|H.S.S.R. TOP| ---------------------------------------------------------------------- ┏┯┳━┳━┳━┓┏┓┏┳┓ ┃_┃―┨―┨D┃┃\┃┃┃ ┃ ┠─┠─┃ ( ┃┃\┃┗┓ ┗┷┻━┻━┻┻┛┗┛┗┻━┛ < H.S.S.R. NEWSLETTER > ---------------------------------------------------------------------- 第2・4週の木曜日発行 2010.01.28. VOL.232 ---------------------------------------------------------------------- 《 今 回 の 内 容 》 ■アレクサンダー・テクニーク H.S.S.R.プログラムス 主宰者 魚住 廣信 xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx 2010年、2回目のニュースレターです。最初に、前回告知しました新しく まとめたDVDを紹介したいと思います。テクニックのDVD以外は、すべ て新規のものです。申し込み受付は、1月28日(木)の24:00までです。配布 希望の方は、下記の事項を記入し、hssr-lab@hssr.ne.jpまで申し込みくだ さい。尚、領収書は発行いたしませんので、了承の上、申し込みください。 ※HSSR登録の名前、メールアドレスで申込みください。 名 前: メールアドレス: 職 業: 送り先: 〒 - 住所: 電話: 希望DVD:(Noとタイトルを書いてください) テクニック No.01は16,000円(送料込み)、No.02は10,000円(送料500円) No.01 身体調整テクニック−基礎扁のDVD(149分)と テキスト(カラー139頁) No.02 ドイツ式リンパドレナージュとオイルマッサージ 73分 特別講義の記録 特別講義シリーズ No.03は5,000円(送料500円)、No.04は10,000円(送料500円) No.03 スポーツトレーナーとして何をどのように学ぶか 86分 No.04 コンディショニングの概念、BIOMOTOR ABILITIES、ピリオダイ ゼーション 260分 HSSR講座の記録 講座シリーズ(各10,000円+送料500円) No.05 コンディショニング講座T ウォームアップ、筋トレ、プライオメトリックス、クールダウン 206分 No.06 コンディショニング講座U ランニング、スローイング 1−122分、2−124分 指導の記録 No.7・8は各10,000円(送料500円)、No.9は5,000円(送料500円) No.07 ウォーミングアップ(プロ野球・高校野球、トレーニングを 含む) 80分 No.08 T&F台湾キャンプでの指導 279分 No.09 スプリントの指導 60分 講演(5,000円+送料500円) No.10 L.P.マトヴェーエフ講演(マクロサイクルのピリオダイゼー ション) 101分 スポーツトレーナースペシャリスト養成講座の記録 養成講座シリーズ No.11〜14は各10,000円(送料500円)、 No.15・16は5,000円(送料500円) No.11 コンディショニング講座T リフティング、柔軟性改善 161分 No.12 コンディショニング講座U ウォームアップ、リフティング、 トランクエクササイズ、ストレッチング 150分 No.13 コンディショニング講座V ウォーミングアップ(ウォーク、 ジョッグ、ラン)、体操、プライオメトリックス、クールダウン 172分 No.14 コンディショニング講座W スキップ、スプリント、体操、 アジリティ、ストレッチング、からだほぐし 177分 No.15 コンディショニング講座X コンディショニングについて (ストレングス、スピード、持久力、コーディネーション、柔軟性) 174分 No.16 コンディショニング講座Y コントロールテストとコンディ ショニングプログラムの作成 176分 それから、2月と3月には、以下のように勉強会が予定されていますので、 参加希望の方は、詳細について下記の世話人の方に問い合わせください。 2月11日(木) 14時から(大阪・住吉):定員10名 テーマ:ストレッチング 問い合わせ:栗田 興司 pcp1996@cotton.ocn.ne.jp 2月14日(日) 10時から(東京・大塚):定員6名 テーマ:レジステンストレーニング 問い合わせ:本橋 正光 info@e-tfc.jp 2月14日(日) 16時から(埼玉・南越谷):定員10名 テーマ:ストレッチング 問い合わせ:遊馬 広之 yuma2@nifty.com 3月7日(日) 14時(予定)から:(横浜・未定)定員10名 テーマ:未定 問い合わせ:服部 哲也 t-hattori@ra2.so-net.ne.jp 3月14日(木) 14時から(大阪・住吉):定員10名 テーマ:未定 問い合わせ:栗田 興司 pcp1996@cotton.ocn.ne.jp さて、前回のニュースレターで「直す」必要性について書いたのですが、 それに大いに関係することが「適切な姿勢」です。脊柱の上に重い頭をのせ、 その土台である骨盤を二本足で支えているのが人間の直立姿勢です。当然不 安定な状態でもあるので、姿勢の崩れも当然かもしれません。その崩れはい ろんな要因で起こると考えられます。身体の異常を直すにはその姿勢の崩れ を直す必要があります。様々な身体調整テクニックもありますが、最終的に は頭の位置を適切なポジションに持ってこなければいけません。頭の位置に ついては、アレクサンダー・テクニークというものがあります。何年か前に 少し紹介した事があるかもしれませんが、姿勢を考える上でアレクサンダー ・テクニークの考え方を知っておくと参考になると思います。 今回紹介するのは、小野ひとみ著の「アレクサンダー・テクニーク(春秋 社2008)」です。その中に、アレクサンダー・テクニークの重要なキーワー ドが出てきます。プライマリー・コントロール、ミーンズ・ウェアバイ、 インヒビション、ダイレクションですが、以下にそのポイントとなるところ をピックアップして紹介したいと思います。興味のある方は、ぜひ上記の 著書をお読みください。 『この地球上には重力というものがあって、私たち人間はそれに抗して、 二本足で起きあがった体勢で動いています。起きあがっているということは、 本来、私たちの身体は、頭という重たいものを脊椎のいちばん上にもってき て、それを支える構造になっているということです。 アレクサンダーの言うプライマリー・コントロールとは、頭が先行して、 脊椎という身体の中心的な存在へと動きが伝わり初めて全身が動くという、 人問が持っている「動物としてのいちばん最初の、最も基本的な能力」の ことを言います(アレクサンダー・テクニークを紹介する本では、「初原的 調整作用」と訳されている場合もあります)。 赤ん坊の発達を観察してみると、このプライマリー・コントロールがよく わかります。 赤ちゃんは初めは仰向けで寝ているだけですが、だんだんと、うつ伏せに なったり、うつ伏せの状態から頭を上げようとして背中を反らす体勢をとる ようになります。頭を動かし脊椎をしならせて、だんだんと頭が高い位置に 上がっていく。頭が上がるようになると手足を大きく使うようになり、四つ ん這いにほふくなります。そして匍匐前進から、もっと頭が高くなるように なると、お腹が床につかない形の四つん這いになる。もっと頭が高くなると つかみ立ちをする。しばらくすると手を使わずに立てるようになります。 そうやって、頭をいちばん高いところに置こうとして、上に向かって支え るという構造が完成したときに、私たち人間の身体は最も機能的になるよう にできている。人間はそのような体勢をとった時に初めて、身体の機能が 100パーセント自由に活用できて、人間らしい活動ができるように進化して きたとも言えます。 私たちは本来、赤ん坊のときからこのプライマリー・コントロールを持っ ていて、感覚が目覚めている状態の時には、このコントロールがいつも働く ようになっています。「何かをするぞ」という行動の意思を持った時には、 いつも頭が先行し、その頭を支えるべくプライマリー・コントロールが働い て、脊椎を通じて全身が動きだす。赤ん坊と同じく、特別に自分でそうしよ うとしなくても、本能的な能力としてそのようにできているものなのです。』 『日本語に翻訳されたアレクサンダーのいろいろな関連書の中でも、文脈に 応じて「手順」となっていたり、さまざまに訳されています。ようするに、 「結果(目標)を達成するまでの過程に注意を払う(焦点をあてる)こと」です。 たとえば「座る」という目標に向かって、その時の事情に合わせて、その瞬 間瞬間に適切な手段(ハウ・トゥ)を選んでいく。それがミーンズ・ウェア バイです。 考えてみると、これこそ人生そのものではないでしょうか?私たちはいつ も、絶えず変化する状況に直面して、その瞬間瞬間に適応しながら生きてい るのであって、初めから「これをします」とか、「このようにします」と決 めて動いているわけではない。状況に合わせて自分をコントロールし、その 過程を味わいながら生きている。ただ、アレクサンダーが〈ヘッド・リード〉 と言うように、頭が決めないと行動は始まらないし、状況に合わせて自分を コントロールすることもできない、もちろん結果(目標)にも到達できないん ですね。 略 その人の「気づき」をうながすための技術として、アレクサンダーの先生 たちはたくさんの時間をかけて修練して、(もちろんこれだけではないです が)公認教師として認められているんです。誰にでも触ってもらえれば気づ くというわけではなくて、実はとても高度な技術なんですよ。先生によって も上手・下手や得意・不得意があるでしょうが、みずからアレクサンダー・ テクニークを実践しながらレッスンをしている先生は、生徒の「気づき」を うながすのがとても上手です。アレクサンダー・テクニークのレッスンは、 身体感覚として、自分の〈過程〉を感じとっているということ、つまり身体 の能力を意識できているという「気づき」をうながすことを一つの目的とし ています。その人が自分の心身の状態を感じとることができれば、それは 五感がきちんと働いているということですから、コントロールが可能になる。 何かのハウ.トゥを教えるとか、正しい姿勢や動きかたを教えることでは なくて、その人が本当にしたいことができるようになるために、心身をコン トロールする術を身につけること。アレクサンダー・テクニークは、とても シンプルだけれども、人問が生きていくうえで非常に大切で根本的な、 一つの術(技法、テクニック)なんです。』 『インヒビション(Inhibition)は、アレクサンダー・テクニークの関連書 では「抑制」と訳されることが多い言葉です。ただし日本語の「抑制」には、 何かを無理に我慢するとか、自由にしてはいけない、といった否定的な意味 も含まれてしまいますが、アレクサンダー・テクニークで言う〈インヒビシ ョン〉には、そういう意味合いはありません。 ボデイマインドインヒビションは、身体と意識の二つのうち、どちらかと いうとマインド(何を考えるか)に関するキーワードです。一方、あとで説 明するダイレクションは、ボディに関するキーワードです。 私たちは常に、外界からいろいろな刺激(情報)を受けとっていますが、 それらの刺激に対して、ふだんは、習慣的・反射的に反応しています。 つまりこれが習慣的な行動なのですが、その習慣的・反射的な行動を、 一時、中断するのがインヒビションです。もちろん、刺激を中断することは できませんが、反射的な反応をすることを一瞬、「ちょっと待てよ」と思い とどまる。そして、今のこの状況を感じとって、さまざまな動きの可能性を考え、 その中から自分で「こうしよう」と選択をして行動を起こす。このような、一瞬 のなかでの過程を可能にする時間、余裕、あるいは間(スペース)を作るた めに行なうのがインヒビションです。 言い換えれば、習慣的な反応をとりあえず抑制することによって、まずは、 現実に感じていることを感覚として取り入れる瞬間をつくるとも言えるかも しれません。 刺激を受ける→とっさに(反射的に)動こうとする→反射的な行動に一瞬 ストップをかけるロインヒビション→感覚器官で受け取ったことを意識に取 り入れる→状況を判断する→行動の可能性を考える→自分の判断で行動 を選択する→行動を始める』 『ダイレクション(Direction)というのは、自分で決めた行動を起こすと ころから始まる、いわばボディの領域のキーワードです(Directionはディ レクションと発音することもできます)。 行動を起こす、つまり行動の行程が始まる時には、プライマリー・コント ロールが働いている身体であれば必ず持っているはずの、身体のダイレク ション中での方向性があります。 身体の各部分にはそれぞれ筋肉の動く固有の方向があります。つまり動き たい方向が決まっているわけです。F・M・アレクサンダーは、そのなかで 最も基本的と思われる方向性を四つ挙げていて、それを〈ダイレクション〉と 呼びました。インヒビションをして、そして行動を始める直前に、「私はこ れからこの四つの方向性を感じ取りながら行動します」と宣言する。それが アレクサンダー・テクニークのレッスンで教えるダイレクションです。 インヒビションだけでもかなり有効なのですが、それだけだと、行動を起 こす時に再び自分の感覚や身体の動きに無頓着になってしまって、習慣的 な動きをしてしまう可能性が高い。だから、ダイレクションを感じとると宣言 することで、そこに注意を向ける目標をつくっておくわけです。ダイレクシ ョンは、「私は今、自分の行動の行程をわかっている」と確信できるための、 一つの道しるべなのです。』 『生徒によく言っていることですが、I knowというのは脳でわかっているこ と、でもI understandというのは身を通してしか言えないことなのです。体 験をしてからでないと、I understandとは言えない。身体を通してわかった ときに、初めて「わかった」と人間は言うのであって、それまでは単に「知 っている」程度、頭(脳)の中に存在しているだけなのです。人間が身体でI understand=わかったときに初めて、それは実在することになるのではない でしょうか? 特に教養が高い人や理性が強い人は、I knowのところでもうすべてできる ように思い込んでしまう傾向があります。本を読んで、アレクサンダー・テ クニークの理論とか課題とかの知識を頭に詰め込んで、もうすべてわかった ような気になってしまう。でも実際の生活のなかで活用できるかどうかはま た別の話です。アレクサンダー・テクニークの関連書は翻訳もたくさん出て いますからそれで勉強はできますが、日常の暮らしのなかで実際にこの術を 実践できていない人はたくさんいます。 「知っている=I know」ということと、「体得している、わかる=understand」 そして「できる=I can do it」ということには大きな違いがあります。 私はヨーロッパ留学中にアレクサンダー・テクニークをはじめいろいろなこ とを勉強して、いろいろなことを実際に「わかる」ようにもなったのですが、 ある時期、「わかっているけれども、できない」自分に直面する出来事が重 なって、それからは、「わかる」と「できる」の違いも真剣に考えるように なりました。』 2010.01.25. ・HSSRプログラムスのニューレター配信を中止したい場合は、 hssr@nike.eonet.ne.jp まで、ご連絡ください。 ---------------------------------------------------------------------- 発行:H.S.S.R.プログラムス URL: http://www.eonet.ne.jp/~hssr E-mail: hssr@nike.eonet.ne.jp ====================================================================== |