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蝉丸(せみまる) その2(シテの逆髪) 逆髪は延喜の帝(醍醐天皇)の第三の皇子として生まれたが、何時の因果の故か発作的に狂乱してさ迷い歩くし、髪の毛は空の方へ生え上って、撫でても下がらない。狂いながら都を出て逢坂山まで来た。村雨が降る淋しい夜であったが藁屋の中から気高い琵琶の音が聞こえてくる。密かに立ち寄って聞いていると、中から「この藁屋の外にお出でになっているのは何方であろうか」と問い掛ける声を、良く聞くと、弟宮の蝉丸の声である。姉弟は互いに手を握り合って、互いの身の不運を嘆く。やがて別離の時が来て、姉宮は、いつまでも名残は尽きないと、行く当ても無いまま去ってゆく。声の聞こえなくなるまで藁屋の軒に佇み、泣く泣く見送る弟宮。 この能では、弟宮の蝉丸はツレだが、シテの逆髪と同格に扱われ、両シテ物といわれる。 (蝉丸・その1、をもご参照ください) |