レッドラムズホーン

アクアリストからは嫌われることの多い貝類であるが、例外的に好まれているのがこのレッドラムズホーンではなかろうか。
グルグル巻きの殻に赤いからだ。
観照的価値も高い。

通常「レッドラムズホーン」と言われてるのは、「インドヒラマキガイ」のアルビノ種。
最近では青だのピンクだののラムズホーンが出てきているが、実物はまだ見たことがなく、どういう位置付けにあるのかはわからない。

「レッド」とは名ばかりで、茶色の個体もいるが、そこはアルビノということで、「レッド」を繁殖させていてもノーマル固体は出現する。
綺麗な真っ赤な個体はなかなか少ないが、ホントに真っ赤な固体はすばらしく美しい。
この両サイドに載せたのが「アルビノ」でない固体。
レッドと混ざってしまったので、ちょっくら赤っぽい気もするが、殻に模様があったりして、殻もカラダも茶色っぽい。
もっと黒い固体もいるが、あまり黒いとちょっとグロテスクに見えるのは、私の偏見か?

ラムズホーンは、雌雄同体で、二匹いれば、簡単に繁殖する。それどころか、一回交われば、その後しばらくは1匹でも卵を産めるようで、実家に1匹だけ連れ帰ったのが、卵を産んで増えた・・という話もある。

アルビノとは違い、ノーマル固体は、触角の付け根に黒い目がある。
ちょっと画像が小さくなってしまい分かり辛いが、左の画像の固体には、触覚の根元に小さな黒い眼があるのがおわかりだろうか?
アルビノであるレッドラムズホーンは、カラダも目も赤いので、どんなに探しても赤い目は見つけられなかった。
ノーマル固体だとご覧のとおり触角の付け根に目がちゃんと見える。

ついでに黒い固体もアップ。カラダまでなにやら黒く、カラにも模様はなくなにやらちょっと不気味。(失礼)
先に書いたが、雌雄同体で、2匹いれば、ご覧のように交わって、いつの間にやらそこらに卵が産み付けられる。
卵はゼリー状のものに包まれて、最初は透明だが、だんだん黄色っぽくなってきて、中に稚貝が見えるようになる。
こうなると卵隗から出て来るのも間近。
産まれた!と思ったとたんにみないっせいに散らばっていき、その後は見つけることは困難。(苦笑)
卵隗の状態だとペロンと取れるので、もし排除するつもりなら、この段階で。

よく爆殖すると言われるが、環境が変わったときはいっせいに卵を産んだりして増えるが、その後、安定した状態で飼っていると、大して増えなくなる。
増やそうと思わなければ増えるが、逆に増やそうと思うとなかなか増えない。(苦笑)
「苔とり」としては多少は働くものの、人間が期待するほどには綺麗に食べてくれるわけではなく、人間の取りきれない苔を処理してもらえればいいな〜くらいの気持ちでいた方が精神衛生上いい。
それよりもこの貝が役に立つのは、稚魚の育成時等の残餌の処理。

(雑食性の)貝類がいる水槽といない水槽では、腐敗菌(?)の出現度が違う。水カビのようなものは、貝がいる水槽では出にくいのだ。
それは、餌や、死んだ魚が腐る前に貝類が処理してくれるからではなかろうか?

まあ、同様なことはエビにも期待できるわけで、無理にすいそうに貝類を入れなくてもいいわけだが。(苦笑)
最後に面白画像を紹介する。

ひだりは「レッドラムズホーンのおなら」。
いや、ホントにおならをするわけではないが、殻に空気をためてそれを利用して浮き上がったりすることもある。これはたまたま、浮きたくはなかったのか、殻から空気を排出していたようで、おならのように殻に気泡をつけて歩いていた。

右はドンくさい個体が、ショートヘアグラスに刺さってしまったもの。
一瞬ドキッとしたが、殻の真中には穴があいてるらしく、ちょうどそこにヘアグラスが通ってしまった模様。
しばらくジタバタしていたが、殻から刺さった葉を抜き取ってやるとそのまま何事もなかったかのように歩き去っていった。
大物だ。(苦笑)

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