公正証書遺言とは
「財産といっても自宅くらいだから、別に相続税もかからないし‥」
相続対策という意味では、確かに、多くの人にとって遺言は必要ないのかもしれません。
しかし、「相続税を支払う必要があるかないか」ということと、
「円滑な相続手続きができるか」という問題とは、まったく異なったものです。
だからこそ、「円滑な相続手続き」をするために、
自筆証書遺言ではなく公正証書遺言を選択されることが多いのです。
公正証書遺言を作成するメリット
公正証書遺言と自筆証書遺言はその効力に差はありませんが、実際には、金融機関等においては公正証書遺言の方が信用力が高く、死亡後の円滑な手続が期待できます。
公正証書遺言を作成しておけば、
相続開始後において遺産分割協議が不要となり、同意を得られない相続人との争いが避けられます。
あるいは、行方不明の相続人を捜索する必要がなくなります。
また、最近では、残された配偶者が認知症などで意思能力を表示できない場合などに、
後見人選任をしなければならないという事例も増えています。
公正証書遺言を作成しておけば、その手続も不要となるなど、メリットは多いと思います。
公証人の費用について
<公証人の報酬規定> 遺言の目的の価格 公証人の費用
100万円まで 5,000円
200万円まで 7,000円
500万円まで 1万1,000円
1000万円まで 1万7,000円
証書の作成 3000万円まで 2万3,000円
5000万円まで 2万9,000円
1億円まで 4万3,000円
3億円まで 5000万円ごとに1万3,000円加算
10億円まで 5000万円ごとに1万1,000円加算
10億円超 5000万円ごとに8,000円加算
遺言加算 1億円以下の場合 1万1,000円加算されます
祭祀承継者の指定
特に定める場合 1万1,000円加算されます
出 張
日当 2万円(4時間以内は1万円)
旅費 実費
病床執務手数料 証書作成料金の2分1を加算
謄本代 枚数による 2,000円程度
証人になれない者
【民法974条】
1項:未成年者
2項:推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者および直系血族
3項:(省略)
※ 1項について 結婚していれば証人になれます。
※ 2項について 一般的に次の者が該当します。(証人になれません)
・配偶者
・子供
・子供の配偶者
・孫
自筆証書遺言
<メリット>
・手軽
・自分で作成できる
<デメリット>
・無効の可能性
・検認が必要
公正証書遺言
<メリット>
・専門家による作成
・相続争いの回避
<デメリット>
・準備が必要
・費用がかかる。