う)、回路を流れる電流は電圧より(90゜)進む。
(電圧は電流に対して(90゜)位相が遅れる)
  ベクトル表示をすると左図のようになります。