先代わんこのお話   
     
   

  ◆わが家には、空を含めて今まで3匹のワンコが、暮らしてきました。

  ◆おかーさんは、子供の頃から動物だらけの家に暮らしていたので今まで何頭の犬や猫たちと暮らしてきたのか
    定かでは、ありません。
    豚だの牛だの馬だの色々いる田舎育ちなので、かなりワイルドな子供時代を送ってきました。

  ◆おとーさんは、近所の猫とたまに遊ぶくらいで、犬も猫も縁の無い生活をしていました。

  ◆おかーさんは、結婚して1匹目の犬を飼いました。シーズーの「愛」です。
    すぐにおとーさんの転勤が決まり、「愛」はおとーさんの実家に預けられることになりました。
    でもこれは、おかーさんの作戦でした。いつまでも子離れ出来ないおとーさんの両親を案じて、少しでも寂しい気持ちが
    犬の存在で楽になるようにと、仕組んだことでした。
    「愛」はその名の通り,みんなから愛されて、17年という長い天寿を全うしたのでした。

 
     
   シーズー「愛」♀義妹に溺愛されて幸福な生涯を送ることが出来ました。  
   
 
 

  ◆2匹目のワンコは、転勤から戻ってからわが家にやってきました。愛と同じシーズーでした。
    来て2日目に死に至るウイルスに感染していることが分かりました。
    3日目に、ブリーダーさんから他の犬と交換しますのでと言われましたが、入院の為、ブリーダーさんに預けて車に
    乗り込む瞬間まで、じっと、私たちを目で追い続けるこの子は、きっと私たちが迎えに来てくれると、信じている
    だろうと確信していました。
    だから「うちの子はあの子だから、無事帰って来ることを信じて待ちます。」と、ブリーダーさんには、返事をしました。
    長い入院期間を経て、死の淵から無事帰ってきました。身体は倍ほど大きくなっているのに、体重は前と変わら
    ない程だそうです。でも病院の獣医さんからも、この子はものすごく愛情を注がれてたんだね。と、言われたそうです。
    家に居たのは正味1日半ほど、名前もまだ覚えてないだろうからと、先生は家に帰るまでに名前を覚えていたら
    私たちが、喜ぶだろうと名前を教えようと、「おいでおいで」と呼びかけたけれど、お尻むけたままプィとしたまま無視を
    するそうです。
    ブリーダーさんに名前が付いているなら教えて欲しいと、聞かれたそうです。名前は「誠」(通称まこ)です。
    先生が「まこちゃん」と呼ぶとお尻を向けて知らん顔を決め込んでいたはずの、「まこ」が急に尻尾をいっぱい
    振って大喜びしたそうです。
    普通、どんなに賢い子でもこんなに短期間に名前を覚える事はないそうです。寝ずの番が効いたのかな? 
  
  ◆「まこ」はわが家にとって特別な犬でした。
    普段は自由気まま、人間大好き。ワンコ大好き。にゃんこ大好き。どこに出かけるのもいつも一緒。
    「お仕事、行ってくるね」のその一言で、ちゃんと留守番もできる子でした。
    おとーさんは、みんなには内緒だけど、「まこ」に話しかける時はいつも赤ちゃん言葉でした。
    「まこはいい子でちゅね〜」とか・・・ 
    おかーさんに気持ち悪いから、人前では絶対止めてね!と言われるほど、溺愛していました。
    まことふれ合う事で、犬嫌いな友人が犬好きに変わり、自ら犬を飼い始めるほどでした。   

  ◆私たちが一番辛い時期を支えてくれたのが、「まこ」の存在でした。
    おかーさんが半年以上の長期入院生活のあと、長期の自宅療養を言い渡された時、退院してすぐに、必ず夜中の
    3時頃、おかーさんを起こしにくるのです。体調も悪く気分も優れないのに・・・。そんな気持ちで、おとーさんを
    起こさない為にも夜中のリビングに降りて、ソファに座ると膝の上に乗ってきて、「クーンクーン」と悲しげに泣くのです。
    30分位撫でてやると落ち着いて寝るのです。これが毎晩続きました。1週間程続いた頃、やっと
    「あぁ、辛いのは、 苦しいのは私たちだけでは無いんだ。ごめんね。同じくらい辛いんだね。まこも。」と、言って
    撫でてやりました。
    その日からまこが、夜中におかーさんを起こしにくることはなくなりました。
    犬の感性は、私たちでは計り知れないものがあるのかもしれません。まこと過ごした日々はそんな事を考えさせ
    られる毎日でした。
    「まこ」は7年という短い一生を病と闘い一生懸命生きて逝きました。

    私たち以外にも、「まこ」を愛してくれた人たちが大勢いました。
    今も誰かを癒す。そんな事を,きっと続けているのかもしれません

  
     
   シーズー「まこ」♂優しい子でした。正にわが家のセラピードックでした。
 
     
     
     ◆「空」は「まこ」が逝き、ペットロス症候群に完璧に陥ってしまったおかーさんが、一日も早く「まこ」の居ない生活から
      抜け出したいと,おとーさんに無理を言って、わが家のワンコにした子です。
    ちなみにM・シュナはおとーさんの希望です。
     シーズーとM・シュナ。かなり無理がありました。びっくりの連続です! 
     まさに台風がわが家にやってきたそんな感じの毎日です。
     でも今は、「空」がわが家のワンコです。