○土鈴の歴史
我が国に土鈴があらわれたのは、いつの頃でしょうか。江戸時代、それとも奈良時代、いやいやそれは、もっと遠く縄文時代とされています。
奈良県明日香村の飛鳥座(あすかにいます)神社の縄文層から土鈴が出土したほか、各地の出土品の考古学的な考証により確認されています。
日本郷土玩具の会の山本鉱太朗さんは「はじめは鈴のなんたるかを古代人は知ら なかったに違いない。たまたま粘土をこね、それを掌にのせ延ばして空洞状の物を作 って他の土器と一緒に焼いたところ、中に小さな土塊がこぼれ落ち、一部にひびが入 った。それを振ってみると以外に澄んだいい音がでる。
”あっ これは面白いものができたわい”こうして土鈴が誕生したのではないか。」と 語られています。
○阪神・淡路大震災と土鈴
1995年(平成7年)1月17日午前5時46分頃、比較的大地震は予想されていな かった私の住む地域がマグニチュード7.2の阪神・淡路大震災に襲われました。
建物は、一部損傷でしたが家具は、ほとんど倒れ足の踏み場もない状態でした。 幸い家族に大きな怪我はありませんでした。
公務の災害復旧に追われて、とりあえずダンボール箱に詰めていた土鈴の状態を ユックリ見たのは、5月の連休でした。
発掘した埋蔵文化財の復元をする人の苦労を想像しながら、アロンアルファーを 片手に苦闘しましたが残念なことに、多くの土鈴が復旧不能でした。
○土鈴の由来など/ご意見箱
この館を開設するにあたって、単に土鈴の写真を貼り付けただけのものにしたく ないとの想いから「土鈴の由来・説明書」の整理を試みました。
現在、私たちが手に入れることができる土鈴をおおざっぱに分類すると信仰の対 象としての神社仏閣の授与鈴、土鈴作家の手びねり作品、観光土産の三種類にな
ります。
授与鈴や手びねり土鈴は、名前・由来等は比較的明らかですが、観光土産の土 鈴の中には、全国各地で同じものに、お目にかかるものもあり、由来は疎か名前も 生産地もわからないものもあります。
したがって、「ふるさとギャラリー」の各土鈴に記した「土鈴の由来・説明書」については、かなりの部分が私の独断となっています。
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