やけど(熱傷)、けが(擦過傷、挫創) やけどやけがは受傷後早期に適切な処置をしないと、乾燥により傷がどんどん深くなってしまいます。傷には何も塗らず、湿ったタオルで覆った上で受診してください。一日でも早く上皮化させるため、当院では夏井先生の湿潤療法、鳥谷部先生の開放性ウェットドレッシング療法(OWT)を取り入れています。この治療法は細胞の持つ治る力を最大限に引き出すために消毒をせずガーゼも使わない新しい創傷治療法です。 傷面に異物があると感染を起こし易いので、注意深く傷を観察し洗浄などの適切な処置を必要とします。 また上皮化が完了しても機能的、美容的な後遺症を残さないために幼弱な組織を保湿したり、肥厚した組織を圧迫してケロイドや瘢痕を防止することもあります。 尋常性ゆうぜい(尋常性疣贅) 尋常性ゆうぜいは指先や足底にできる硬いウイルス性のイボで、よくタコや魚の目と間違われます。一般的に液体窒素による冷凍凝固法が行われていますが、厚い角質の上から処置するためイボが十分に凝固されず数ヶ月も治癒しないことがあります。イボをしっかりと凝固させようとすると、周囲の正常な皮膚も凍傷になり強い痛みを伴います。当院では増殖した角質をていねいに除去した上で、ウイルスに感染した部位を正確に焼灼しますので、痛みが軽度で幼児でも治療が可能です。5mm程度のイボなら数回の処置で完治しますが、多数のイボがある場合は全てを同時には処置できないことがあります。 ウオノメ(鶏眼)、タコ(胼胝) 足底などの角質が機械的な刺激で増殖して厚くなった状態です。ウオノメの中央では角質がくさび状に皮膚にくい込んでいて、歩行時などに痛みを伴います。一方タコは角質がなだらかに肥厚していて、痛みを感じることはあまりありません。治療はともに、肥厚した角質を除去して行います。 文責:星屋泰則 |