世界の窓

このページでは海外で現在活躍されているビジネスマンや暮らしておられる方の生の声を、掲載しております。
現在、海外で滞在されている方で、その国について、レポートして下さる方、広く募集いたします。

  fineview@hotmail.co.jp



◆ 海外特派員:栗原 明則(Kurihara Akinori)


群馬県生まれ。高校2年生より留学されている。今年で5年目。
現在、オレゴン大学に在学されており、今年の夏からハワイのファーストアドベンチャーで
お仕事をされる予定です。
Homepage:http://gladstone.uoregon.edu/~kaki

E-mail : kaki@gladstone.uoregon.edu


(97/7/18 アメリカ・オレゴンレポートより)

留学したいけど、、、Vol.1


どうもこんにちは。今回は留学か進学かという結構多くの日本の高校生のもつ悩みに 対して、僕なりの考えを述べたいと思います。
これは、僕宛によせられた留学しようと悩んでいるある高校三年生に向けて宛てた返事を書き直した物ですが、これから留学しようと考えていらっしゃる方達にとって少しでも参考になれば幸いです。(なお、この人生観はあくまでも参考であり、どの方にも押しつけるつもりはありませんので、ご了承下さい。)


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##君へ

御手紙有り難う。

高校三年というと調度僕が留学した歳だね。
僕自身、高校に入ってから色々なことを悩んで考えて、話すと長くなっちゃうんだけど、まあ簡潔に言うと自我の持つ自己表現の場にたいする欲求がものすごく大きくなったんだな。
たくさん本も読んで、映画もみて、刺激になる物はなんでもしたよあの頃。それこそ、なんでもだね、犯罪すれすれなことも多々おこなったし、、、(^^;で、どうしても、日本の教育制度にたいする疑問と自分のいるべき場所にたいする欲求を押さえきれなくなったの。うちの家庭って結構複雑でさ、自分の帰るべき場所ってどうしても思えなかったんだよね。今でもこれは変わってなくて、だから日本に帰らずにずっとこっちにいるんだけど、なんていうかなあ、自分のこと大好きでいるために自分の大好きなことをやる場所をを作るために僕は留学したんだと思うよ、今思うと。別に、アメリカンドリームなんて抽象的な物に興味はなかったし、英語だって特別好きじゃなかったしね。
ただ、あのとき親に猛反対されて、もし留学できないんだったら家をでようっておもってたな。自分のこれからをすべて掛けた要求だったね、留学させてくれっていうのは。だから、なんとか要求がとおったあとは全部自分で調べてやったよ。親にいったのが高二の1月で、実際アメリカにいたのが高3の7月だからいそいだよねー。でも、自分でやりたかった、すべて。そして、今までやってきたと思う。高校も大学も自分で決めたし、生活も勉強も就職も全部一人で決めてきたよ。あっ、もちろん金銭的には親に頼ってたしもちろん感謝してるよ(僕はじぶんでアルバイトして学費を稼ぐといったら、親には親の役割があるといって怒られた(^^))。でも、一切の干渉はやめて欲しいといっておいたし、それでだめになるようなら自分で自分の能力を客観的にとらえられない馬鹿なんだからいさぎよく死のうとおもっていたな。実際死のうと思ったこともあったしね、留学中に。

これは最初にいっておきたいんだけど、確かに留学ってきくと響きがいいかもしれな いけど、生きるという事に関していうなら日本にいようが何処にいようが一緒だって こと。
もちろんつらいことだって楽しいことと同じくらいたくさんある。##君は今 の自分が好きかな?自分の生にたいして誇りをもてるかな?自分の死に恐怖すること があるかな?人間なんて、悩むのは当たり前で悩まないのがおかしいと僕は思うし、 やりたいことが見つからないという君の焦りも、すくなからず感じられるつもり。で もさ、自分のやりたいことは自分が色々な物や人に影響を受けて変えられていくよう に、変わって行くべきだと思うんだよね。
だから、今、やりたいことが見つからないと嘆くまえに、今の自分は自分の好きかどうか問うてみてよ。なにやってても、どこにいても、これは自分の好きなことでここは自分の好きな場所だって胸を張っていてほしい。いま、なにがしたいのかを探すときに、自分を甘やかすのではなく愛せるかどうかで考えて欲しいんだな。別に、人を殺したければ殺せばいいし、レイプしたければしてもいい。でもね、それが本当に自分のしたいことで、それをすることによって付随して起こる事象に責任がもてるか、そしてそれをする事が本当に自分を愛することなのかを考えて欲しいんだよね。

今##君が悩んでるのは、どうしたら漠然とした自分の未来に対して自分の能力をい かしつつ、自分のやりたいことをして充実出来るのかって事だと思うんだけど、その 悩みって実は大なり小なり誰でも持ってるんだよね。
ただ日本の学生の場合「大学」っていう社会が神格化させちゃったやっかいなものがあるから、高校生のうちに自分にこだわりを持ちはじめちゃうと、この問題がどうしようもないくらいに大きく膨らんで悩んじゃうんだよな、これが。しかし、考えてみよう。
大学なんて、行きたい人が行けばいいでしょ?行きたくないなら行かなければいいの。何でこんなに大学進学がからむとややこしくなるかというと、社会がさ、押しつけるのよ普通とか一般的にとかっていう幻みたいなものをさ。あと、世間体ね、これは親御さんが気にすることだろうけど、これがさ、結構面倒くさいんだよね。それに、「やっぱり大学いかないと将来的に生活できないかなあ」っていう自分のもつ打算もかなりやっかい。たとえば、自分が美味しいって思ってる物を残りの99人がまずいっていったら、自分のほうがおかしいのかなって思っちゃうよね。それで、自分に嘘ついて「これまずい」っていっちゃうんだな、たいていの人がさ。つまりなにが言いたいかというと、他人がなんと言おうと自分がいいと思ったらやるの。なんでもだよ、なんでも。親が将来のために大学いけっていおうが、なに言おうが自分で納得いかないことはしなくていいの。そして、納得行くまで考えてればいい。
例えば、一人旅にでるのもいいし、何かアルバイトしてみるでもいい。色々ところにいって、色々な人と話をして、色々な物を感じて刺激を受けて、自分を変えてもらいながら考えよう。一年や二年人生dropoutしてても、自分さえ客観的に見れることが出来るなら、なんも心配なんかする必要ないと思うよ。でっ、そのあとで大学行きたければいけばいいし、留学したければすればいい。
あのね、人間本当に何かしたいと思ったら、大抵のこと出来ちゃうんだよね。僕、3年間世界中を貧乏旅行してやっぱり自分は医者になりたいって東大の理三うかったやつしってるよ。そいつの高校時代の成績なんて赤点すれすれ。50歳で留学して、奨学金獲得して大学院で勉強してるおばさんなんてのも知ってる。新卒じゃないと就職も危ういとかさ、くだらいよね。誰かに必要とされる人間にならなくてどうするのよ。自分が何歳で、なにやってても是非うちの会社に来て下さいって言わすぐらいの自分になろうよ。自慢するわけじゃないけど、僕就職活動一つもしなかったし、INTELとかAppleから電話かかってきて仕事しないかって言われたし。結局どっちもけっちゃったけどね、べつにやりたくなかったから。それで、ハワイの小さな旅行会社に就職したの。人は言う、君はなに考えてるかわからないってね。でも、僕は自分の好きなことを、好きな場所でしたいわけなのよ。

結論、#1自分を好きになって、#2自分の人生に誇りを持って、#3自分の言動や挙動に責任を持つ、これにつきると思うよ。

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(97/7/2 アメリカ・オレゴンレポートより)

留学生バイト事情 Vol.1

「いやー、今月もきびしーなー。」
これはよく私のまわりの学生たちから色々な言語でもって聞かされているセンテンスです。オレゴン大学は沢山の国から留学生が学びに来ていてもちろん私の知り合いにもそんな留学生がたくさんいるのですが、東南アジアからのリッチな留学生を除けばやはり生活してゆくのに深刻な問題のようです。

基本的に留学生はビザの関係上アルバイトという物がおおっぴらに出来ないんですよね。キャンパス内でのバイト(例えばカフェテリアの掃除とか寮の清掃等)は大丈夫なのですが、これまた色々大学側と書類をかわしたり事務的な手続きが多くって、やろうと思ってからはじめるまでに1〜2週間かかってみたりで、なかなか大変なのです。

しかも低賃金、重労働でやるきなくなりますね、一ヶ月やったら。(体験談です(^^))だから、最後の手段としてどうしてもお金が欲しいときはtutorといわれる、まあ言ってみれば家庭教師みたいな物をもぐりでやるんです。初めにまず例えばなんでもいいんですけど、「日本語教えます」、とか「数学教えます」なんていうちらしをつくって大学内の掲示板にたくさん張るんですよね。そうすると、うまくすれば電話がかかってきて商談成立ってことになるんですが、これがまたまたなかなか見つからないのが実状で、世の中そんなに甘くないですね。


とまあ、日本の学生にくらべると今書いたように格段とバイトするチャンスが少ないんですが、それでも幾つか僕のやったバイトを紹介します。これからアメリカに来てイリーガルにお金を稼ぎたい方必読ですよ。(^^)



#1日本語のtutor

これは結構いいバイトなのですが、何しろ今はアメリカで日本人のいない都市はないんじゃないかってぐらい日本人がいるのでわざわざお金払って日本語習わずとも友達の日本人に頼むって方の方が多いみたいです。僕はluckyでした。しかも相手のアメリカ人の女性とおつき合いもできたので、本当にいいバイトでした。(^^)


#2日本語の名刺作成

これはうちの街と姉妹都市関係にある掛川市のsister city commiteeの方の以来だったんですが、pagemakerを使って作りました。ひとり$5で50人分作ったので$250の儲け、美味しかったです。


#3Homepage作成

これは一番いいと思う。ただかなりいい物を作る自身がないと止めた方がいいですね。でも、一枚作ればへたすれば$1000単位で稼げるので、コンピューターに興味のある人は留学する前に腕をもっと磨いておきましょう。


#4日本食屋さんでのバイト

ぼくは日本にいるときに居酒屋でバイトしたり自分でも包丁を握るのが好きなんですけど、そんな理由でお寿司屋さんの厨房に入ったことがあってこれも面白かったですよ。日本人の経営してるものだったら結構もぐりでやとってくれたりすることも多いし、トライしてみるのもわるくないですね。


#5たまごっち&Air Maxの逆輸入

これは本当に犯罪すれすれなのですが、日本ではやっていて手に入りにくいものを逆輸入してあげれば簡単に、しかもかなり儲かります。でもくれぐれも、合法的に言い逃れるような理由も考えてからやってください。(^^;


#6宿題をやってあげる

これは結構留学生だけでなくアメリカ人学生もやるのですが、たとえばリサーチをしてあげたり、ペーパーを書いてあげたり、数学してあげたりと様々です。結構これはいいかもね。


#7家にレストランを開く

これもまたおおっぴらには出来ないんですが、知り合い相手程度だったら可能です。もちろん、料理の腕が必要ですよ。僕がやったのは完全予約制で、一回に一組4人までが定員であらかじめにもらった予算とお客さんの好みを反映させて料理したんです。だから、安く食材を仕入れられればその分は儲けになるのですが、なかなか好きでなきゃできませんね、これは。


#8同時通訳兼ドライバー

これもいいバイトでした。ある日系企業の重役の方がオレゴン大学を視差にこられてたまたま私が通訳兼ドライバーに抜てきされて一日付き合っただけで$200と昼食、夕食込み。これは美味しかったです。


とまあ、こんな事をして私はバイトのようなことをしたのですが、やはり思うことは何か手に職を付けようということです。なんでもいいんです、料理、スポーツ、勉強、、、あとはあなたの知恵次第でお金に結びつけられます。でも今やっぱり知っていたいのはコンピューターの知識。こいつがあれば、どこでもお金につながります。学生時代だけじゃなくて、その後のキャリアにも楽に結びつくんです。かくいう僕もApple, Intelから電話がかかり仕事をしないかといわれたぐらいですからこれは本当です。

しかも僕は去年日本人学生のためにコンピューター講座を開きそこでいまの彼女を見つけ、来年には結婚することになっています。(^^)もちろん留学生なんですから英語と日本語を操り、コンピューターの知識があれば将来に心配はないでしょう。(金銭的にも人間関係にも(^^))少しアルバイトの話からずれてしまいましたが、とにかく何か特技を持ってアメリカにゆきましょう。住み易さが全く違うと思いますよ。それでは、今回はこのへんで。もし質問等ありましたらこちらのアドレスまでメールください。

kaki@gladstone.uoregon.edu