・Microsoft Mailを使う   ここまで構築できたネットワークを何人で使用しているのだ  ろうか。趣味のため複数のパソコンを一人で使っているのなら  ともかく、小規模事務所や家庭では複数の人が利用していると  思う。そうであれば、コミュニケーションの1つの方法として  ネットワーク内で電子メールが使えればと思うだろう。   ではどのようにすれば簡単にできるのだろうか。インターネッ  トと同様にSMTPやPOPを利用したメールシステムは、この程度の  ネットワークで構築するのにはちょっと無理がある。この方法  は今後の中で説明するとして、今回はWindows95が標準で備えて  いる「Microsoft Mail」を利用した電子メール環境を構築して  みよう。   前回の中でFAXを利用するために「受信トレイ」をセットアッ  プした。この「受信トレイ」に「Microsoft Mail」の機能をイ  ンストールすれば利用可能となる。   まず、サーバー側となるパソコンの設定から説明すると、最  初に任意のドライブに新しいフォルダーを作成しておくことを  薦める。ここではCドライブに「post」というフォルダーを作成  する。   次に「コントロールパネル」から「Microsoft Mail ポストオ  フィス」を開く。ここで「新しいワークグループポストオフィ  スを作成する」を選択する。次の画面でポストオフィスを作成  するフォルダーを指定する。「参照」を押し、先ほど作成した  「post」を選択しよう。そして「次」だ。次の画面で確認でき  るが、実際には「C:\post\wgpo0000」というフォルダーにポス  トオフィスが作成される。「次」へ行こう。「アカウントの詳  細を入力」画面が表示されるので、まずは自分の名前、メール  ボックス名、パスワード等を登録する。これでOKだ。   そして、ここでこの「C:\post」フォルダーをフルアクセスで  共有設定にしておく。方法は前号までの内容を参照してほしい。   次に「Microsoft Mail」の設定を行う。「コントロールパネ  ル」から「メールとFAX」を選択する。「MS Exchangeの設定の  プロパティ」が開くので「追加」を選択する。「プロファイル  へのサービスの追加」が表示されるので「Microsoft Mail」を  選択して「OK」する。すると「Microsoft Mail」の設定画面が  表示される。ここでまず「接続」の「ポストオフィスのパス」  に前記のパス「C:\post\wgpo0000」が設定されていることを確  認する。次に「ログオン」で先ほど設定したメールボックス名  とパスワードを入力する。その他に設定する内容が山ほど有る  が、とりあえずこれでサーバー側の設定が完了し稼動できるは  ずだ。   試しに自分から自分にメールを送ってみよう。「受信トレイ」  を起動するとメールボックスとパスワードを聞かれるので、先  ほど設定した内容を入力する。間違えが無ければ受信トレイが  起動するはずだ。   そして左から3つ目の「メッセージの作成」ボタンを押しメー  ルを作成する。ここで「宛先」をボタンを押すと「ポストオフィ  スアドレス一覧」内のアドレスが表示される。ここの一覧には  先ほど設定した自分自身のアドレスが登録されているはずだ。  ここで自分自身を選び「宛先」ボタンを押し「OK」する。あと  はメールを適当に書き、送信ボタンを押せば良い。   次に「ツール」から「サービスを指定して配信」から  「Microsoft Mail」を選択すると、先ほど送信したメールが届  けば成功だ。   それでは、クライアント側のパソコンの設定を行うことにな  るが、ここでもう一人のアカウントを作成しておこう。「コン  トロールパネル」から「Microsoft Mail ポストオフィス」の設  定で「既存のワークグループポストオフィスを管理する」を選  択し、次、次と進み、先ほど設定したメールバックス名とパス  ワードを入力し次へ進み、「追加」で新たなアカウントを作成  する。   クライアント側の設定は基本的に上記のサーバー側の設定と  同じである。違うところは、「Microsoft Mail」の設定で「ポ  ストオフィスのパス」をサーバー側の共有フォルダーにすると  いう点だ。具体的には、サーバー側のパソコンが「P5-133」と  言う名前で、共有フォルダー名が「POST」ならば、パスは  「\\P5-133\post\wgpo0000」となる。そして「ログオン」設定  は新たに作成したアカウントを設定すれば完了である。   これで2台のパソコン同士でメールのやり取りが可能となる。  メール作成画面で宛先を相手の名前にすれば、ちゃんとメール  が相手のパソコンに届くはずだ。  ・用語説明   ・SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)     電子メールをクライアントからサーバーへ、またサーバー     からサーバーへ転送するのために用いられるプロトコル。   ・POP(Psot Office Protocol)     メールサーバーに到着した電子メールをクライアントコ     ンピューターに転送するために用いられるプロトコル。