≪あらすじ≫ ニューイングランドの片田舎で支社が相次いで甦った! この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が伸びる。死んだ筈の人間が生き還ってくる状況下で展開される殺人劇の必然性とは何なのか?自らも死者となったことを隠しつつ事件を追うパンク探偵グリンは、肉体が崩壊するまでに真相を手に入れることができるか? 著者会心の長編第一作、全面改稿による待望の文庫化。(文庫版裏表紙より) ≪感想≫ 流石!!「このミステリーがすごい!」誌の1990〜2000年、10年間ベスト1というのは伊達じゃありません!! これほどまでに「死」について書かれた作品というのも珍しい、死学(タナトロジー)を勉強してみようかな?なんていう気を起こさせてくれました。まぁ、してませんけど。。。 そして皮肉なことに、ここまで「死」と向き合った話だというのに、死人が、被害者が甦るというスパイスを盛り込んだのはまさに衝撃。何より、生き返るのではなく、甦る。という辺りが堪りません。 通常ではアリエナイ現象の為、普通ではアンチミステリになるのでは?と思えるこの状況。(死者が甦るのであれば、人を殺すのに意味はあるのか?といった問題を抱える為) だというのに、ちゃんとしたルールを最初に定めることによって、死者が甦るということも頭に入れて真相を推理していく・・・・。これぞまさにミステリの新境地!! タイトルもですが、各章のタイトルのセンスの良さだけでも必読ものなのですが、やはり内容が素晴らしいです。 ダメが2006年で読んだ作品ベスト1はほぼ決まりと、4月の時点で思わせた作品。 ちなみに、チェシャがブルオーニュのおばちゃんから聞いたという人間の寿命についての話がすっごく印象に残ってたりします。 |
≪あらすじ≫ 孤島で独り、漂着物を収集する女性。 不気味なコレクションに秘められた彼女の招待と過去の真実とは?(「孤独の島の島」)、少年が目撃した以西人による殺人事件の真相は?(「次号につづく」)、団地で頻発する幼児墜落死の謎(「割れた卵のような」)他、恐怖と驚愕に彩られた絶妙巧緻の短篇七本を収録した傑作集!(文庫版裏表紙より) ≪感想≫ 山口雅也さんの短編集。 ちなみに、タイトルのマニアックスとは愛好家といった意味合いと、狂人といった意味合いを持っており、この短編集に載っている作品全て、とてもマニアックスな仕上りで構成されており、とてもシャープです。 これってミステリ?うん、ミステリだよ。といった感じで、どの作品もとても話の構成が上手く、切れ味抜群です。 |
≪あらすじ≫ 密室殺人にとりつかれた男の心の闇、一場面に盛り込まれた連続どんでん返し、不思議な公開捜査番組、姿を見せない最後の客。人気の本格推理作家が明確な意図を持ってみずからの手で精密にくみ上げた短編集。 謎とトリックと推理の巧みな組み合わせが、人間の深奥にひそむ「ミステリー」を鮮やかに描き出す。 ≪感想≫ ミステリの王道「密室」から始まり、叙述や倒錯なんていうネタを混ぜながら、ミステリという名のルールに従って描かれる各ストーリー。 短篇集である為か、各話ともに短篇向きの上質なネタで固められ『上手い』です。 ミステリとは何か?その答えの1つがこの本の中にあると思います。 |
≪あらすじ≫ 奇妙な童話を模して、探偵ばかり狙う殺人鬼・猫。残忍かつ狡猾な見立て殺人は、13人目の犠牲者に向けて研ぎ澄まされていった。密室で発見された探偵皇の死体、血文字の伝言と記憶喪失の男、そして消えた凶器。探偵が支配する探偵だらけのパラレル世界で、様々な謎が煌き、可能性が揺らめく。ミステリの真髄!(文庫版裏表紙より) ≪感想≫ 小さい頃に、読んでいる途中に『○○を選ぶと100ページへ、××を選んだアナタは150ページへ』といった選択肢が出てくるゲームブックがあった。 上記の説明で『あったなぁ〜そんなの』とワカル人は、この作品をそのミステリ版だと思ってもらえればこの作品の概略は掴んでいただけると思う。 ただし、そのミステリテイストを醸し出すのがあの山口雅也だということを忘れてはイケナイ。 選択肢通りに読むのも良し、全ての選択肢を読み進めて行くも良し。どちらにしろ読者を待つ結末に変わりは無い・・・驚愕、それのみである。 全てが伏線では?と疑ってかかるも良し、そもそも選択肢というのが怪しい。その考えも良し。 本格であり、メタミステリでもある本作はそれらを全て内包しているのだから・・・。 |
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