安全のために知っていて欲しいこと




家庭用コンセントをよく見ると長さが違うことがわかります。


短いほう:少しですが電圧が出ている
 これは、コンセントからテスターを通って電気が体に流れていることをあらわしています。
 

長いほう:電圧が出ない
 こちらでは体に電気が流れません。

家庭用電源は交流なのでプラス/マイナスの区別はありませんが、家庭用コンセントにも極性があります。

 感電するしくみ
  もちろんコンセントの右側と左側を同時にさわると体に電気が流れますので感電するのですが、片側しか触れていないのに感電することもあります。
 それは、電気の流れ方に理由があります。

 一般の家庭に供給されている電源は開けてみると分かるのですが、「黒い線」と「白い線」が入っています。
 家を施工したときの電気工事業者が正しく電気工事を行なっていた場合、「白い線」には触っても感電しないのですが、「黒い線」は感電する恐れがあります。(場所、人,正確には人体の抵抗値によりますが)
 それはどうしてかというと、「白い線」側は電柱で大地に接地(アース)されており、「黒い線」側は何もされていないからなのです。
 じゃあ、なぜ接地されている側は感電しないのでしょう。
 もう判りますよね、「白い線」側は大地と同電位なので、人が「白い線」を触っても電位が同じだから、体の中を電気が通って大地に流れるということができないからなのです。
 電気は電圧の高いほうから低い方にしか流れませんので。

 それに対して、「黒い線」は大地と100V(ボルト)の電位差がありますので、「黒い線」を触った場合、場合によっては電気が人体を通って大地に流れてしまいます。
 つまり、感電したということですね。

 上の写真のコンセントように「長いほう」=「白い線」は接地側、「短いほう」=「黒い線」は非接地側に施工するように決められていますので、コンセント交換するときは好き勝手に配線してはいけません。



このように工事が正しく施工された住宅であれば、「白い線」なら基本的には触ってしまっても大丈夫です。
黒い側は感電する恐れがあるので触りません(私も電気は怖いですから)。
 ただし、これらのことを知っていたからといって感電を完全に防ぐことができるわけではないので、心配な方は必ずブレーカーを落としましょう。

家庭用の配電盤

 家庭用の配電盤ですが、こんなやつ(上写真)を見たことありませんか?
 配電盤の左側のスイッチが「主幹漏電ブレーカ」で、これを「切」にすると宅内のすべての電気を遮断することができます。
 また、宅内のどこかの回路で漏電を検知すると枝回路のブレーカーではなくこれが切れて感電事故を防ぐようになっています。
 レバースイッチの右側にある「黄色」と「赤色」のボタンは漏電検知が正常に行なわれるかをテストするためのスイッチです。
 いざというときに作動しないようでは困りますので、一ヶ月に一回ぐらいはテストしましょう。

 右側にあるのが各部屋ごとに枝分かれしている電気回路ごとの過電流検知タイプのブレーカーです。
 こちらは、電気機器を使いすぎて回路が耐えることのできる規定電流を超えると安全のために回路が切断されるようになっています。
 台所などで、ポットで湯沸ししながら炊飯しながら電子レンジを使ったらブレーカーが落ちたという経験が誰しもあるはずです。

 あらかじめ、どのブレーカーがどの部屋を担当しているのか調べておけば便利ですよ。

豆知識
 もし漏電ブレーカーが落ちてしまったら。
 通常の場合、主幹漏電ブレーカが落ちることはあまりありません。 というのも、電化製品の使いすぎでブレーカーが落ちる場合は主幹漏電ブレーカではなく枝回路の小さいブレーカーが先に落ちるからです。
 主幹漏電ブレーカーが落ちてしまった場合、宅内の電気回路のどこかで漏電が起こったと考えてください。
 
 ここで、漏電箇所を特定しないで主幹漏電ブレーカを「入」にするとどうなるでしょう?
 また、漏電ブレーカが落ちてしまいますね。

 このような場合は、一旦すべてのブレーカを「切」にしてから漏電ブレーカを「入」にしましょう。
 そして、その後で、枝回路のブレーカをひとつひとつ「入」にしていくと、漏電している回路のブレーカを「入」にした瞬間・・・漏電ブレーカが落ちてしまいます。
 これで、漏電回路の特定ができますので、その回路のコンセントに接続されていた電化製品をチェックすれば、漏電していた原因を特定することができます。
 電化製品が原因の場合、修理は専門家に任せましょうね。
 内部で高圧を使用している電化製品は少なくありませんので、たいへん危険です。