0.なぜLANが必要?   自宅内ネットワークの構成を説明する前に、なぜLANにしなけ  ればならないのだろうか。お金をかけてまでLANをするメリット  があるのだろうか、と考える人もいるかもしれない。   でもよくよく考えてみよう。2台以上パソコンがある場合、パ  ソコン間でのデータのやり取りをどうしているのか。フロッピー  ディスクを抜き差ししてやり取りすることだろう。当然時間が  かかるし、めんどうである。そして今ではデータは巨大化し、  フロッピーディスクに入らないような大きなデータはいくらで  もある。それに複数のパソコンの間で、どれが一番最新の正し  いデータなのかが分からなくなってくる。SOHOのように小人数  で仕事を行っているのなら、データの不整合は致命的なことに  もなりうるだろう。   もっと考えると、プリンターも共有すれば、切り替えの手間  も無くなるし、インターネットだってそれぞれのパソコンにモ  デムをつけて切り替えなんて事も無くなる。   使用目的によっては投資金額も大きくなるかもしれないが、  それ以上にLANの効果はあると思う。 1.自宅内ネットワークの構成   さて能書きはこれぐらいにして、実際私の自宅がどのような  ネットワーク構成になっているのか説明しよう。しかし注意し  て頂きたいのが、このメールマガジンは初心者を対象としてい  る。しかしこのネットワーク構成を見ると、どう見ても初心者  向きではない。私がネットワークを組み始めてから2年半の結果  だからだ。もちろん最初は2台から始まり、徐々に増えてきたか  らだ。講座ではこのネットワークを個々に分割し、それぞれの  テーマ毎に説明するので心配しないでほしい。   現在以下の機械でネットワークが作られている。   *コンピューター    ・Gateway P5-133(Windows95) 普段使っている機械    ・IBM ThinkPad535(Windows95) 持ち運び用    ・IBM ThinkPad560(WindowsNT4.0)         ファイル、プリンタ共有、DNS、WebServer    ・Fujitsu FMVS13(FreeBSD) WebServer    ・SUNワークステーション互換機(UNIX) 拾い物、用無し    ・CASIO CASSIPEIA A-51(WindowsCE) 持ち運び用   *通信機器    ・ISDNルーター:古河電工 MUCHO-ST    ・DSU、TA:NEC AtermIT55DSU    ・ハブ   ネットワーク図は http://www.itsui.com/network/ へ    これらの機械がすべてつながっており、すべてのコンピュー   タからインターネットへ接続できるようになってる。また   Windows系のパソコンからはファイル、プリンタを共有してお   り、やはりどの機械からでもファイル編集、印刷を可能にし   ている。    この講座では、まずWindows95環境でのネットワーク作りを   説明していく。 2.ネットワークカードの導入   では実践に入ろう。当然だがパソコンが2台無ければいけない。  Windows95のネットワークならば、わざわざネットワークカード  等が無くても、ケーブル接続機能でシリアルケーブルを用いた  簡易的なネットワークを作ることは可能である。しかしケーブ  ル接続の場合は転送速度が115.2Kbpsであり、イーサネットを使っ  たLAN(10Mbps)に比べれば非常に遅い。それにこのケーブル接続  は機種によっては動かなかったりするらしく、きちんとできる  ようにするには大変だと聞いている。だから、ちょっとの投資  でイーサーネットのLANが組めるので、この方が精神的にも良い  と私は思う。   最近のハイエンドパソコンは最初からネットワークカードが  導入されているものもある。しかし高い。ネットワークカード  は、最近では秋葉原などへ行けば5,000円前後で購入できる。  ノートパソコン用のPCカードですら1万円前後である。   ではどのようなものを購入したら良いのだろうか。今回の講  座である家庭内やSOHO向けであれば、高額な100Mbps対応のPCI  バスのカードなど必要無い。ISAバスで10Mbpsの普通のイーサネ  ット用で十分である。ISAバス用であればNE2000互換と書いてあ  るボードなら、たとえWindows95用のドライバーが付属していな  くても、Windows95が持っているNE2000のドライバーで稼動する。  しかし初心者にとってはめんどうなことも多くなるので、  Windows95対応と堂々と書いてある製品を購入することを勧める。  これはPCカードの場合はなおさらのことである。私は現在3comと  PlanetのISAカードと、ノートパソコン用にはTDKとD-linkのPC  カードを使っている。   次に必要になるのがHUBである。HUBはそれぞれのパソコンから  引かれるネットワークケーブルを繋ぐ装置である。これぐらいの  規模であれば10BASE-Tだけに対応している製品で十分だ。最初  2台で繋ぐためには4ポートや5ポートの廉価なHUBで十分だ。やは  りこれも5,000円ぐらいで購入できると思う。なお、10BASE-Tの  コネクタは、電話のモジュラーより一回りおおきなコネクターで  あり、接続も簡単である。   そして忘れてはならないのがネットワークケーブルである。最  近では秋葉原に行かなくても、田舎の電気屋さんでも置いてある  ところがあるらしい。今回は10BASE-Tで接続するので、これ用の  ケーブルを購入する。長さは各自のパソコンの配置によって長さ  を決めて購入するようにしてほしい。大体1本1,000円前後で購入  できるはずだ。できれば余裕を見た長さを決めておいた方が良い  だろう。私のように田舎に住んでいると、ケーブル1本買うため  に遠くまで行くのは大変つらいことである。   さてこれで材料は全部そろった。まずISAバス用のネットワー  クカードをパソコンに取りつけてみよう。きちんと日本語のマ  ニュアルが付属しているのなら問題は無いはずだ。まずパソコン  の電源を切り、カバーをはずしてみよう。カードがさせる場所が  あるはずだ。最近のパソコンはほとんどがPCIバスなので、パソ  コン内部にはPCIバスとISAバスの2種類のスロットがある。スロッ  トを見て、コネクタが密になっていないのがISAバスで、途中で  短いコネクタと長いコネクタに分割されていて、それが直線的に  配置されていると思う。ここに買ってきたネットワークカードを  挿す。きちんと力を込めて押し込もう。そしてビスできちんと固  定しておこう。   パソコンをもとに戻し電源を入れるとWindows95が立ち上がる  途中で、ネットワークカードが認識され、ドライバーをインス  トールする画面が出るはずだ。そして指示に従ってインストール  すれば完了である。「コントロールパネル」の「システム」の  「デバイスマネージャー」で確認してみよう。「ネットワークア  ダプタ」の中に今導入したネットワークカードがあるはずだ。こ  こに「×」がついていなければ成功である。   しかし、一部の機械では不具合が起こるかもしれない。それは  すでに色々なカードが導入されている場合に多い。IRQ等のリソー  スがすでに使われていて空きが無い場合である。そのような場合  はすでに導入済みのカードを外さないとだめかもしれない。ネッ  トワークカードを導入する前に「デバイスマネージャー」で空き  を確認しておこう。   次にPCカードをノートパソコンに導入しよう。これはもっと簡  単である。単純にカードをパソコンに突き刺せば、ドライバーを  インストールする画面が出るはずだ。後は画面の指示に従ってイ  ンストールしよう。   次にそれぞれのパソコンとHUBをケーブルで接続する。これで  ネットワークの第一段階の機器導入は完了だ。後はWindows95の  設定を行うことになる。これは次号で説明する。