≪あらすじ≫ 僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。 やがて僕らは恋に落ちて・・・・・・。 甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―――と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。 「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。解説・大矢博子 (文庫版裏表紙より) ≪感想≫ 完全にやられました。 最初読んだときにほろ苦い青春恋愛小説から、時系列と人物すり替えの叙述トリックという牙を向いた本書。 そこがまず誰もが行き着く着地地点。 ダメもそこで終わるはずだったが、ふとおかしな描写があったなと思い返してみる。 ちょっとした会話での笑いのツボ、やたらリアルに書かれている割に足りない場面、水着、電話の応対。 何故物語のタイトルがB面だけでなく、A面を合わせて『イニシエーション・ラブ』なのか。 是非気づいて欲しい、リアルに書かれている割に足りなかった不十分さこそがリアルなのだと。 気づけばワカルはずだ、本当の着地地点がまだあることに、気づけばワカルはずだ、本当の主人公がマユであることに。 ネタバレというか、時系列などを実に判りやすく解読しているページがあったので参考までに。 読了後に無事着地したい人は飛んでその目で確かめてください。 |
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